西村雅彦 「DECO」     1996
 
 さて、富山出身の芸能人と言えば、
柴田理恵、室井滋、立川志の輔、黒部進、野際陽子、左姉妹(幸子・時枝)、
山田辰夫、風吹ジュン、高原兄、原信夫(シャープ&フラッツ)、
松田洋昌(ハイキングウォーキング)、そしてこの西村雅彦あたりを
まず思い出すでしょうか。
 
 
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 TVドラマや舞台で活躍している西村さん、
ワタシはTVドラマは観たことないけど、舞台をTVで何度か観ました。
仕事で実物も何回か見ました。
そんな西村さんがなんと、キング・クリムズンの「21世紀の精神異常者」を
カヴァーしてるんですよ。バックの演奏はなかなかです。
ところが1コーラス目、バックと微妙に(というか、かなり)ズレてるんですな。
1960年生れなので、オンタイムでキンクリを体験してはいないと思うけど、
思い入れのある曲なんでしょうか。じゃないと、こんなのカヴァーしませんから。
でもファンなら唄い出しの部分、あんなにハズさないと思うけど。(笑)
 
 あとの曲は三谷幸喜作の本気か冗談かわからないような曲が中心。
「古畑任三郎のテーマ」に歌詞を付けてミュージカル風に仕立てた
「今泉君を讃える歌」、面白そうなんだけど、
その番組観てないので、よくわかりません。(笑)
 
 「21世紀の精神異常者(Reprise)」では、インスト部分もバッチリで、
これはひょっとしてマジかな? と錯覚しちゃいそう。(笑)
元ちとせ 「Hajime Chitose」       2001
 
 2002年にアルバム「ハイヌミカゼ」でメジャー・デビューするちとせ嬢、
デビュー前にインディーズよりリリースしたのが、この「Hajime Chitose」と
「コトノハ」の2枚のミニ・アルバムです。
 
 
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 この「Hajime Chitose」は全曲カヴァーで、
収録曲は
 「Birthday」(ビョーク)
 「名前のない鳥」(山崎まさよし)
 「Sweet Jane」(ヴェルベット・アンダーグラウンド)
 「Little Wing」(ジミ・ヘンドリックス)
 「冬のサナトリウム」(あがた森魚)
 「Home Again」(キャロル・キング)
の6曲で、「奄美の島ウタ」という土壌を離れて、自分が好んで聴いて来た曲を
選曲したんじゃないでしょうか。
 
 ジミヘンの「Little Wing」なんて超意外でしたが、
独特のこぶしが妙な雰囲気を醸し出してますよ。
こぶしを活かそうとすると、どうしても英語の歌詞も日本語的な発音になっちゃうし。
 
 後にあがた森魚さんの「百合コレクション」などもカヴァーするちとせ嬢、
ここでは「冬のサナトリウム」を取り上げています。
やはり日本語の歌詞じゃないと、彼女の唱法は活きませんね。
THE POWER STATION 
「LIVING IN FEAR」 
1996
 
 いわゆるスーパー・バンドとして「THE POWER STATION」を発表したのが
1985年。そこから11年も経った1996年に2nd アルバムをリリース。
メンバーはロバート・パーマーとアンディ・テイラー、トニー・トンプスン、
新たにバーナード・エドワーズ(元CHIC)がベースに加わりました。
ところがバーナードはリリース前に病死。
本作は1st同様、バーナードがプロデュースしたものです。
 
 
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 どこかLEVEL 42を想わせるような「Notoriety」、
R.パーマーのソウルフルなヴォーカルが聴ける
マーヴィン・ゲイの「Let's Get It On」、
そして本作のハードさを象徴するような「Living In Fear」、
ラストはビートルズ「Taxman」のカヴァー。
ここまで重くするとなかなか面白い!?
 
 ロバート・パーマー自身も93年の自身のアルバム「RHYTHM & BLUES」以来。
ソウルフル&パワフルなヴォーカルは健在です。
APELLACHAKO 
「GET THROUGH THE FIELD」 
2003-2004
 
 富山出身でNYでベーシストとして活動するかたわら、
国内ではフォルクローレ・グループ "WAYNO" や
アコースティック・インスト・グループ "アペラッチャコ" を率いて
いろんなイヴェントなどで活躍する谷中秀治さん。
ワタシも何度かウエイノのライヴを観ましたが、ネイティヴな富山弁を駆使して
オーディエンスを楽しませてくれたり、日本の童謡なんかを
フォルクローレ調にアレンジして聴かせてくれたりします。
 
 ウェイノは谷中さんの他はすべてペルーなどの南米のメンバーですが、
このアペラッチャコは日本人5人によって構成されてます。
彼らの2ndアルバムです。
 
 
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 フロントにツイン・ギター(SASUKE & M.M.BLUES)、
パーカッション(ヤマダベン)、キーボード(ロケットまきの)、
ベース&ヴォイス(谷中秀治)の5人ですが、
現在はウェイノのメンバーが出入りしてたりと、流動的なようです。
 
 ラテン・パーカッションを前面に出した「Gladiator」、
スカのリズムに乗せたキーボードのインスト「マキ★スカ」、
ウィンド・チャイムやベルなどをバックに鍵盤ハーモニカが奏でる「アキロー」、
同じくウィンド・チャイムや水の音を出す楽器(名前わからん)などを駆使した
「Angel Jaco's Son」など、多彩なバックグラウンドを活かした
爽やかなインスト・アルバムでした。

 
MILES DAVIS  「NEFERTITI」       1967
 
 前作の「SORCERER」と同時期にレコーディングされ、
前作同様、マイルスは1曲も提供していないのです。
 
 
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 ショーター作のタイトル・チューン「Nefertiti」は
メロディが延々とリピートされ、気が付くと「あれ!?アドリブがない?」
延々と繰り返される中、トニーのドラムスが変化を付け、
マイルスとショーターのちょっと時間差のあるユニゾンが
この曲に表情を付け加えています。
 
 トニー作の「Hand Jive」ではマイルスのソロを充分に堪能できます。
曲作りにまったく加わってないけど、音はまるっきしマイルス!
ここでもトニーはシンバルを多用しながらもリズムに微妙な変化をもたらしてます。
こんなところが「天才」と言われる所以なのでしょうね。
 
 メンバーに曲を作らせ、陰でしっかりと糸を操ってるマイルスは
やっぱり「したたか」なのかなぁ...。
GRAM PARSONS  「GP」      1972
 
 ザ・バーズ、ブリトゥズなどを渡り歩き、ブリトゥズ解散後の1stソロ。
 
 
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 ギターにジェイムズ・バートン、スティールがバディ・エモンズとアル・パーキンス、
そして若き日のエミルゥ・ハリスがヴォーカルで参加しています。
 
 名曲「She」、このメロディ・ラインはカントリー・ロックの域を越え、
ソウルフルな印象さえも伺えます。(残念ながら声はソウルフルではありませんが)
 
 グラムの魅力は、スティールやフィドルなど、カントリーの構成に
R&Bやブルーズなどのディテールを加えることによって
ベイカーズフィールド・サウンドを更に広角化したところでしょう。
 
 それにしても「She」の泣きメロは絶品ですよね。
 今年の8月、10月、12月の3回に分けて開催されました。
8月は「1960年代の英国音事情」
10月は「これだけは聴いてほしい、ロックの偉大なる歴史」
12月は「世界音楽巡り」
 
 昨日、12月の講義と併せて「スペシャル・ライヴ」として
鈴木茂、高田蓮 with 伊賀航&伊藤大地のコンサートもあったそうです。
 
 
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 残念ながら3回とも仕事の都合で聴講できませんでしたが、
昨日のライヴに長男夫婦が行き、バラカン氏の著作物を2冊購入して、
なんとワタシ宛のサインをもらって来てくれました。
「ピーター・バラカン音楽日記」と「ピーター・バラカンのわが青春のサウンドトラック」の2冊です。
 
 
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 バラカン氏は1951年生まれなので、ワタシの4級上ということになりますが、
もちろん育った環境や風土も大きく違いますので、一概に比較することはできませんが、
氏の著作物やラジオ番組などで接する限りでは、
けっこうワタシの好きなアーティストを贔屓にしてたり、
またワタシの知らない分野の情報なども聞かせてくれて、大変楽しみにしている次第です。
それと氏の日本語のボキャブラリーの豊富さに驚きを禁じ得ません。
 
 これからも氏のご活躍を期待するばかりです。
BOB DYLAN  「WORLD GONE WRONG」       1993
 
 『時代は変わっても、変わらないものがここにある。』
 
 
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 レコード・コレクターズ誌のボブ・ディラン100選には
本作からは1曲も入ってませんでした。
オリジナルではなくトラディショナルからの構成ですから
100選に入らなかったのは当然でしょう。
 
 国内盤は「今作はアーティストの強い意向により、
歌詞・対訳を掲載しておりません。御了承下さい。」のメッセージ。
何が唄われてるのかはわかりませんが、
鈴木カツさんや菅野ヘッケルさんの詳しい解説が有難いです。
 
 古いブルーズやフォークなどを題材にした本作は
すべてギター弾き語りで構成されてます。
邦題は「奇妙な世界に」。
菅野さんの「世界は奇怪しくなってしまった」というニュアンス、
この時期のディランは世界の終末観を匂わせる歌が多かったんでね。
 
 「Ragged & Dirty」のギター、カッコええなぁ。
オリジナルは聴いたことないんだけど、
ここでのディラン、難しいことはやってないんだけど、上手い!
と感心する間もなくブラインド・ウィリー・マクテルの「壊れた機関車」、
ディランて、こんなにギター上手かったっけ?
 
 折りしも世の中「アンプラグド」のブームのさなか、
ディランが古いブルーズを見事に蘇らせました。
V.A.  「OKUDA TAMIO COVERS」       2007
 
 この「奥田民生カヴァーズ」と同時に「ユニコーン・カヴァーズ」なるモノが
出てるようなので、本作はあくまでもソロ・ワークスに対するトリビュートでしょうか。
と、考えるほど、奥田民生に関しては無知で、数曲程度しか知りません。
ただ、彼の作るメロディはどことなく尻切れトンボ的な感じで、
完結しないところが独特の魅力だと思ってました。
 
 
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 さて、ここに登場するアーティスト達も知らない名前が半分ほどです。
 
 木村カエラ / マシマロ
 B-DASH / ワインのばか
 斎藤和義 / カヌー
 スピッツ / さすらい
 GOING UNDER GROUND / イージュー★ライダー
 サンボマスター / 恋のかけら
 The ビーズ / MOTHER
 チャットモンチー / 息子
 GLAY / 野ばら
 中孝介 / 手紙
 ウルフルズ / トロフィー~ヘヘヘイ
 PUFFY / 健康
 ザ・コレクターズ / 花になる
 detroit7 / 月を超えろ
 SPARKS GO GO / ルート2
 HALCALI / 愛のために
 THEATRE BROOK / これは歌だ
 DEPAPEPE / サウンド・オブ・ミュージック
 井上陽水 / The STANDARD
 
 恥ずかしながら原曲をほとんど知らないもので、
原曲に忠実にカヴァーされてるのか、
あるいは奇抜なミスマッチ的なアレンジもあるのか?
ワタシにはわかりません。(笑)
ただ一つ一つの楽曲はどれもキャッチーな素晴らしい曲ばかりです。
 
 ワタシ的には木村カエラ、GLAY、中孝介、ウルフルズ、陽水あたりが
お気に入りです。ま、無難なところなんでしょうかねぇ。
中孝介クンの「手紙」は、完全に自身の曲と思っちゃうほど良い出来で
エレキシタールもなかなか効果的。
ウルフルズの「トロフィー~ヘヘヘイ」のエンディングの「ヘヘヘイ...」は
ちょっとポール・ウェラーを彷彿とさせるところがありますよ。(笑)
BLOOD, SWEAT & TEARS  「3」        1970
 
 よく「無人島へ持って行くアルバム」とかっていう例えがありますが、
「電気も通ってない無人島で、どうやってレコード聴くんだよぉ!」的な
非現実的な発想ではなく、誰もがいづれ訪れる死期に際して
「棺おけに入れて欲しいアルバム」・・・これも棺おけと共に燃やされてしまう、
「あの世に持って行くアルバム」・・・持って行くというだけの満足感でしかなく、
実際、あの世で聴けるわけでなし。
それでは「葬儀で流して欲しいアルバム」とか
「死期が近づいた時に枕元で聴きたいアルバム」とか、
いろんなこじつけを考えますが、
ここは素直に「あの世へ持って行くアルバム」ということで...。(笑)
 
 なお、アルバム・タイトルの前の番号は好きな順番とか、優先順位とかは関係なく、
ランダムに載せて行きたいと思います。
 
 
 さて、今回はブラス・ロックの雄、ブラッド、スウェット&ティアーズの
3rdアルバムです。
 
 
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 当時、BSTやシカゴ、チェイス、ライトハウスなど一緒くたに
「ブラス・ロック」として括られてましたが、
中でもBSTの本盤はロックとジャズが一番バランスよく融合してるのでは
ないでしょうか。
管に対し、D.C.トーマスのブルージーで時にはゴスペル・タッチのヴォーカルが
うまくバランスをとってます。
 
 当時のロック・シンガーで好きだったのは、
このディヴィッド・クレイトン・トーマスやコロシアムのクリス・ファーロゥ、
もっと遡れば、トム・ジョーンズやエンゲルベルト・フンパーディンク、
日本では尾崎紀世彦や上條恒彦あたりのダイナミックな唱法でした。
 
 本作のA-1「Hi-De-Ho」の後半の「Hi-De-Ho, Hi-De-Hi...」の
コーラスのバックでシャウトするD.C.トーマスの力強さは天下一品!
これぞ鳥肌モノですぞ!
 
 本作にはJTの「Fire And Rain」やストーンズの「悪魔を憐れむ歌」、
トラフィックの「40,000 Headmen」、ザ・バンドの「Lonesome Susie」
などのカヴァーもあり、どれもD.C.トーマス流にダイナミックに唄われています。
 
 「Lonesome Susie」などはバラードぽいメロにブラスが被さって
更にD.C.トーマスが吠える...、これはたまりませんねぇ。
 
 
 さて、次回の「あの世アルバム」はソニー・クラークの「クール・ストラッティン」を
予定しております。いつになるやら...(笑)