「音が良くて、ノイズにも強くて、使い易くて、1人で運搬出来て、見た目も洗練されていて、トラブルが少なくて、対応力のあるエフェクトボードを作りたい!」
そんな想いから始まった新型のエフェクトボード作り。
4月から構想を開始し、情報収集やメーカーさんとのやり取り、優れたミュージシャンやビルダーからのアドバイス、そして新たな知識を得るための学習などを経て、ようやくここに完成しました。
というわけで、これから数回に分けて僕のエフェクトボードを細かく分析したいと思います。
今日はまず主な使用機材を紹介しましょう。
一気に載せると書くほうも読むほうも大変なので、今回はボード上に設置してあるペダル達から。
(電源やケーブル、その他の小物などは別の回で紹介します)
その前に各機材にスポットを当てる前に、ボード全体のシグナルチャートを見てみましょう。
これは、実際にこの図内のような位置関係にペダルを置いているわけではなく、飽くまでも信号の流れをわかり易く視覚化したものです。
細かく記されている番号は接点を表しており、この番号のおかげでパッチケーブルに必要なプラグ数も確実に把握出来ます。
こういうものを作成し残しておくと、トラブル発生時の対処や新たなアイディアを加える際に、非常に便利です。
Junction Pro (ジャンクションボックス)
by Neotenic Sound
このボードでの入り口はWW-1ワウペダル、そして出口はClean Boost 2なのですが・・
ボードの写真を見てもらえばわかると思いますが、周りのペダルが邪魔をして、これらのペダルにシールドを直接抜き差し出来ませんよね?
だからこれらのペダルの入り口と出口を延長してボード端にまとめるために、このJunction Proを使っています。
Buff (バッファー)
by Neotenic Sound
ギター(ベース)から出力されたハイ・インピーダンス状態の打たれ弱い信号は、シールドの引き回し、多くのパッチケーブルの使用、多数の接点通過、照明やPA機器から飛び込むノイズなどで簡単に音痩せしてしまい、ギターアンプにたどり着く頃にはかなり音の情報量が削り取られてしまいます。
その打たれ弱い信号をロー・インピーダンスに変換し、アンプに辿り着くまでのあらゆる障害を乗り越えられる強い信号にしてくれるのがこのバッファー。
このNeotenic SoundのBuffを通すだけで、信号強化はもちろん、楽器のもつ本来のポテンシャルをフルに発揮させてくれます。
WW-1 (ワウペダル)
by G-LAB
足を置くだけでON、足を離せばOFFでトゥルーバイパスになる優れたワウペダル。各スイッチの組み合わせでかなり多彩なワウサウンドを作り込めます。
メタリックで洗練されたルックスも気に入っています。
Compressor (コンプレッサー)
by XOTIC
実のところ、コンプレッサーに対したコダワリがなく・・・というより、コンパクトのモノは持ったことがないです。
これまで、必要な時はラック型マルチのものを使ってきましたから。
なので他のペダルタイプのコンプレッサーと比較する事が出来ないのですが、直感的な操作で狙ったサウンドに持っていき易く、ツマミもシンプルで良いですね。
BLENDツマミによって原音とエフェクト音の混ざり具合が調整出来るので、自然なコンプサウンドが簡単に得られ気に入っています。
Ego Booster (ゲインブースター)
by Smart People Factory
任意の帯域を選んでそこをプッシュ出来る、中々に使えるブースターです。
僕の場合は中高域をブーストして、伸びやかで食いつき感のあるリードサウンドを作るのが好きです。設定を変えれば、フルレンジ・ブースターとしても活躍してくれます。
OD-FIVE 2 Xtreme (ディストーション)
by Ovaltone
2チャンネルのハイクオリティなディストーション・ペダル。
とても太くて懐が深く、立体感と存在感のあるサウンドです。
コントロール類が多彩で、ザクザク切り裂くようなサウンドから甘くてクリーミーなサウンドまで変幻自在。
とにかく超気に入っているペダルです!
以前の記事で、このペダルに関する詳細なレビューを書いております。
http://ameblo.jp/jens-4701shred-guitar/entry-11608655554.html
Anadime Chorus (コーラス)
by Providence
モノラルでありながらステレオ感、そして奥行きまでを与えてくれる、立体感のあるコーラスペダル。清涼感がとても気持ちよく、サウンドを軽やかでまろやかに演出してくれます。
エフェクティブ過ぎず、原音の存在感がしっかりしているところも好きです。
Flash Back (ディレイ)
by T.C.electronic
Hall of Fame (リバーブ)
by T.C.electronic
コンパクトでありながら空間演出のバリエーションが非常に多彩です。
キルドライ・スイッチが付いているところもポイント。
ブレンダー使用に当たりウェット音だけを取り出す必要があったので、この機能を備えていたこの2機種を選びました。
トーンプリントの使用など、まだ全ての機能を使いこんだわけではないので、今後ゆっくりとこれら2機種のポテンシャルに迫ってゆきたいと思います。
Stereo X-Blender (ブレンダー)
by XOTIC
これまで、ディレイやリバーブのエフェクトON時の原音変化が気に入らない事が多かったため、この高品位なブレンダーを使用しています。
ブレンド率は原音:ウェット音が1:n、つまり原音は問答無用でこのStereo X-Blender内のバッファーを通りそのままアウトプットへ出力され、各ループにつないだディレイとリバーブのウェット音のみを好きな量だけ合流させます。
そのクリア感は想像以上で、ウェット音を多めにブレンドしても原音はしっかりと聴こえてくれます。
Clean Boost 2 (クリーンブースター)
by Ovaltone
マスターボリュームを操作するためのペダル。これがとても素晴らしいクオリティーで、音量をカットしていってもそのサウンドの質は保たれたままで、自在に音量をコントロール出来ます。
A、Bそれぞれのチャンネルに音量をあらかじめ設定しておき切り替え可能、またAチャンネルは足で操作できる大きなツマミを備えているため、リアルタイムでの音量操作を可能にしてくれます。
ブーストスイッチを踏めば、その時点での音量から設定している量だけ歪むことなくブーストする事が可能です。
こちらも以前の記事で紹介しています。
http://ameblo.jp/jens-4701shred-guitar/entry-11535316503.html
The FIVE (スイッチャー)
by soul power instruments
ボード内の数あるペダルを同時に一発で切り替えるため、このプログラマブル・スイッチャーを導入しました。
音質は言うまでもなくハイクオリティーで、インプットバッファーを任意で切り替え可能、チューナーアウト装備、複数のバンクに登録可能など、スイッチャーに求められるものは全て詰まっています。
自由度の高いカスタマイズが可能で、僕は5ループ+常時ONループ(プリアンプ接続用)をオーダー。
デザインまでこちらの要望に答えてくれます。
製作者である齋藤氏のアートセンスも抜群で、デザインの具体的なアイディアがなくとも、イカしたルックスのスイッチャーに仕上げてくれます。
最も魅かれたポイントは、これだけの要素があのコンパクトなボディに収まっているところです。
当初はボードのスペースの都合上、スイッチャーの導入は諦めてましたが、soul power instrumentsの技術のおかげで、めでたくやりたい事が実現しました。
Turbo Tuner ST200 (チューナー)
by Sonic Research
ゼロレイテンシーと言われる驚異的なピッチ検出速度で、±0.02の超高精度なチューニングが可能なため、これまでのチューナーに感じていた妥協・違和感がようやく解消されました。
これで確実なチューニングを行ったあと、仕上げにいい感じのコード感になるよう耳で微調整しています。
A3GP MARK Ⅱ (プリアンプ)
by ALBIT
現場に置いてある据え置きのアンプで、可能な限りいつもの自分のサウンドを確立し易くするため、このプリアンプを導入しました。
極めて上質なクリーントーンを提供してくれ、各コントロールの効きも抜群。
効き方が少々特殊なため使いこなすにはこのアンプへの理解が必要となりますが、とにかくサウンドが素晴らしい。
通常は据え置きアンプのリターン端子を使用し、パワーアンプにインプットします。
さて、今回は主な使用ペダル達を紹介しました。
次回は電源とシールド、そして小物アイテムを紹介したいと思います。