Ovaltoneの極上ディストーション "OD-FIVE 2 Extreme" | 山本安男 ~超速日誌~

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音楽や日々の考え、体験などを綴ってゆければと思っております。

どうもみなさん!

とにかく更新が遅い(というよりすでにレア過ぎるレベルかも・・・)僕のブログですが^^;
こうして読んでいただけている事に感謝いたします!

今回はハンドメイドのエフェクターブランド、Ovaltone(オーバルトーン)が送る渾身の2chディストーション、「OD-FIVE 2 Xtreme」を紹介したいと思います。

山本安男 ~Jens(やんす)の超速日誌~


このOvaltoneを僕が知ったのは、ほんのここ数ヶ月の間のことです。

最近、演奏活動をご一緒させて頂くことも多く、また僕の先輩でもある福岡のプロベーシスト、松下一弘さんの足元に置いてあった「Clean Boost」というこのブランドの製品がきっかけでした。

このClean Boostというペダル、音量をクリアにコントロールしプリセットも出来るということで、詳しいお話なども聞き考えた結果、自分も欲しいと思い紹介して頂きました。

ちなみにこの松下一弘さんベース用Clean Boostの開発においてOvaltoneと協力のもと、製品の完成まで深く携わっておられます。
この方のWebサイトはとにかく有益な情報が膨大で、ベーシストのみならずギタリストの僕も大変参考にさせて頂きました。
OvaltoneClean Boostについても詳しく書かれているので、ぜひご覧になってみてください。

松下一弘氏ウェブサイト http://www.geocities.jp/lovebass_kaz/effectpedals.html

もちろん、僕のブログでもClean Boostについて書いておりますので、そちらもチェックしてみてくださいね~(前回のブログに掲載)。



ええっと・・・そうそう、ディストーションの話でした(笑)



まずは、とにかくコントロール系統が多彩です!
Level、Bottom、Shape、Mid Shift、Gain、Boostの各音質調整が完全独立の2チャンネル、そしてそれらで作り込んだ音を最終的にどれぐらいのセンシティビティ(感度)でコントールするかを決定するPresence(ボディ後部に設置)。

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そしてRemote Control Jackは、ラッチタイプのフットスイッチを接続する事でチャンネルの切り替えが可能。つまり、OD-FIVE 2 Xtreme本体はエフェクトボード内のどこでも好きな位置に設置し、足元の操作し易い位置にラッチタイプのフットスイッチを置き遠隔操作が出来るということです。

さらにスイッチャーに組み込んでチャンネル切り替えをコントールすることも出来るとのことです。

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これだけのコントールを備えながら、個体のサイズはコンパクト!
この時点で恐れ入ります。



サウンドは全くもって素晴らしいディストーションサウンド!の一言です。

もちろん、この一言では済ませないためにこのブログを綴っているわけですが・・(笑)


歪みの質感はきめ細かくスムーズでジューシーです。
奥行きもしっかり感じ取れ、立体感がある音!

僕はカリッカリの懐が浅い歪みは苦手なのですが、この歪みはとても上質でとにかく弾いていて気持ちが良いです。

「上質」というと、お上品な故に迫力はそんなにないの??と思われるかも知れませんが、そういう事ではありません。
この歪みサウンドの皮を一枚剥くと、しっかりとーした芯のある音の本体があるのです。

この芯の部分は、しっかりとピッキングのアタックを受け止めてくれ、太く存在感のあるサウンドとして出力してくれます。
僕はよくこのような音を「実像感のある音」と表現します。
ゴン!と存在感があり、「あ、いま確実に弾いている! その音が在る!」という感覚・・・分かりますかね?

アンプシミュレーターなどで演奏していると、とてもスムーズで確かに弾きやすいのですが、この芯の部分が弱く存在感が薄いなぁと感じる事があります。

しかしこのOD-FIVE 2 Xtremeはしっかりとした「音の身」を感じることが出来るのです。
音が硬いという意味ではありませんよ?
ピッキングからのアタックを効率よく受け止めてくれ、「なんかいい感じ」にして出力してくれるのです。
非常に感覚的な表現で申し訳ないのですが、スタックアンプの音量を上げて鳴らした時のあの感じです。
歯ごたえと柔らかさが絶妙なアレ・・・アレなんですよ!

最近は、歪みにクリーントーンをブレンドし音の芯や厚みを保つディストーション、オーバードライブがありますが、中には歪みとクリーンが分離し、妙な違和感を感じる製品も少なくありません。

OD-FIVE 2 Xtremeはそういったものとは違い、しっかりと歪みの部分と芯の部分が一体化している自然なディストーションサウンドを生み出しているという感じです。

歪みの量はGainの調節により大きく変化させる事ができ、さらにBoostスイッチをOnにする事でより深く密度の高いドライブサウンドを得る事も出来ます。

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また、深く歪ませた状態でも極めてノイズが少ないのも特筆すべき点です。
いくらサウンドが良くても、ノイズだらけではプロの現場では使い物になりません。

こういった部分へのシビアなこだわりもOvaltoneの持つ高い技術があってこそのものでしょう。


そしてこの深い歪みの中でも、ギター本体のボリュームを下げてゆくと自然に音がクリアーに変化し、心地よいクランチサウンドを得る事が出来ます。
ギター本体のボリュームに対する追従性が高く自然なのです。




そしてBoostスイッチOffでのサウンドもまた素晴らしく、深い歪みから一転してカラッとドライで軽快なオーバードライブ・サウンドに変化します。

このBoostスイッチと変化量の大きいGainツマミの組み合わせが、表向きは2チャンネルであるこのディストーションを、実質4チャンネル・ディストーションに仕立て上げています。




各ツマミは非常に効きが良く、ShapeBottomの設定による可変幅はとにかく大きいです。
これは、一つはサウンドを好みの質感まで追い込める可能性がより高いという事と、もう一つは使用するアンプの持つ音にあわせて好みの音を調整しやすいという事になります。

低域がズゴーン!と出やすいアンプに対してはBottomツマミを左に回して低域を抑えたり、ジャキッ!とした音が出やすいアンプに対してはShapeツマミを左にに回してギラつきや音の尖りを抑える。
こうして使用アンプ側とOD-FIVE 2 Xtreme側の「帯域の譲り合い」をする事で、いかなるシチューエーションでもイメージするサウンドに導きやすくなります。
もちろんツマミを右に回し、よりその帯域を強調する方法もありです。

ちなみにShapeは高域の調整とも言えますが、本質的にはサウンド全体の質感をコントロールするためのツマミといったところでしょう。

僕の場合はツマミを左に回しカット気味にしたほうが好みのサウンドになる傾向にあるようです。
この辺りは、使用者のイメージするサウンドによって、また使用アンプの特性によってじっくり遊んでみると楽しいと思います。



そして忘れてはならないのが本体サイドに設置されたMid Shiftスイッチ!
このスイッチのOn/Offによっても、サウンドが劇的に変化します。

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Offで中域がフラット、Onにすれば中域がグッと盛り上がり、よりギターらしい音に変化します。

おそらく、ギタリストが通常ギターを弾いていて気持ち良いと感じるのは、このMid ShiftをOnにしたサウンドでしょう。
ギターサウンドに粘りや艶、存在感が強く現れ、とても心地よい音色に変化します。

しかし、バンドアンサンブルの中では他の楽器との兼ね合い、取り分けボーカリストとの音の譲り合いが必要になってきます。
主張の強い食いつくようなギターサウンドは、ボーカルに被りマスキングしてしまい、歌がところどころよく聴こえないといった事も度々起こります。

そのために、Mid ShiftをOffにしたフラットなサウンドもやはりとても重要だと感じています。

例えばチャンネル1でMid SiftスイッチをOffにしバッキングに的した音作りを重視し、チャンネル2ではMid SiftをOnにしギターサウンドを強調したリード向きの音作りをする事で、バンド内におけるバランスの良いギターサウンドの立ち位置というものを確立しやすくなるでしょう。
音量調整のLevelツマミも各チャンネルに独立して付いてますしね!




最後に、ボディ後部に設置されたPresenseツマミ。

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よく超高域と呼ばれているので、高域のさらに高い帯域を設定するものだと思われがちですが、そうではなく、プリアンプで作ったサウンドをどれぐらいの入力感度(=センシティビティ)でパワーアンプに送り込むかというものなんです。
そしてこの感度が高ければ高いほど良いかと言うとそうでもない。
感度が高すぎると、とても弾きづらくピーキーなサウンドになってしまいます。要するに扱いづらいのです。
ですので、このPresenseは自身のプレイとも照らし合わせながら、慎重に設定します。
このツマミがこれまた効きが良く、最終的な音作りに威力を発揮してくれています。

僕の場合は、Shapeを抑えめに設定し少し甘みのあるサウンドを作り、それからPresenseを少し多めに設定して甘いサウンドをグッと前に浮きだたせるというセッティングが気に入っています(これはOvaltoneさんのWebサイトでも一つのセッティング例もして挙げられていますね)。





ちなみに、チャンネルの切り替えに関しても配慮が見られます。

ペダルのOn/Offは左側のフットスイッチで、チャンネルの切り替えは右側のフットスイッチで行うようになっているのですが、ペダルをOffにしている状態でも、現在どちらのチャンネルを選んでいるのか一目で分かるよう、ボディ右側に設置されたLEDが光り続けてくれます。
上段のチャンネル選択時はブルー、下段のチャンネル選択時はグリーン。

そしてペダルをOnにすれば、フットスイッチ横の赤いLEDが点灯するのは当然として、ボディ左側のブルーとグリーンのLEDも、選択チャンネルにリンクして点灯します。

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確かに、ペダルをOffにした時にLED等全てがOffになると、最後にどちらのチャンネルを選択していたか分からなくなっちゃいますよね・・
そういった点で、とても助かる配慮なのです。
あとはね、単純にカッコいいんですよ、 このブルーグリーンの光が(笑)
足元を見るだけで少しテンションが上がっちゃいます!

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さて、ここまでこのペダルのサウンドにおける雰囲気や使用感について僕なりの感想を述べましたが、改めて非常に優れたディストーションだと思います!

ロック、ポップスはもちろんフュージョン、ブルースと、様々な音楽スタイルでその威力を発揮出来る知的なディストーション・ユニットです。
もちろんデスメタルなどで必要とされるエクストリームなサウンドも実現可能です。
本機の名前はOD-FIVE 2 Xtremeなわけですしね!(笑)

いまのところ、使用したアンプはMarshall JCM2000 DSL100と、それからALBITのプリアンプA3GP MARK Ⅱ(パワーアンプとキャビネットはMarshall)のみなのですが、より多くのアンプとのコンビネーションを確認したいので、色々な組み合わせで使ってみたいと思います。
JC120との相性もバッチリ!という情報も他のミュージシャンの方から入ってきておりますし、それを自身で体験するのがまたワクワク!

今後もこのOD-FIVE 2 Xtremeに関するレビューを少しずつお届け出来たらと思っています。

ちなみにOD-FIVE 2 Xtremeを含め、Ovaltone製品は受注生産にて制作されています。
製品のより詳しい仕様や注文などについて知りたい方は、ぜひOvaltoneのWebサイトをのぞかれて下さい。

Ovaltoneウェブサイト http://ovaltone.net/products/driver/odf2x/

ちなみにOvaltone製品の製作者様はとても優しくまじめで、こちらの質問や相談にも乗ってくれる方ですよ~^ ^

「受注生産」という言葉を聞くと、何故か少し身構えてしまいがちですが(僕だけ?)、リラックスして気軽にコンタクトをとって見ると良いと思います!

また、昨日からイシバシ楽器新宿店でのOvaltone製品の取り扱いが始まり、第一弾としてこのOD-FIVE 2 Xtremeが店頭に並んだとの事です。
まだこの店舗のみではありますが、ついにOvaltoneを試奏出来る環境が生まれました。
可能な方はぜひ足を運ばれてください^_^

僕のエフェクトボードにもしっかりと組み込まれておりますよ~☆☆☆

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