プレシャス | Let's watch a movie, shall we?

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2009.02.16~ Blog開始

原題:Precious: Based on the Novel Push by Sapphire(2009年)

評価:★★★☆☆
【STORY】
実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカー(マライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。(シネマトゥデイ)

【CAST】
ガボレイ・シディベ
モニーク
ポーラ・パットン
マライア・キャリー
シェリー・シェパード
レニー・クラヴィッツ

etc,,,

サファイアによる小説『プッシュ』を映画化した作品。監督はこれが長編第2作目となるリー・ダニエルズ。

1980年代後半のニューヨーク・ハーレムを舞台に、過酷な環境下で日々を生きる肥満した16歳の黒人の少女・プレシャスがとある教師に出会い人生の希望を見出していく物語である。アメリカの貧困層に焦点を当て、子供への性的・肉体的な虐待、教育の問題などが取り上げられている。


2009年1月のサンダンス映画祭でプレミア上映され、最高賞にあたる審査賞グランプリと、観客賞など3部門で受賞。第82回アカデミー賞で脚色賞・助演女優賞を受賞。

主人公のプレシャス役は新人女優ガボリー・シディベ、彼女の人生を導く女性教師をポーラ・パットンが演じる。プレシャスを虐待する母親役をコメディアンのモニークが演じ、ソーシャルワーカー役でマライア・キャリー、看護師役でレニー・クラヴィッツと、有名アーティストが小さな役で出演していることでも話題である。

これがもう10年前の映画ということに衝撃を受けているのですが、内容もなかなかな衝撃度でした。母親は仕事をせずに生活保護を受けてて、父親は娘に性的虐待をし、身ごもって生まれてきた子供はダウン症でケダモノと呼ばれる。さらにさらに現在2人目を身ごもってるときたらもうね、過酷すぎ。


辛いことがあると妄想の世界に行っちゃうプレシャス、でもそうやって自分を守らないとやっていけないよね。妄想じゃなくて本当にそういう世界が彼女に起こることだって大いにあるはずなのにと思うと悲しさ倍増でしたけど、終盤エイズに感染してることが分かったときはもうこれ以上彼女を不幸に陥れないでー!!ってなった。

マライア・キャリーのノーメイクってだいぶ素朴。そんな彼女と母親とプレシャスの3人で何があったのか話す場面はもう胸が痛すぎる。母親の悲痛な叫びに涙するマライアが印象的でしたね。でもその涙は同情とか憐みとかとは違う毒親に対する絶望にも思えて。

子供はどんな人にとってもプレシャス(宝)。子は宝、子に過ぎたる宝なしって言葉があるし、愛し愛されるべき。生まれてきた環境は選べなくてもこれから自分が育っていく環境は選ぶことができる、やっと母親との決別として歩み出したプレシャスに幸あれ!!


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