戦場のピアニスト | Let's watch a movie, shall we?

Let's watch a movie, shall we?

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映画は娯楽のみにあらず

感じることは人それぞれ、それって素晴らしい

2009.02.16~ Blog開始

原題:The Pianist(2002年)

評価:★★★★★
【STORY】
1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。(シネマトゥデイ)

【CAST】
エイドリアン・ブロディ
トーマス・クレッチマン
エミリア・フォックス
ミハウ・ジェブロフスキー
エド・ストッパード
モーリン・リップマン

etc,,,

第二次世界大戦におけるワルシャワを舞台としたフランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作映画で、ナチスのホロコーストを生き抜いた実在のユダヤ系ピアニストの半生を描く。

カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞、アメリカのアカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門で受賞した。

主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディは、代役なしでピアノ演奏に臨んだ。

ずっと気になってはいたけど観ていなかったこの作品。
観てみてやっぱりこれは観るにはつらすぎました。

人が人ではないように簡単に殺されて、子供にも容赦なく、道には無数の死体が転がっていて。何故ここまで冷酷になれたんだろう。人間の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

こういうテーマの映画は過去にも何度か観てきてはいるけど、こんなにも残酷で見るに耐えないレベルの映画は初めてだったかもしれない。

歴史的事実として伝える必要はあるけれど、あまりにもダイレクトで、俳優陣の不安そうな顔や怯える顔があまりにもリアルで、脳裏に焼き付きました。

明日は我が身かもしれない、そんな風に生きていても生きた心地はしない。家族と離れて名前を呼びながらも逃げるところは胸が締め付けられました。

劇中で「早めに死んだ方が楽かもしれない」というセリフがあるのだけど、いつ終わるかもわからない状況で生き抜くことの方が難しい。自分がこの状況に置かれたら終わりにしてしまいたいときっと思う。

虐げられている人がいる一方でそのすぐそばでは普通に生活する人がいる状態とか、いろんなところでいろんな人の感覚が完全に麻痺してたんだなって思う。

見つかって殺されるかもしれない恐怖だけではなく、飢えの部分もこれでもかと見せつけられて。孤独や悲しみのあとに襲ってくる飢えは強烈すぎる。

ドイツの将校がシュピルマンを助けてくれて、彼にも家族がいて、やっぱり同じ人間で、優しい人もいるんだと思った。負けが分かっていたから無駄な犠牲はいらないという行動かもしれないけど、それでも居場所を言わないだけじゃなくて食べ物を分けえくれて。

シュピルマンはいろんな人の協力や助けがあって生き延びることができたけど、でもこればっかりは運なのかなって思う。

月並みなことしか言えないけど、今起きてる争いが早く終わること、全世界の平和を願わずにはいられません。

とにかく観終わったあとの大ダメージがハンパないです。