概要としては、シード食がいかに栄養を満たしていないかということと、そういった食餌を続けた場合に起こりうる(実際来院した患者さんの事例)病気の紹介です。
シードのみの食餌は大部分のビタミンとアミノ酸が足りません。
また、セキセイさんとオカメさんはそのうの働きに繊維質も必要とします。
とても重要とされているビタミンAの含有量が絶望的ということを示した成分表をみると一目瞭然です。
こういった資料を目の当たりにすると、むいて食べるのが好きだからという理由だけでシードオンリー食を選ぶことができなくなってしまいますね。。。
ペレットとシードを混合させた実験リポートでは、ペレット75%と新鮮農産物25%という割合でやっと全ての栄養素の推奨量を満たすことができると記されています。
シード食による栄養障害の症状は様々あります。
皮膚や羽や嘴の異常、脂肪肝、無気力、呼吸器疾患、結膜炎、抵抗力の低下などを引き起こすリスクが高まってしまいます。
(必ずそうなるわけではありません)
日頃羽ばたくトレーニングをしてマッチョにしておくことにより、健康的な羽毛が生えてくるともおっしゃっていました。
これはザ・インコ&オウムのしつけガイドにも記されていまして、老齢のコンゴウインコに毎日羽ばたかせるトレーニングを実施したところ、ツルツルだった顔の羽毛(歌舞伎の隈取りみたいなところですね)が生えてきたそうです。
羽ばたき運動は我が家でも取り入れたいと前から思っていて、放鳥時には鷹匠ごっこをしているこですが、段々面倒くさくなってくるらしく(鳥側が)相手にされないので、そろそろおやつを仕込もうかなと企んでいます。
飲み水にサプリメントを溶かして与えるという方法は、成分が維持された状態で体に届くのかという疑問の声を時折耳にします。
また、1日入れっぱなしは菌の発生が懸念されますのでこまめな取り替えが必要となります。
それにあまり美味しくないと思うんですね。。。
やっぱり注ぎたての透明なお水が美味しいに違いないと思います。
オカメインコは2年間栄養素が欠乏した食餌を続けていても、何の症状も示さなかったという事実があります。
ちょっとゾッとしてしまいますね(>_<)
カットルボーンは吸収率が低く、カルシウムの補給には不十分とのことです。
繁殖期はハリソンのバードビルダーがとてもいいそうです。
また、食物アレルギーにより様々な症状に悩まされていた子がハリソンに切り替えてから良くなっていったとの症例もあり、まさにそういったコザクラちゃんを育てていらっしゃる方がセミナーにいらして、直接お話を伺えたことはとても貴重なことでした。
ラウディブッシュでは対アレルギー用として、お米を主原料として作られたペレットが作られています。
原因不明の毛引きやカユカユなどがある鳥さんはアレルギーを原因の一つとして疑って食餌を変えてみるというのも方法かもしれません。
最後にあくまで先生のご意見ですが、「長い期間をかければ99.99%の鳥さんがペレットに切り替えられる。できないのは飼い主の努力不足!」とおっしゃっていました。
その努力って何?といえば、採餌行動を促す工夫として手作りのおもちゃに忍ばせたり、スキンシップしながら与えたり、人間が食べる姿を見せたり。
あとこれは個人的な考えですが、食べなかったものを捨てるのはもったいないと思ってしまうと、つい食べるものばかりを与えてしまうというのもありますよね。
でもそこは覚悟を決めて、残った分は野鳥さんにプレゼントということで、何日無視されようともごはん入れに入れ続ける。
これすごく重要です!
サニーいもこはペレットが好きです。
小さな頃シードを与えなかったから?食べ方もイマイチ下手です。
ペレット好きといっても朝一番に楽しそうに食べるのはドライフルーツやポップコーンで、少しムシャムシャしたらおもちゃ遊びに移行してしまいます。
でも、夜はちゃんとペレットをボリボリ食べるんです。
順番はどうあれ、1日でみてトータルで食べていればいいのではないかと思うのです。
むしろ、数日かけてトータルとしてみてもいいのではないでしょうか。
野生は毎日バランスよく食べられませんから、そんな風にバランスをとっていると言われます。
大らかな気持ちで、
押し付けずに、
バリエーション豊かに、
根気よく気長に。
鳥さんのごはんを考えるときのヒントだと思います。
今後もセミナーは定期的に開催されるとのことで、ぜひ継続して参加しまたブログでご紹介いたします!