悪魔よりワルだなんて
ゆるされるとおもうか?
SAND LAND
「ドラゴンボール」の鳥山明が2000年に手がけた名作コミック「SAND LAND」をアニメーション映画化した作品です。
魔物も人間も水不足に苦しんでいる砂漠の世界・サンドランド。
悪魔の王サタンの息子で「極悪の悪魔」を自称しているが少年のように純粋な心を持つ王子ベルゼブブは、盗みが得意で物知りなお目付け役の魔物シーフや正義感の強い人間の保安官ラオとともに、広い砂漠のどこかにあるという「幻の泉」を探す旅に出という内容です。
サンドランドは短期連載された作品でコミックも1巻しかないのですが、凄く内容が素晴らしくて。
水が枯渇した世界で、街の人たちのために水源を求めて旅することを決意したラオが悪魔たちの住処へ行って協力を要請するんですね。
悪魔なんだから人間の手助けなんかしないと見せかけて協力してしまうくだりは面白いし、何よりキャラ設定が抜群なんです。
結局は水源はあるのに自国の王たちがその水を独り占めして高額で国民に売りつけ私腹を肥やし、真相を隠して水が枯渇したのは悪魔のせいだと嘘を言いふらす。
王道の話なのですが、人間全てが善人ではないし偏見で物事を決めつけてはいけないという子供が見ても素敵なメッセージが盛り込まれています。
とにかく絵が本当に素晴らしい!
鳥山明が描くキャラクターたちってなんでこうも魅力的なんだろう。
童心に還ったようなワクワク感があるんですよね。
特筆すべきなのはやはり乗り物やメカニックのデザイン。
「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」の扉絵でもたびたび独創的な乗り物を描いて僕たちをワクワクさせてくれていました。
あの感じのままに「あぁ鳥山明の作品だなぁ」って思えるようなそんな至福の時を過ごせました。
この夏様々なアニメ映画が公開されましたが、個人的には最も子供と一緒にご覧になってほしい作品です。
鳥山明って天才!
※2024.9月 イオンシネマ大宮