「超速書き」は、やってみればわかりますが、これほど子どもたちの書き慣れに適したトレーニングはないと言ってよいほど効果があります。
今年度、私は36人の元気な4年生を担任しています。
4月から「超速書き」を始めて、わずか3ヶ月で14人の子どもが300文字以上書きます。
最もたくさん書く子で約450文字、最も少ない子で150文字程度です。
「書く時間5分間で」です。
「超速書き」の極意は、「とにかく書いてしまう」ことにあります。
主述のねじれだとか、書く順序だとか、誤字だとか、そんなことを気にせず、頭に浮かんだことをそのまま文章にしてしまうのです。
ちょっとおかしいなという箇所は後で直せばいいのです。
実は、私自身、この「とにかく書いてしまう」ことができませんでした。
恥ずかしい話ですが、学期末に通知表の所見欄を書くのが長い間苦痛でした。
5~6時間かけて、たった10人の所見欄も書けなかったこともあります。
頭の中で「ああでもない、こうでもない」「しっくり来る言葉が見つからない」などと考えているうちに、あっという間に時間が過ぎていくのです。
文章を考えているうちに、別のことを考えているなんてこともしばしばでした。
しかし、「超速書き」を知ってからは、所見欄を作成するスピードは格段に速くなりました。
文章を書くことの精神的な負担がとてつもなく減りました。
「面倒くさいなあ」とか「こんなにたくさん書けないかもしれない」という、書くことへの恐れが驚くほどなくなりました。
「文章の書き方」のノウハウ本の中には、「頭に浮かんだことをすぐに書いてしまうのはよくない」と、今述べていることと真逆のことを主張しているものがあります。
小学校の教科書も、作文を書く前にやたら「構想メモ」を書かせたがります。
しかし、はっきり申し上げます。
頭に浮かんだことをすらすら書けるようにすることが先です。
整った文章を書かなければいけないと思うから書けないのです。
速書きするクセを子どもたちにつけてやることです。
そして、たくさん文章を書かせて、書き慣れさせることです。
なお、文章の書き方は、「超速書き」とは別に指導します。
このことについては後日述べます。