タカノフルーツパーラー新宿本店の洋梨のプレートデザート | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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高級スーパーに売っている工場製の銀座木村屋のアンパンと銀座木村屋本店のビル内で作られ販売されているアンパンとの味がまるで違うように、タカノフルーツパーラー新宿本店の実力も物凄いということがわかった。
実はデパートでよく見かけるタカノフルーツパーラーのケーキと本店のフルーツパーラーで出されるデザートでは雲泥の差があったのだ。
私はタカノフルーツパーラー新宿本店にいた。
メニューを見ると魅力的な品が並ぶ。
フルーツの盛り合わせの大きいのを頼んでしまおうかなと思っていたら、あるメニューに目が留まった。
洋梨のプレートデザートだ。
確か洋梨の旬は11月から12月にかけてである。
まさに今、旬ではないか。
苺と桃のプレートデザートにも一瞬触手が動いたが、旬ではない。
旬の洋梨を使って高野フルーツパーラーが何を出してくるのか楽しみである。
私はその洋梨のデザートプレートを注文した。


出てきた洋梨のプレートデザートは凄かった。
洋梨自体、ラフランスなど目ではない幻の洋梨ドウイエネ・デュ・コミスを使っているのだ。
この洋梨は栽培が難しく全国の一握りの農家だけしか作っていない。
上品な甘さとアイスクリームのような滑らかな口溶けで洋梨の王様コミスは、「天皇の料理番」と言われた秋山氏に「あれこそ果物の王」と絶賛されたくらいである。
それを贅沢にも丸ごと一個以上使って提供されていた。
それもその技術とセンスは実に素晴らしい。
まずは、外側に並べられているフレッシュのコミスを食べてみる。
まさにとろけるような滑らかさと上品な香りが鼻腔をくすぐる。


食べ終えた後、王冠のような上部を外してみると、その王冠のようなものが滑らかなアイスクリームで洋酒に漬けられたコミスを包み込んでいる。
くり抜かれた一個まるごとのコミスの中にはレベルの高いブリュレのようなクレームがたっぷり入っているのである。


そのクレームを食べ切った後は、丸ごとコミスをナイフで切って食べる。
お腹が一杯になってしまうくらいの量であった。


アーモンドリーフで作られたスプーンも秀逸だし、丸ごとコミスの下に敷いてあったサブレもかなり美味しかった。
高野フルーツパーラー恐るべしである。
この洋梨のプレートデザートがなくならないうちに食べないと洋梨好き、フルーツを使ったデザート好きは必ず後悔すると思う。
フルーツバイキングを行っているタカノフルーツティアラで5500円出してフルーツを食べている場合ではないのだ。
11月一杯までなら1870円でこのコミスのプレートデザートが食べられるのだから。