水戸山翠の極上あんこう鍋コース | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

笠間から水戸に移動し、ホテルにチェックインする。
この京成ホテルに宿泊することにしたのは今回一番の目的、冬のあんこう鍋を食べるためである。
この時期、今年でさえも大洗のあんこう鍋専門の旅館や料理店は予約が一杯で行くことができない。
ましてや水戸一の鮟鱇専門店山翠の予約が土日に取れるわけがないのである。
しかしである。
水戸市内で唯一この京成ホテルにだけ山翠のあんこう鍋コースのついた宿泊プランがあったのだ。
その宿泊プランは、ホテルから往復タクシーで送り迎えをしてくれ、最上等のあんこう鍋コースがつく。


予約に合わせて、タクシーがホテル前に着き、ホテルの支配人がホテル前のタクシー乗り場まで案内し見送ってくれた。
そして、程なくして山翠に到着する。


山翠は老舗の風格漂う立派なお店だった。
18時前に店内に入ると既に満席だった。
それも家族連れが多い。
私の見た範囲で3組は一歳児を連れあんこう鍋を囲んでいた。


予約席に通され、まず、飲み物は好きなものを頼んでくださいと言われる。
私は武勇の純米大吟醸をお願いした。
これは美味しい酒である。


そして、前菜にあたる料理が所狭しと並んでいく。
あん肝豆腐、


鮟鱇の友酢、


あん肝である。


あん肝豆腐は滑らかながらあん肝の旨みが堪能できる。
そして、本格的な鮟鱇の友酢は地元でも腕がないと作れない。
鮟鱇の友酢は茹でた鮟鱇を友酢という裏漉しされたあん肝入りの酢味噌につけて食べる料理だ。
これが絶品だった。
最後に、あん肝だ。
色を見てもわかるがこんなにフレッシュなあん肝は初めて食べた。
すこぶる美味しいのである。
奥久慈軍鶏の山椒焼きや


地元水戸納豆のかき揚げも涙が出るほど美味しい。


そして、あんこう鍋の具材のお出ましである。
あんこうの7つ道具。
白身、皮、胃袋、卵、エラ、ヒレ、肝が全て入っていた。


これを醤油ベースのスープにあん肝入りの秘伝自家製味噌玉を溶かして食べる。
最初はドブ汁にしようと思ったが、同行者があんこう鍋が初めてだったので、店員さんと相談の上、店のスタンダードなあんこう鍋にした。
ちなみにあん肝をスープにたっぷりと入れた本物のドブ汁は手慣れた職人がしっかりと処理をして作らないと臭くて食べられたものではないらしい。
この店で他のテーブルで食べているドブ汁を見たがお餅を溶かして表面に載せたような見栄えのものであった。


葱が軟らかくなったら、食べ頃である。
流石に物凄く美味しい。


そして、びっくりさせられたのが柳焼きである。
何と鮟鱇の顔を焼いたものだ。
これの頰肉が絶品だった。
目玉や唇の周りも食べたが美味しい。


最後は、鮟鱇の旨みが凝縮された雑炊を作ってもらう。


これもしみじみと美味しい。


身も心も満足して店を後にする時、水戸の飲食店の閉店時でなかなか予約が取れないタクシーをとっていただいたとともに、店の外までお店の方が出て来られて、ディズニーシーばりの笑顔でいつまでもお見送りしてくれたのである。
他のお客さんにはされていないこのVIP対応にはびっくりした。
とにかくおかげさまで、まさに一番の旬に素晴らしき本場あんこう鍋体験ができたのだ。