笠間仁べえのとろろ蕎麦 | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

ジャン=ピエールの霧の中の原風景

こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

泰然で発芽蕎麦を食べた後は、せっかくなのでもう一軒蕎麦屋を巡ることにした。
笠間駅からも程近い仁べえである。


泰然の発芽蕎麦は確かにたいへん美味しかったのだが、蕎麦以外の料理屋としての魅力にはやや欠けるものがあったので、酒も含め蕎麦以外注文しなかったのだが、仁べえの品書きにある料理は実に魅力的だったので、色々と注文してみた。
酒は三千盛りの純米大吟醸にした。


蕎麦味噌玉はそれ程塩っぱくはなく蕎麦の実が実に香ばしかった。


漬け物も柚大根を始め実にいい。


それを美酒とともに


落ち着いたいい雰囲気の中いただくのは気持ちがいい。


出汁巻玉子も注文したが、流石に出汁巻玉子はダメだった。
祇園十二段屋本店のような飛び抜けた出汁ではなかったし、致命的なのは玉子汁の中に油が入っていたことである。
油を入れると形が崩れにくく見栄えの面ではいいのだが、味が明らかに油が入っていないものとは違ってくる。


それ以外の料理は良かった。
笠間産自然薯をもとに作られたとろろ蕎麦は、


つけ汁がまずいい。


麺は泰然と比べると見劣りはするが、それでもキリリとした細麺の蕎麦は美味しかった。


仁べえ蕎麦についてきた普通のかえしと胡麻の2種類のつけ汁もすこぶる良かった。


最後には店主からと秀逸なデザートが届けられた。
柚子をほんのり効かせ湯葉を使ったねっとりとしたものが水羊羹よりしっかりと小豆の味が伝わる羹の上に載せられている。


これは飛び切り美味しかった。


料理に使われた素敵な器以外にもお気に入りの作家の様々な笠間焼きが店内に並べられていた。
この店では再訪するときは、予約してコースをいただきたいと感じたのである。