最初はいつものようにスプマンテから始める。
前菜には上物のサイマキ海老を使った皿が出された。
ライムを効かせたスプーマや夏らしい綺麗な酸が駆け抜けていくソースが快い。
セコンドピアットは牛テールの出汁をアクセントにした自家製ショートパスタだった。
コクはあるが重すぎず品がよく美味しかった。
さて、これだけ美味しい料理が出てくるならワインのグラスを重ねばなるまい。
まず、魚料理には陶然となるイタリアのシャルドネを合わせ、
肉料理にはこのお店でしかお目にかからない最上等のイタリアのピノノワールを合わせる。
肉料理は鴨を選んだが、厚い胸肉が2枚皿に盛られていた。
イタリア料理店でこれ程上等な鴨肉は食べたことがない。
ジャガイモのつけ合わせも盛りつけもボリュームも素晴らしいの一言では言い尽くせまい。
ピノノワールだけでやめておけばいいのに、あまりに鴨が美味しくて、いつものガイアロッサのペラゴライアもお願いしてしまったのである。
そうなったらフロマージオも頼まねばなるまい。
その日は前回のようにロビオラやヴァケロッサはなかったが、ウブリアーコやペコリーノロマーノを注文した。
お勧めのフロマージオがサントモールだと強くシェフが押すようなので、フランスのフロマージュにはあまり気乗りしなかったのだが、それもお願いしてみた。
すると、流石にシェフお勧めのサントモールである。
その辺の高級フランス料理店などには出てくるはずがないレベルの素晴らしい状態のものが出されたのである。
これは美味しかった。
ドルチェも爽やかで気品に溢れ美味しかった。
マキアートや
カプチーノを啜り、
プティフールをつまみながら、
暫し余韻に浸るのだった。