ウニのスクランブルエッグ | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

ジャン=ピエールの霧の中の原風景

こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

国分寺にはトトズハウスというイタリア料理の名店があった。
小林シェフはこだわり屋でいい素材のものを探してきては、その素材の良さを生かすように的確にかつ豪快に調理する。
トリュフの薄切りを山盛り肉にかけたり、100g1000円以上もするロビオラ・アフィネやウブリアッコ等をいち早く取り入れたのも小林さんだった。
そんなトトズハウスが少し前に閉店したと聞いた。
水野さんに小林さんのことを尋ねたら姉妹店のピノにいるのではと話してくれた。
早速その一週間後、堀松川菜坊の近くにあるイタリアンバールピノを訪れた。
地下に降りると体格のいい男性が一人いて出迎えてくれた。
顔を向け相まみゆるとその方は小林さんであった。
およそ8年ぶりの再会を喜び合う。
小林シェフの料理が久しぶりにいただけると思うと胸は高まるのであった。
料理を矢つぎばやに頼む。
ワインはアウトレットのチリのシャルドネの白ワインをボトルにしてみる。


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グラスに注いでみると…
物凄く美味しいではないか。
このボトル2000円なのだが、ムルソーみたいな香りと味わいがするシャルドネなのであった。

このワインとアミューズの香り高い牡蠣の冷製との相性がすこぶるよかったのである。


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最初にウニのスクランブルエッグが届く。


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半熟の玉子はフワフワでウニはトロトロであった。

口の中に入れるとその二つが融合してフワフワトロトロがもの凄いことになっている。
流石であった。
続いて出されたカキのクリーム煮は玉ねぎがシナシナではなくシャキシャキしていてカキとの相性がすこぶるいい。


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優しい味わいがたまらなかった。
そしてナポリ風の色々なトリッパの辛めの煮込みである。


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これも上手に味付けされていた。
味わいにパンチがありながら臭みがまったくなく深い味わいで品がいい。
寿司会席料理を先ほど食べ終えたばかりなのでお腹はいっぱいのはずなのだが胃袋が喜んでいて思わず料理の追加をしてしまう。
最後に注文したのは健康な豚のグリエである。


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1600円なのに300g以上ある厚切りの豚肉をグリエして塩で味つけしたものを出してくれるのである。
これは小林さんらしい豪快な料理だった。
見てて食べてて小気味よい。
これはお腹いっぱいになるのだがとてつもなく美味しかった。
美味しかった旨を伝え再会を約束して店を出る。
この日の国分寺の夜も楽しいものになったのである。