ピエール・エルメで面白いケーキを見つけた。
チュアオである。
チュアオと言えばベネズエラ三大幻の谷のうちの一つで私が個人的に一番好きなカカオ豆の種類である。
イタリアのアメディ社でほぼ独占販売していて50g足らずのタブレットが1枚3000円位の価格であることもあってチョコレートのロマネ・コンティとかロールスロイスとか言う人もいる。
そんなことはどうでもいいが、チュアオは果実味・香り・華やかさ・優しい酸味等のバランスが素晴らしい。
そのチュアオだけを使ったチョコレートケーキに見えた。
フランボワーズも使っているとのことだったが…
帰宅して早速食べてみた。
チョコレート部分はさすがに素晴らしい。
コクも風味も香りも文句のないチュアオだった。
しかしである。
個人的にはフランボワーズでチュアオをいじりすぎている印象を受けた。
フランボワーズを入れている程度ではない。
フランボワーズをチョコレートに練りこんである。
私はチュアオはチュアオ、フランボワーズはフランボワーズで味わったり、自分でマリアージュさせて楽しみたかった。
一方、もう一つのタルト・ショコラは遥かに予想を上回った魅力的な味わいのタルトだった。
中にはモンテリマール産のヌガーやナッツがたっぶり入っていてタルト生地の底の部分にはビターで味わい深いキャラメルソースがたっぷり敷かれている。
タルト生地そのものも素晴らしいし、表面の板チョコもミルクチョコレートだったがかなりレベルの高い美味しいものだった。
チュアオより価格が200円程安いこのタルト・ショコラは買いであろう。