こだわり地方料理トラットリア(関西版) | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

ランチタイムはとうに過ぎてしまったある日の昼下がり、とあるビストロで食事を済まし、京都の錦小路の麩嘉を右に曲がって堺町通りをぶらぶら歩いていたら、あるトラットリアの外のメニューに目が止まった。

店が奥まっていてわかりずらいが、ものすごく魅力的な料理がメニューに並んでいる。

その日の夜は八起庵か鳥岩楼で水炊きと親子丼を食べようと思っていたのだが、気になって急遽このお店に予約を入れ訪れてみることにした。


夜七時過ぎに店に入ると店内は奥にかなり広く新しい。

白をベースとしたトスカーナのトラットリアさながらの雰囲気でオープンキッチンになっている。

頼むものはすでに決めていた。

席に着いて改めてメニューを見るとやはり肉料理が充実している。
決めていたのは、リボッリ―タ、砂ずりのコンフィ、鶏肝のクロスティーニ、フィレンツェの市場の味トリッパイオ、京都伊根町産イノシシのサルシッチャ、フランス産兎の白ワインラグーのピーチである。
野菜も京都大原野のこだわり野菜を使っているとのことだったので、メニューにはなかったが色々な野菜のマリネをお願いした。
メイン料理は食べ進めてから決めることにする。
体調があまりよくなかったので、ワインはプロセッコをグラスでお願いした。


最初に出されたアミューズギュールを食べてこの店は美味しいと確信した。


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砂ずりのコンフィは一見さっぱりしているが肉の旨さを上手に生かした調理法である。
塩やオイルをあまり使い過ぎていないのでしょっぱくない。

これが確か300円くらいだったと思う。


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鶏肝のクロスティーニは鶏レバーのムースで、一緒にカリカリの薄切りパンがついている。


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たっぷり載せたつもりだったがパンが先になくなってしまった。


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コクと風味が心地よくいい感じである。


フィレンツェ風のトリッパイオは下処理が丁寧になされていて臭みがなく軟らかくて美味しい。


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野菜のマリネは金時人参など味の深い京都の何種類もの地野菜がしっかりマリネされている。


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私は美味しくないと野菜はだめだがこれなら充分に楽しめる。


さて、トスカーナの名物料理リボッリータである。

カーボネロ(黒キャベツ)をしっかり使ったまさにトスカーナの家庭の味。

東京では西麻布のイル・バンビナッチョで食べたが関西で食べられるとは思わなかった。

トロッとしていて美味しかった。

このあたりから土着的な赤ワインをグラスでいただいた。

体調を考えても頼まずにはいられなかったのである。

ワインもシチリアのものを中心に魅力的なものがいくつも置いてあった。

タンクレディを飲みたかったがその日はあきらめることにした


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続いて、フランス産兎の白ワインラグーのピーチの登場である。

ピーチはうどんのような形状だが腰がかなり強い。

ラグーはあっさりしてるが兎の旨みがたまらない。


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圧巻は京都伊根町の猟師から手に入れたイノシシのサルシッチャである。

獣臭くて旨みがありものすごく美味しい。

あまりもの美味しさにもう一皿お代わりしてしまった。

これで一皿800円くらいであった。


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あげくのはてにこのイノシシの美味しさに魅せられてメイン料理もイノシシにすることにした。

お店の名物の「イノシシのハンバーグ洛西大枝の野菜を煮たり揚げたり」にしようとしたがこちらのイノシシは外国産らしいので、同じ京都伊根産のイノシシを使った「ローズマリーとニンニクでマリネしたイノシシのロースト」をお願いした。


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これも獣肉のよさと旨みを感じさせるものでしみじみと美味しかった。

付け合わせの野菜もすこぶるチャーミングである。


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メイン料理のあとはしめくくりのドルチェミストである。

ドルチェも丁寧でどれも秀逸なものだった。

タルトもコンポートも美味しい。


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カプチーノを最後に頼んで食事の余韻を楽しんだ。


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とにかくこのお店は肉料理がとても充実しているし価格も良心的である。

なんとフィレンツェ名物の1.3キロのTボーンステーキ、ビスッテカ・アッラ・フィオレンティーナまであった。

青山のトゥリオを思い出してしまった。

お店は去年の五月にできたばかりだという。

客にもよるがいずれこのお店はブレイクするであろう。

イタリアンの肉料理がお好きで関西方面にお住まいの方は、肉シェフの作るこのお店の料理をお試しあれ。