バレンタインの日はショコラを食べるが、必ずワインやコニャック・カルヴァドスに合わせてしまうので、気持ちよくなってしまう。
今回食べたショコラの中でまず心に残ったのは手作り感溢れるオランジェットであった。
このオランジェットは3日程オレンジの皮をじっくり煮てコンフィにし、それをショコラでコーティングした後、良質なココアパウダーをまぶしてある。
かなり美味しい。
このショコラにはコニャックやカルヴァドスを合わせた。
(「魔女の指」パティスリー・オディール http://air.softin.jp/odile/index.html
)
そして、今回一番感動したショコラはエコール・クリオロの「ラ・カルテ・デ・ショコラ・フランセ」というフランス各地の代表的な食材を使って作られたショコラのセットである。
どんなショコラ達が入っていたのか食べた順にご紹介しよう。
まずはミディ・ピレネー地方のローズマリーのショコラである。
ハーブを使ったショコラは作り手によって出来、不出来の差が大きいが、このショコラはきれいである。
ローズマリーの風味を上手にショコラに取り込んでいる。
次にプロヴァンス地方のラヴェンダーを上手に使ったショコラを食べた。
今まで私が食べたラヴェンダーのショコラの中では最も秀逸といっていいと思う。
さすがにサントス氏の故郷の地方である。
ラヴェンダーの使い方とショコラを通した表現の仕方が素晴らしい。
続いてブルゴーニュ地方のカシス果実とカシスリキュールを使ったショコラを選んだ。
これもきれいな味のショコラである。
果実とリキュールとショコラのバランスの取り方が絶妙だけでなく、ショコラを通した表現力を感じる。
さらにブルターニュ地方特産のフルール・ド・セルを使った軟らかい塩キャラメル入りのショコラを口に含む。
素晴らしく美味しい塩キャラメルのショコラである。
塩キャラメルを売りにしているショコラティエのショコラにひけを取らない。
そして感動的な美味しさだったのがアルザス地方のお菓子パンデピスをイメージして作られたショコラであった。
このショコラはフランス産の本物の蜂蜜ミエル、シナモン・アニス・生姜・クローブ・ナツメグなどのスパイスが入っている。
口に入れると笑みが止まらなくなる。
本物のパンデピスを知っていて好きな方は必ず食べるべきショコラだと思う。
最後にポワトゥ・シャラント地方のショコラだが、これが凄い。
ポワトゥ・シャラント地方特産といえばコニャックだが、何とコニャック好きなら泣く子も黙る私の一番好きなピエール・フェランのグランド・シャンパーニュ・コニャックが入っているのだ。
ピエール・フェランのコニャックを使ったショコラなんて聞いたこともない。
これだけ買い占めたい気持ちになる。
私はこれらのショコラ達に感動を覚えた。
これだけショコラティエがこだわったショコラを作ってくれているなら、そのショコラに合わせてワインも開けたくなる。
用意したのは、ダニエル・バローのサン・ヴェラン2003、ディエゴ・デ・アルマグロ・グラン・レゼルバ2001、カルム・ド・リューセック2004である。
ダニエル・バローは私の大好きなブルゴーニューの白ワインの造り手だ。
ローズマリーやカシスのショコラに合う。
ディエゴ・デ・アルマグロ・グラン・レゼルバ2001は果実味溢れるスペインのワインだが、時間が経つとともに香りが複雑に変化し、アマローネのような干しイチジクやプラムの香りになる。
ショコラに最も合うタイプのワインだ。
ラヴェンダーやパンデピスのショコラに合わせて楽しむ。
そしてソーテルヌはリューセックのセカンドだが、ショコラに合わせるのならこのくらいの甘さと強さがいい。
華やかなショコラかいっそのことビターなショコラに合わせると面白い。
もともとサントス氏のショコラは名の通り華やかで花の香りもするクリオロ種を上手に使っているので合わせやすい。
それらのワインをショコラと合わせ至福の時を迎える。
ショコラ好きの方には、エコール・クリオロのこの「ラ・カルテ・デ・ショコラ・フランセ」はお薦めできる。
価格も6粒で1500円位であった。
カリテ・プリの高いショコラだと思う。