浅草で鰻を食べたい時には三軒の候補がある。
小柳と助川と初小川である。
その日は最も江戸情緒の感じられる店、初小川にした。
昔は白地に「う」と一文字書かれたのぼりが目印だったが今はやめたようだ。
それでも風情のある白い暖簾をくぐって中に入ると店内は江戸情緒たっぷりである。
真ん中に炉が切ってある席に通される。
火鉢を眺めながら鰻重が届くのを待つ。
鰻重ができあがった。
ワクワクしながら蓋を開けるとふっくらと焼かれた鰻が現れる。
手前から食べていって最後に旨みが集められたような尻尾に近い部分を食べるのが私の食べ方である。
鰻が香ばしい。
旨み充分の鰻である。
タレの甘さも甘すぎず私にはちょうどいい。
またご飯の炊き方も上手である。
米が立っている。
絶妙にタレに馴染んでいて美味しい。