和菓子と酒 隠れ家 HIGASHIYAMA | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

ジャン=ピエールの霧の中の原風景

こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

こだわりというものは気持ちよいものだ。
センスのある方が好きなものを自分のデザインとスタイルで提供してくれる店はいつ訪れても心地よい。

六本木にそういうお店が一軒ある。
HIGASHIYAMAである。
このお店は基本的には和菓子店だが、店舗の奥にカフェコーナーがある。
そこでお店の和菓子とともにお茶やお酒が飲める。

しかし、置いてある和菓子やお茶やお酒がただ者ではない。
こだわりの極致なのだ。


ジャン=ピエールの霧の中の原風景
内装および和菓子のデザイン・パッケージは、和を取り入れたモダンなデザインのものであるし、お茶はしっかりとたてるスペースがあり作法に則って丁寧に一服一服煎れてくれる。
中国茶も含めお茶の種類も豊富で魅力的なものばかりだ。
その日お茶は雁が音玉露を頼んだが、同行の日本茶のソムリエを目指している方が煎れ方・味ともに感心していた。

実は私は和菓子とお酒を合わせるのが好きなのである。
でもその希望を叶えてくれる店は皆無であった。
この店は凄い。
日本酒も蒸留酒もこだわりの品が取り揃えてある。


白餡にコニャックを混ぜ合わせた小菓子とラムを効かせた栗餡を紫芋餡で包んだ小菓子にはマールとコニャックを合わせた。


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コニャックはポール・ジローの25年物である。
マールは、普通のマールとはものが違う。

バンドールの伝説のドメーヌ、ドメーヌ・タンピエのマール・ド・プロヴァンス1996である。

独特な香りと芳醇な風味、豊かなボリューム感、力強いアフター等、非のつけどころがない。

ひょっとしたらヴォギエのマールより美味しいかもしれない。

このドメーヌの赤ワイン、キュベ・カバッソウは2008年のクラスマンでは南仏最高峰の評価を受けている。


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ポール・ジローのコニャック25年物より風味と複雑さを感じさせる。
美味しい。

いずれも1400円は安いと思う。

最後にニッキ餅に博多練り酒を合わせてみた。


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博多練り酒は博多の料亭で食事の後に小さな杯でちょこっと飲む甘くて濃厚な米から作ったお酒である。
この店でもそのスタイルで出てくる。
デザートワインを飲むつもりで最後を締めてみた。
何とすがすがしい気持ちにさせてくれるお店であろう。

和菓子の店舗は午後8時まででバーの方は午前1時くらいまで営業している。
昼間は甘味や食事も味わうことができる。

お茶と和菓子だけを楽しんでも充分楽しめる店だと思う。


ここは日本広しといえどもなかなか出会えないこだわりのお店である。