永い言い訳 | 尋常ならぬ娘のオタクな映画日記

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西川美和原作「永い言い訳」の映画化。


西川美和は小説家であるとともに脚本家、監督でもあるので
本作も当然、自ら脚本・監督を務めています。

原作があり、その映画化となると
原作の世界観が壊され、がっかりすることも多々ありますが
今回は
原作者が自ら脚本&監督を務めるということ
その上、それが西川美和であること
という点で、非常に楽しみにしていました。

原作を生み出した人が映画化するんだから
原作の世界観がぶち壊されることはないだろうと。
さらに西川美和監督だから
絶対に素晴らしい映画になっているんだろうなと。

結果・・・

ものすごくよかった~!!というほどではなかったですが
やはり原作を先に読むと原作の方がどうしても深いので
原作の方が勝ってしまうんですよね(;´▽`A``
それでもやはり原作の世界は壊されることなく
とてもいい映画だったと思います。

西川美和監督の映画は
映像の雰囲気がかなり好きなんですが
今回もいい空気が漂う映画でした。

あらすじは昨日UPした原作本の感想で書いた通りなんですが
主人公幸夫の妻が突然事故で死んでしまうんだけど
幸夫は全く悲しめなくって
でも、妻の親友で、同じ事故でなくなったゆきの家族と出会い
共に過ごすことで、妻のことをあらためて想うようになる。
というようなお話なのです。


映画の中で特によかったのは
幸夫が妻の死後関わる家族の子どもたちの姿です。

観ている時に
子どもの撮り方が是枝監督に似てるなぁと思っていました。
是枝監督の作品に出る子供たちのように
自然体な姿で映し出されていて
本当によかったんです。

そしたらエンドロールの時に
企画協力 是枝裕和 という文字を発見。
後に調べてみたら
西川美和監督を見出したのは是枝監督だそうで
今では一緒に事務所を立ち上げてるんですね。
この映画の主役に本木雅弘がいいよと助言したのも
是枝監督だとか!

そのことが関係しているからかどうかはわかりませんが
とにかく子供たちが素晴らしかったです。


で、原作を読んだ時に本木雅弘イメージにピッタリすぎる!と
読むセルフの一つ一つがモックンの声、モックンのしゃべり方で
聞こえてきそう
なほどだったのですが
映画を観ても、まさにピッタリすぎるほどピッタリ
非常によかったです!!!

この役は本木雅弘以外考えられない!!!
ってくらいの
素晴らしいキャスティングでした!!

その他、ちょっとの出演でしたが
妻を演じた深津絵里もほんとにいい味出してました。

あと池松壮亮も出てましたが
彼は何に出ててもいい味出しまくりますよね~。

で、最後のエンドロールで気づいたんですが
留守電に吹き込まれる女の声が木村多江だったり
ラジオのDJがマキタスポーツだったり
姿は見えない驚きのキャスティングにもテンション上がりました(笑)

それにしてもこの主人公幸夫のキャラクター。。。
自分のこととなると
ほんとにどうしようもない奴なんですが
子どもたちに対しては
大切な時に本当に大切なことを助言できたり
本当はいいヤツなのになぁ。

自分でもどうしようもない部分を抱えている
可哀そうな男というキャラクターが何ともいえずよかったです。
で、そんな男が愛に気づく物語は
けっこう胸にグッとくるものがありました。


最後の最後、幕を閉じるワンシーンは
個人的には原作の方が泣けましたが
どちらも余韻を残すいい終わりかただったと思います。


愛することができる時間に
愛すべき相手ときちんと向き合うこと
の大切さについて
なんかすごく考えさせられる映画でした。



満足度・・・75%