なんだ?!なんだ?!このエロそうなパッケージは!?
劇場で公開されたこの作品。映画雑誌で見かけて少々気になっていたのだけれど。
自分の近くの劇場では公開されず。もちろんかなりマイナーな感じの作品なので、よほどのミニシアター系映画館でしか公開にならないであろう。
※といってもAVでは決してないのですよ(笑)
ちゃんとした芸術系作品で、テーマもきちんとしています。
ということで、思い切ってレンタルしてみました(笑)
R-18作品だけあって、かなりエロいシーンは盛りだくさんです。
しかも主人公の男を虜にさせる女の子が、かなり肉付きのいい体つきで、その脂肪がこの上もなくいやらしく見えた。
内容は、ただエロいだけが見せ場ではなく、きちんと描いていますよ。
愛に溺れていく人間の心情の変化。
人生の何もかもに嫌気がさしていた主人公の男は、悶々と町を車で走らせていると、若い女の子と親しげに歩く初老の男性を目撃する。なにやらその男性のことが気になった男は、その男性の入ったバーに入り、その男性を眺める。その男性は、勘定をすませようとするが、財布がないことに気づき、店の店員から暴力を振るわれそうになる。そこで、主人公の男は、その男性の勘定を一緒に払ってやるのだが、そうしたことで、その男性は、お金を返すまで預かってくれと男に一枚の絵を渡す。
そこには女の裸体が描かれていた。
そこで、男はその男性の家を訪ねるのだが、彼はすでに死んでいた。なにやら若い女とエッチをしている最中に死んだらしい。
その相手とは、まさしく絵のモデルの少女であり、初めて彼を目撃した時に一緒に歩いていた少女だった。
その彼女と、彼の家で偶然出会った男は、彼女と肉体的関係を結ぶことになる。
そこから彼の人生は一変するのだが。
肉体的関係を重ねるごとに、彼女に溺れていく男の姿が実にリアルに描かれている。
この映画の場合、女のほうにつかみ所がなく、今にも自分の前から消えてしまいそうな存在だったが、
日常における男女の関係というのは、これに象徴されるものがあるだろう。
どちらかが執着する。
完全に自分のものにしたい。そう思い、焦り、必死になる姿がとにかくリアルだ。
しかし、そうなるとその相手というのは逃げたくなるのが必然なのであろう。
愛してる。と男は盛んに言ったいたが、果たしてこれは愛なのだろうか。
違う気がすると私は思った。
愛と錯覚しているだけの独占欲のような気がした。
なかなか中身のある映画だったように思う。
それに、フランス映画のこのようなジャンルにしては、終わりがある意味爽快で、希望のあるものになっていたので、後味も悪くなく、観やすい出来になっていた。