昨日、或る方と話をしていて、「バルバラは何曲も続けて聞いていると、ちょっと辛くなって来る。」と告白したら、「ジャンマリさんは、そういうタイプでしょうね。」と言われました。言い訳ではないのですが、私の場合、フランス語の意味が全部わかってしまうので、聞き流せないのがその辛さの原因だと思います。

と言って、単純明快で軽い曲も続くと飽きてしまうのですが...

 

 

明るく楽しい曲で私が思い出すのは、Marie Paule Belle(マリーポール・ベル) の "La Parisienne" (ラ・パリジェンヌ)です。 

このシャンソンは、田舎から出てきた娘がパリジェンヌになりたいと思うストーリーです。でも、いざパリジェンヌらしくなったら、今度はくたびれて憂鬱になるのです。

 

 

面白ろ可笑しく歌っているようで、実は、1976年当時のパリジェンヌに対する強烈な皮肉が込められています。こういうエスプリの効いた歌は、楽しむことができます。

歌の主人公は、「私はパリジェンヌみたいに〇〇でない」と嘆きます。

その〇〇に入るのは...

 

酒飲み、ドラッグする人、コンプレックスのある人、気取っている人、周りに調子を合わせる人、菜食主義者、空手家、映画好き、女性解放運動家、色情狂、変装家、マゾヒスト、ヒステリーを起こす人、倒錯した嗜好を持つ人などです

 

自分がノーマルなのが嫌だというのですから、贅沢な悩みです。個性的なことがもてはやされた時代なので、変わっていること、自己主張が強い人が良いとされていたのです。

単純に笑えない歌詞ではあるのですが、歌い手の表情やジェスチャーが豊かで、観客との掛け合いがあったりして、愉しいです。