魔法の指先 佳麗な技のロンド
去年のショパンコンクールで3位だった
ズートン・ワンさんのピアノを聴いてきました。 
当初発表と、プロが大幅に変更になった。
変更前 ショパン ノクターン へ長調 作品15-1
シューマン ダヴィッド同盟舞曲集
ショパン ノクターン ロ長調 作品9-3
ソナタ3番 ロ短調

変更後 ショパン 幻想ポロネーズ 変イ長調
シューマン ダヴィッド同盟舞曲集
ショパン ソナタ2番 葬送行進曲付き
ショパン作曲 リスト編 ポーランドの歌より
乙女の願い 私のいとしい人
リスト作曲 ブゾーニ編 フィガロの結婚の主題による幻想曲 
 どうでしょう? 華やかさがアップしたと思いませんか? 後半の曲が、決め手になった。
 
年季の入ったホールは、びっしり満席!

シックなワインカラーのブラウスに、ワイドパンツで現れた。思ったより長身で、がっちり体型である。 
幻想ポロネーズ ファイナルで、協奏曲の前に弾いた。世の中を透徹したような眼差しの、出だしが深い。水を打った静けさの中、響いたのを思い出した。 コンクールの緊張が、去来しただろうか? 
理知的で、明晰な音運びだった。

シューマン ダヴィッド同盟舞曲集 
シューマンは、音が縺れるように流れていくのがもどかしい。不安定な情緒が、ダダ漏れしてしまうのが彼らしくて共感する。小さな散文詩集のようだ。
星粒がキラッ、キラッと瞬くようなタッチの、ホ長調。それから、ショパンみたいな、詩的なささやきが印象的な、無言歌風の14曲「優しく歌って」ホ長調が良かった。弱音はくっきりまろやかで、見通しが良い。
打鍵は強すぎず、中庸を維持した自然体。揺るぎない。体幹が安定しているからだろう。

休憩後 ソナタ2番。2次予選で弾いてたか? 
3次だったかな。あの時皆、凄い気迫だったよなー
 吹雪の中を疾走する 1楽章 
立ち止まり、ふうとため息を付く内省的な2楽章
そして、あの葬送‥ 断末魔の如き和音の重層が、ひたひた迫って来る。生への希求が真っ直ぐに立ち上がって来る。まだ生きたい!と、切望する姿か。
4楽章は、五里霧中のさなか。どこへ辿り着けばいいのか、分からぬまま、ひっそりと姿を消した。
大きな、大きな拍手。 

さあ次は、ヴィルトゥオーゾタイムの始まりだ! 
乙女の願い、私のいとしい人 ショパンの歌曲をリストがアレンジしたもの。とくれば、華麗流麗テクひけらかし大会でしょ 
 トリルがシャワーのように振り注ぐ快感!かんたんにしか聞こえないからスゴイなぁー 
そしてフィガロ。もう飛ぶまいぞと ケルビーノが華麗なキラキラを撒き散らし、跳ねる、舞う、
もう自在だ!ただただ、ウットリ スゴかったー 

 アンコールは2曲。
ショパン ノクターン4番 へ長調 作品15-1 別名甘い追憶。勝手に命名(汗)出だしが、あー、むかしはエガッタのお〜って聞こえるんだもん。私だけならすみません 
ワルツ15番 ホ長調 遺作 後半に3連のトリルが2度現れる。何ともほろ苦い思い出を噛み締めてるような。
 終演は20時30分。まだまだやれそうに見えたけど、時間の都合?