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ルーフタワーでKW(仮)

再開局後、第一の目標だった1KW免許は無事にクリアしました。
今は、古い無線機のレストア?が面白くてたまりません。
こつこつ勉強し、失敗しながら少しずつ経験値を貯めています。
そんな過程を個人的な備忘録として記録していくブログです。

さて、いよいよ機能と性能のチェックだ。

電源を入れる前に、まずは本体を振ってみる(^^;;
幸い、「カラカラ」とか音はしない。
奇跡的に?全部無事だったナイラッチを外して、表と裏の本体カバーを取り外し、内部を目視でチェック。
多少の汚れはあるし、基板のパターンが変色してたりするけど、明らかにおかしな部分はなさそうだ。
電池は入っておらず、液漏れの形跡もない。(よしよし)
TR-1200_inside1 TR-1200_inside3 
 

いよいよ外部電源をつないで・・・と思ったんだけど、ここでまず注意が必要。
外部電源端子に、極性の表示がないのだ。
(印刷が消えてるだけ?)
普通に考えればチップが+なんだけど、RJX-601なんかは逆だしね。
実際に目で見て確認すると、チップ+で問題なかった。


さて、スイッチオン。
本来なら、いきなり13.5Vをかけるんじゃなくて、もっと低い電圧から徐々に馴らしていく方がいいらしいけど、面倒なので省略(^^;;
VRを回すとガリもさほどなく、ちゃんとノイズが聴こえてくるので一安心。
各スイッチ類の動作を確認、といってもメーター照明スイッチと、底面のAM/FM切替、固定チャンネル切替くらい。
いずれもスライド・スイッチなので、接点が痛んでると厄介だけど、幸いこちらも問題なく動作しているようだ。
メイン・ダイヤルの遊びが結構あることを除くと、ここまでのところでは不具合はなさそう。
ケミコン類(特にAF回路とか)が痛んでいると、電源を入れてしばらくしてからバリバリっとノイズが出だしたりするので、このまましばらく放置。


半日たっても特に変化が見られないので、SSGからの出力をアンテナ端子に加えて感度をチェック。
30%変調のAM信号を受信してみると、-15dBくらいまでは確認できるので、大きな問題はなさそうだ。
ちなみにカタログ上のスペックは、2μV入力時にS/N10dBとなっている。
RF、IF段の各同調コイル類を調整したところ、多少の改善がみられた。
Sメーターの振れは、20dB入力時にS8あたりというところ。


続いて送信部。
マイクがないので、マイク・コネクターのPTT端子を直接アースに落として送信状態にしてみる。
もちろんアンテナ代わりに終端型電力計(RW-120D)を接続中。
かちっとリレーの音がして、ちゃんと送信に切り替わった。
出力は50.5MHzでおよそ1.5W出ている。優秀じゃん。
こちらも、ドライバー段とファイナルの出力トリマーを微調整してみると、だいたい1.7w程度は出ているようだ。
よしよし。これなら送信部も大きな問題はないだろう。


またまた次回に続きます。


 

さて、ここでTR-1200のかんたんなスペックについて。
前身のTR-1100Bや、ライバルのRJX-601、AM-3Dなどと違い、カバー周波数は50.0~52.5MHzとなっている。
モードはAMとFM。
送信出力は1Wが定格だ。


実際のところ、当時6mがにぎやかだったといっても、52MHz辺りから上はあまり使われていなかったように思う。
せいぜい、下の方からQRMを避けて秘密の?ローカル・ラグチューを楽しむ人たちがちらほらいる程度だったかな。
なので、実使用で不便に感じることはさほどなかったんじゃないだろうか。
むしろ、AM/FMの切替スイッチが本体底部にあったり、スケルチがついてなかったり、FMでの運用はおまけ程度だったのかも。
そのあたりがRJX-601と比べて見劣りがする部分だ。
結果的にTR-1200は後発のRJX-601に人気を奪われ、残念ながらベストセラーとはならなかったしね。


余談だけど、当時はこうしたTR-1200の欠点、というか使い勝手の悪さを解消すべく、いろいろと改造することが流行ったらしい。
例えば、スケルチ回路の追加とか、固定チャンネルの増設とか。
特殊な3Pのマイクコネクターを、4Pに交換するのもポピュラーだったようだ。
(ホント、このコネクターのおかげでマイクを探すのが大変です)


さて、今回届いたTR-1200は、幸いにして改造の跡が全く見当たらなかった。
そもそも、そこまで使いこまれていた形跡がなく、年代物の割には使用感が少ない。
付属品は一切なかったけど、元オーナーはほとんど使わないままどこかにしまいこんでいたのかも。


この手のポータブル機は、当然野外に持ち出して使用されるものだから、比較的手荒に取り使われているものが多い。
塗装が剥げてたり、あちこちへこんでたり、ロッド・アンテナが曲がってたり。
乾電池を入れたままで放置されていたら、ほぼ100%液漏れでひどいことになっているし。
本体のカバーを留めるためのプラスチック製のファスナー(ナイラッチ)が折れてたり、壊れてたり、なくなってたりもざら。
この個体では無事だったけど、本体底部にあるコネクター類(アンテナ端子とか、外部電源端子とか)のゴム蓋がちぎれているのも当たり前のようだ。
TR1200_rear 


液漏れは論外だけど、基板上のパーツが劣化して性能が落ちてるとか、あちこちの接触が悪くなってるとかであれば、まあ何とか修理することができる。
しかし、塗装剥げやへこみはいかんともしがたいし、ロッドアンテナの曲がりを直すのも大変だ。
ましてやコネクターのカバーなんてどうしようもない。
確かに機能的にはほとんど意味のないものだし、なくても別に困らないんだけど、やっぱり気合を入れてレストアしよう!とか思うと意外に気になるものだ。
なので、オクなどで迷った時は、外観よれよれの完動品よりは、外観程度良好の不動品を選ぶのが正解だと思ってます。


案の定、中身の話までたどり着けませんでした(^^;;
次回に続きます。

久々に、懐かしリグの話。


何度も書いたけど、自分が開局したのは1970年代前半の、6m全盛期。
ちょうどAMからSSBに移行しつつある時で、AM機、SSB機、ポータブル機(全然ハンディじゃなくてむしろショルダー機?)、モービル機、固定機、さらにはHFのリグ+トランスバーターと、まさに百花繚乱の様相だった。
50.3MHzぐらいから下はSSB、そこから51MHzまではAM、それより上はFMと、たくさんの局がそれぞれの好みに応じて出てきており、平日の夜や休日は、なかなか空き周波数を探すのも大変だった憶えがある。


その時代、以前に紹介したナショナルのRJX-601や井上のAM-3Dと並んでポータブル機の代表的なリグだったのが、TRIOのTR-1200だ。
先代のTR-1100(B)もまだまだ健在だったけど、AM-3D同様完全トランシーブではなくキャリブレーションを取る必要があったり、デザイン的にもちょっと古臭いイメージがあったりで、あまり人気がなかったように思う。
それに比べて1200は「完全トランシーブ・トランシーバー」というのが売りで、当時の広告でも大々的に歌われていたような気が。
TR-1200_2 
(誠文堂新光社刊「アマチュア無線開局ガイド」より)

デザインも、大きなメインダイヤルの内側に周波数表示があって、照明をつけると指針の辺りが緑色に照らされるという斬新なものだった。


自分が開局する時も、リグ選びでは最後まで候補に残っていたはず。
最終的には「出力3W」とフロントパネルのカッコよさに惹かれてRJX-601にしたんだけどね。


ということで、お察しの通り最近またまたオクで出物?を発見してしまい、ついついポチっと落札してしまったわけだ。
一応電源は入り、動作もしているとのこと。
これはまあ、あてにしないとしても、外観の程度の良さ(綺麗さ)は写真で確認できたので、レストアにチャレンジする価値は十分ありそうだった。


で、実際到着したのがこちらのブツ。
写真で見た通り、外観の程度はまずまず良好だと言えるだろう。
TR-1200_1 

この頃のTRIOのリグは、フロントパネルがシルバーのヘアライン仕上げのモノが多いんだけど、シルク印刷されている文字が消えやすいそうだ。
掃除しようとちょっと強めにこすったり、クリーナーを付けたりすると、たちまちアウトなので要注意らしい。
このTR-1200は印刷も幸い健在で、薄くなったり消えかけているところもない。
年代相応に薄汚れてはいるけど、基本的な素性は良さそうだ。


さて、中身はどうかな?次回に続きます。

ああでもない、こうでもない、あれも良さそうだ、これも良さそうだ、いやちょっと待てよ、と散々悩みまくってきたアンテナ系の手直しだけど、結論が出ないまま10月も半ばを迎えてしまった。
当初は、台風シーズンが来る前にメンテナンスを!とか言ってたはずなのに(^^ゞ
今年は10年ぶりに台風が4つも上陸して、場所によっては大きな被害を受けたけれど、幸いこのあたりではほとんど影響はなかったし、うちのアンテナも無事だった。
秋のDXシーズンも既に佳境に入ってるし、今さら慌ててもなあ・・・と思う今日この頃。


ということで、性急に結論を出して作業を始めるのはやめて、例の7バンドHEX BEAMについてもう少し具体的なことが分かるまでは、ペンディングでいいかな。
実のところ、例の「領空侵犯問題」などを勘案すると、このアンテナに30mバンド用のロータリー・ダイポールを組み合わせるのが、いちばんすんなり収まるような気がしているのだ。
この前のAntからのメールでは、「2014年中には完成させるよ!」とのことだったから、順調に進めば来年早々には生産、出荷が始まるだろう。
少し値は張るが、今公開されているプロトタイプの仕様から大きく変わることはなさそうだし、これを第一候補にするのが順当かも。


年明け以降だったら、冬のボーナスも出てるだろうしね!(^^ゞ


と思ってたところに、イギリスのHEX BEAMのビルダー、Ant(MW0JZE)からメールが届いた。
なんと、「ベータ・テスターになってくれるんだったら、例の7バンド用HEX BEAMのプロト・タイプを特別価格で提供するよ!もし気に入らなかったら、レギュラーの6バンド・モデルに無償で交換するからね!」とのこと。
7band-hexbeam 

以前、問い合わせたことを憶えていてくれたらしい。
そういえばメールに、うちもTGMのミニ・ビームを使ってることや、市街地に住んでて人工ノイズが多くて大変だ!ってことを書いたっけ。
Antによると、「確かにHEX BEAMはTGMに比べると静かだよ。
でも、自分ちはそんな都会じゃないんで市街地のノイズに対してどのくらい有効かは分からないな」だそうな。
まあ、そういう状況下でのベータ・テストも何かの役に立つってことだろう。

ちなみにその特別価格とは、現在販売中の6バンド・モデルと同じ£400。
送料が£110くらいなので、合計£510≒88,000円程度ということになる。
これはいいお話かも!乗らない手はないぞっと。

さて、システムの検討についてはひとまず横に置いておいて、必要な手続きについて少し。
「無線局の免許状に記載された事項に変更が生じたとき、また、無線設備を変更したいときは変更申請が必要」なんだけど、アンテナ=空中線の変更についてはどうなんだろう?


少し法律的な話になるので分かりにくかったらすみません。
電波法では、「免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、放送事項、放送区域、無線設備の設置場所若しくは基幹放送の業務に用いられる電気通信設備を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない」(第一七条第一項)と定められているんだけど、加えて「この規定によって無線設備の変更の工事をする場合には、第九条第一項ただし書、第二項及び第三項の規定を準用する」という但し書きもあってややこしい(^^ゞ


で、その第九条第一項は「前条の予備免許を受けた者は、工事設計を変更しようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。但し、総務省令で定める軽微な事項については、この限りでない」というもので、第二項「前項但書の事項について工事設計を変更したときは、遅滞なくその旨を総務大臣に届け出なければならない」、及び第三項「第一項の変更は、周波数、電波の型式又は空中線電力に変更を来すものであつてはならず、かつ、第七条第一項第一号又は第二項第一号の技術基準(第三章に定めるものに限る。)に合致するものでなければならない」となっている。


一読しただけでは何のことやら・・・?って感じだが、要するに「無線設備の変更工事には許可が必要だけど、軽微な変更なら事後に届ければOKだよ」という話。
で、「軽微な変更」の範囲は?というと、「周波数、電波の型式又は空中線電力がそのままで、総務省令(電波法施行規則)にて定められた範囲」とある。やれやれ。
電波法施行規則第十条によると、「法第九条第一項ただし書の規定により変更の許可を要しない工事設計の軽微な事項は、別表第一号の三のとおりとする」とのことで、ようやく目的地にたどり着いたら、17の(2)に空中線について「型式,構成,高さ,位置,指向方向又は電気的特性に変更を来すこととなる場合を除く」と書かれている。


ということで、結論としてはアンテナの「型式,構成,高さ,位置,指向方向又は電気的特性が同じであれば事後の届け出でOK」で、「なにか一つでも変わるのであれば許可が必要」ということになる。


ここでいう「空中線の型式」とは、「単一型」とか「八木型」とかいうものだ。
(ちなみにプロ用の申請では、単一、八木、パラボラ、平面、ホーン、ダイポール、グレゴリアン、カセグレン、ループ(リングを含む)、ターンスタイル、スーパーゲイン、ワイヤ(L、V、T、逆L、逆Vを含む)、その他さまざまな型式コードが指定されている。中にはよく分からないものも)
ということは、例えばダイポールを八木に替えたり、逆LをGPに替えたりするには許可が必要なのだ。


今回のケースでいうと、トライバンダーもハイブリッド・クワッドも「八木型」であり、HEX BEAMも「八木型」なので「型式」は変わらないが、利得など「電気的特性」は変わるだろう。
ということで、法令に照らし合わせると「許可が必要」ということになる。


念のため総通に電話で問い合わせてみたら、やはり同様の答えだった。
しかしながら今回は、利得がマイナス方向(減少)への変更なので、書面での申請のみで変更検査そのものは必要ないとのこと。
実は数年前の1kW変更の落成検査のときに、総通の担当者の方にアンテナ設備の変更についてお聞きしたら、「アマチュアの場合、基本的には自己管理にゆだねられている部分が大きく、総通が逐一検査を行うことはないが、その分責任を持って管理するように」との回答だった。
「責任を持って管理するように」というあたりがちょっと微妙なんだけど(^^;;
かの「電波防護基準」については、計算上で基準値以下になっていることが前提だとか。


残念ながら、HEX BEAMについては垂直面のビーム・パターンが分からないので、「俯角減衰量」はないものとして計算するしかない。
変更申請の時に四苦八苦したことを思い出しながら、当時のデータシートに数値を入力してみると、全バンドで基準値を余裕でクリアしているようだ。
総通からリクエストされたわけじゃないけど、申請の際には参考資料として添付することにしよう。


そうそう、空中線電力50W以下の局については、そもそも工事設計書に空中線の型式を記入する必要がない。
すなわち、どんなアンテナを使ってもOKということで、変更も事実上自由だ。