親子 2人旅 1日目 | 三温糖のブログ

三温糖のブログ

夢への 道のり


台風の影響でお昼ぐらいには神戸は大雨の予報


車で高速道路を使って行く予定な為


安全を考え 午前中には神戸に着きたいと思う


から6時起床 7時から遅くても8時出発とした


私が僕と予定立てする時は出発に1時間余裕を


持たせる癖がある 何故なら僕は必ず出発


ギリギリで何かしら忘れモノとか えっ今?って


事をするからです 例えば「ドライヤーして!」


とかねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラwww


出かける前にイライラしたくないもんだから


もうそうなる前提で予定立てするのね


小学生迄は それでも時間オーバーしてましたが


最近は最低何時って時間には出れるようになった


この日も8時前には出発出来ましたよ!


僕より私の方が運転に必要な眼鏡が見当たらず


焦ってバタバタしてましたꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラwww


無事 眼鏡も見つかり出発!


車の中で僕のテンションは高い ご機嫌さんで


大雨で景色が見えないことを文句を言うのも


何処か たのしげな言い方でした


道中 ずーっとお喋りしてました


「お母さんと2人旅 久しぶりだねー


お母さんとは楽だわ お父さんとは緊張する」


「九州旅行なんて 最悪だった だって僕残して


お父さん サッサと寝ちゃったんだよ!怖くて


お母さんに泣いてzoomしたの覚えてるよ」


「お母さん そうなるの分かってて良くお父さん


と2人で行かせたよね!」


ってな話しもする僕でした


そりゃあ  仕方ないよね 母親と父親では一緒に


過ごす時間が圧倒的に違うもんだ 子供が母親と


一緒の方が安心するのは仕方ない事よ


けど それじゃあ父親は可哀想じゃない?


一緒懸命 家族の為に働いて 一緒に居る時間が


少ないからって緊張されたり 慣れてくれなかった


ら お父さん 何の為に毎日働くの?って母は思う


だから あの九州旅行はそんな2人が互いに分かり


合う為に必要な旅で わやくちゃになる前提で


それでも もう2人共大丈夫だと思ったタイミング


で行かせた旅だったよ 夜中に君が電話して来た


時はやっぱりな!って店のおばちゃんと仕事しな


がら笑ったもんだ 君が眠るまで板場の前に


zoom置いて 母は仕事したなぁ なんて色々な


今迄行った旅の話しから 神戸の話しに変わる


僕が行きたい 母の過去巡りの場所の話し


その行きたい場所を一つ一つ


その由来的な事を何度も話している事を僕は


再び聞いてきます…聞きながらどこか私の反応


を伺っているような気配がする…


もう僕も16才  もう色々分かる年頃だよね


何故 母が神戸に行きたくなかったのか?


その本当の理由を今回の旅で話そうと思っていた


から そうだな神戸に入る前に話しとこうか…


大雨の高速道路 旅が嬉しくてハイテンションな


僕との楽しい会話の中 僕が本当に聞きたい事を


話しました。


お母さんが神戸に住んでいたのは震災前だった


震災で大切な場所も人も無くした


震災前には 姉が亡くなった その亡くなり方は


私達遺された人達が納得いくものじゃなかったね


「うん お母さん達は自殺じゃ無いって信じて

るんだよね」


そうだね 一般的には痴話喧嘩の果てに


高層マンションからの転落死 いわゆる自殺だ 


けど私達遺族は痴話喧嘩の相手 


姉が同棲していた彼に殺されたそう思っている 


ベランダにくっきり外側からついていた


姉の手形が何よりの証拠だった


けど…死人に口無し 酷い暴力の跡が残っていた


のに事件として立件することが出来なかった


そのへんの詳しい話しはもうしたよね


お母さん達家族に起きた悲しくて悔しくて堪らない


そして忘れられない事件だったね


その後 震災がおき神戸の街は変わっていく


姉が亡くなった事と変わっていく街が合わさって


思い出したくない 思い出すのがつらい街になり


行きたく無いと君に母は言ったと思う けどね


本当は微妙に違うんだよ それが証拠に震災後 


数年 お父さんと結婚してからも母は神戸に


良く行ったし 結婚しなかったら神戸に戻ろうと


すら思ってたりしたんだ 矛盾してるでしょ? 


お母さんは神戸の街が大好きだったから


震災後 どんどん変わる街が悲しかったのは


確かだよ もうお母さんが知ってる街じゃない


思い出がなくなったとも思ったよ けど


母が神戸に行きたくなくなった本当の理由はね


神戸に行くと必ず出逢う人達がいたからだよ


姉を亡くす前のお母さんとばあちゃんを知って


いる人達が神戸にはいる その中でもね


姉の友人達 姉亡き後 姉代わりになってくれた


その人達と逢う事がどんどん どんどん母は


辛くなってね…何故だと思う?


逢うと どうしても母は聞きたくなるんだ


聞きたく無い もう絶対に聞かないと心に誓うのに


逢うと 固く誓ったはずの誓いなんか忘れて


聞いてしまうんだ………姉を殺した奴の消息を…


「奴は今 何をしてる?知ってる?」ってね。


そして聞くと怒りと憎しみに心が支配される


姉は死んだのに 殺したアイツは生きている


不幸だろうが幸せだろうが関係ないんだよ


生きている事が お母さんにはどうしても納得


いかない 許すことが出来なかったのね


そんな自分が堪らなく 大嫌いだったんだ


なら聞かなきゃいいのにね…そう思うのに


お母さんはその衝動を自力では止められなかった


何処にもぶつけられないその感情を夜の神戸の


街で母は発散させて地元に帰る その繰り返し


その事に段々と母は耐えられなくなったんだよ


心が怒りと憎しみに支配されるのは モノ凄く


エネルギーを消耗する何年も何回もそう繰り返し


母の心はクタクタになってしまったの


けど自分では 止める事が出来なかった


ばあちゃんも一緒 彼女達が姉を忘れずにいて


くれれば くれるほど苦しいんだよ…


ばあちゃんにしてみれば 我が子の時は止まった


まま けど彼女達の時は進んでゆく母親にとって


これほど辛い事は無い なんとも言えない複雑な


感情を抱えていたんだよ だから母とばあちゃん


は彼女達との交流を断ち切る事にした


自力で止められないから 物理的に止める事にした


姉が亡くなって20年が経ってた 


お母さん達のその部分の時間はあの日からずっと


止まったままだったんだ


神戸の街を見ると 彼女達に逢うと


前を向いて進んでいるつもりなのに 簡単に当時


に引き戻されてしまう 何度も何度もあの日


姉が亡くなった日からの1週間がリアルに昨日の


ように脳内でリフレインする………


スタートはいつも深夜の電話の音からだ


電話を取ったばあちゃんごしに聞こえる奴の声


「○○が飛んだ!お母さん○○が飛んだんだ!」


そして ばあちゃんの切り裂くような絶叫から


お母さんのリフレインはスタートする そして


最後もいつも一緒なんだよ


目の前に傷ついた顔して涙を流す奴の顔がある


そのくせ初七日が過ぎたら2度と顔を見せる事も


連絡してくる事も無かった 


のうのうと軽口を叩き喋る助手席のアイツとの


短いドライブ 法事が終わって神戸に帰る為に


駅までお母さんが送ったんだ 事故に見せかけて


一緒に死ぬつもりだった殺してやりたかったから


あの時のハンドルを握る自分の手の感覚


アクセルを踏む足の感覚 見えた景色


頭の中 心の中でした押し問答


駅について ありがとうって笑ったアイツの顔


姿が見えなくなって なんとも言えない感情に


ただ ただ 震えて大泣きした事


死ねなかった 考えたのに そうしたかった


のに遺される家族を想うと どうしても母は


一歩踏み出せなかった あの1週間の葛藤を母は


何度も何度も何百回もリアルに昨日のように


母は追体験する つらかった


その記憶と一緒に姉が亡くなって悲しんだ人達の


顔や壊れてゆくばあちゃんとの日々も思い出す


もう耐えられない そう思って見たくないものを


お母さんとばあちゃんは封印することにした 


リフレインの 引き金になる人達を断ち切った


もう前に進もうってね 誰も悪くないんだよ


生きる為には 前を向く為には必要な事だった


お母さんは結婚して君が産まれていた 


結婚式の写真には だから写ってたでしょ?


君は覚えいないけど幼い頃にお母さんの姉代わり


になってくれた その人達に何度か逢ってるよ 


けど 母はもう前が向きたかった君を育てながら


過去には戻りたく無い そう思ったんだ


だから神戸の人達との縁を全て断ち切った


けど断ち切った人達へ申し訳ない気持ちが母には


あって 後ろめたさをずっと持ってたんだよ


母が神戸に行きたくなかったのは そんな弱い


自分を認めたくなかった そんな怒りと憎しみ


に支配された自分にもうなりたくなかったし


思い出したくなかった だから神戸を避けた


今君にこれを話すのは もう君も分かるように


なったと思うから話したんだよ。


もう断ち切って10年近くなる もう良い頃合いだ


人間は弱い 醜くもある けど成長もするよ


君に散々過去を掘るだけ掘り返されてね


母は随分と 過去を消化することが出来たよ


姉の事件はお母さん達家族が破綻していた流れ


から起きた事だった防ぐ道は無数にあった 


誰の所為でもない けど防ぎきれないものだった


そうこの10年をかけて心を整理する事が出来た


もうお母さんは何を誰から聞いても怒りと憎しみ


に支配される事は無い その自信がついたから 


そんな過去の醜くて弱い自分も認められたから 


もう大丈夫だと言ったんだよ


君が母の過去に拘ったおかげで 母は好きだった


神戸に再び行く事が出来るよ ありがとうね


だからね もう母のその部分は気にせずに


楽しかった過去の方を君は体験したら良い


幼い母が大好きになった街を体験したらいい


神戸は良い街だよ 行けばきっと君にも分かる


地元の人間は観光地には行かないもんだ


母も仕事ばかりしてたから観光は初めてだよ


いっぱい楽しもうね! そんな話しも道中した


もうこんな話しも理解できる迄に僕は成長した


「お母さん 話してくれて ありがとう


僕はいっぱい お母さんを傷つけたんだなぁ


思い出したくない事を僕はずっと思い出してよ!


って言っちゃて ごめんなさい お母さんは


いつも辛そうな顔をしながらも話してくれたから


どうして そんなにつらそうなのか 僕はどうし


ても知りたかったんだ 教えてくれてありがとう


本当にお母さん大丈夫?」


「大丈夫だって言ったら大丈夫だよ


ꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラwww  心配のし過ぎだよ


あのね 君 謝る必要も無いんだよ お母さんは


君に感謝してるよ たぶんこれは今の君には


分からないだろうけど 一つ教えておくよ


人間は様々な傷を心に持って生きている


その傷に無闇に触ると君自身が傷つくことになる


ってのは何度も君に注意したから分かってるね?


傷には触らない方がいい それは確かだよ


けど傷はほっとくと膿むんだよ


だからタイミングを見計らって膿を出す必要が


ある それをするには覚悟がいる


ここ迄は お母さんも若い頃に分かってた事ね


だから 度々お母さんは自力で膿を出してた


君に散々 色々な過去を掘られて確かに辛かった


だって お母さんにその覚悟が出来てなかったし


タイミングなんて関係ナシに何回もひつこく


君突っ込んでくるからさ そりゃ  たまらんよ


しんどいわい (*≧m≦*)プププ


けど君に悪気が一切無いことは分かってたから


全てを君には話してきたよ でね気がついたの


人間が抱える傷は繰り返し人間に話すことによって


綺麗に塞がるんだって事に気がついたよ


カウンセラーが何故必要なのか?やっと母は


君との長年のやり取りで分かった気がする


この感覚は もう少し君が人生を生きたら理解


出来るようになると思うよ。


君は今 母を自分は傷つけたと言ったね?


それは違う 君との長年のやり取りは母は君って


カウンセラーにかかっていたようなものだった


ような気がしてるよ


だから君は母を傷つけたりしていないよ


君は母の無数にある傷を癒したんだよ


傷つけたんじゃない 癒したんだ本当だよ。


ただね これは 君とお母さんだから出来た事


お母さんは君に全ての傷を隠すことなく見せた


人間が何に傷つき どう傷を抱え どう生きるか


君は分かったはずだよ 人が抱える傷に無闇に


無責任に好奇心だけで触ってはいけないと心底


キチンと理解したから


君は今 母に謝ったんだよね?


今君が感じた感覚 感情を忘れないでね


これから君が出逢う 沢山の人達に活かすんだよ


お母さんは これを君に教えたかった


時間がかかったけど 伝わって良かったよ


お母さんが生きた人生を通して君に様々な事


を教えたかったから一切隠すことなく話して


きたんだよ 人の命は等しく尊いものだ


どんな人間にも生きてきた過去があり生きる


価値があるもんなんだよ 無価値な人間なんか


この世には存在しないし どれだけ孤独を感じて


も人間は1人じゃ生きられない のに生きている


息をしてるって事はね 知らず知らずに


誰かの手で生かされているって事なんだよ


それに気づける 感謝できる人になってね


自分の命を軽く扱う事は そんな誰かすら軽く扱う


事となる 人はそれぞれ何かしら役割を担ってる


自分が生きることは誰かを生かすことに繋がって


いたりする 例えば母が死ななかったから


君は生まれ 今生き 母と2人旅に出ているよね


そうゆう事だ 


そんな ちと重い話しを僕としました


長々と書き綴りました この道中の僕との会話を


端折るつもりだったんだけど 大切な事


この旅を通して僕に伝えたかった事はこの会話


抜きだと伝わらないと思うので書き残します


そんなこんな話しをしながら 大雨の中


久しぶりの長時間の運転にも神経使いながら


やっと神戸に到着しました


神戸の街に着いて 僕の第一声は


気持ち悪い…空が見えない」

でしたよꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラwww


高層ビルが立ち並び 空が切り取られてるように


僕には見えて 気持ち悪いらしいです


僕のその感性 その目には私が生きた街は


どう映るのだろう? 楽しみだなぁって感じた


神戸入りとなりましたよ。