人は独りでは生きられないが、常に独りである。
独りではいられないが、独りでしかいられない。
人の心は、窓の付いた真空のようなもので、
ひとたび窓が開かれれば、貪欲に外気を取り込もうとする。
だが、いつまで経っても満たされることはない。決してない。
故に、我々に残された唯一の抵抗策は、その虚空を認識することだ。
人は死ぬまで独りであり、死んでも独りである。
何者もその隙間を埋めることは出来ない。永遠の零である。
その真理を受け入れず、苦しみに生きがいを見出すのは愚かである。
正しい認識を受け入れたとき、人は生きることに苦しまなくなる。
さあ、苦しみを捨てよ。ただ独りで歩め。生きることは、とてもたやすい。