電子帳簿保存法改正のポイントと企業が注意すべき点とは?
電子帳簿保存法については、国税関係帳簿や国税関係書類について、一定の要件のもと従来は紙で保存しなければならなかった書類を電子的に保存することを認めるための制度です。
電子帳簿保存法の対象書類
電子帳簿保存法では、以下の帳簿や書類を電子的に保存することが認められています。
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帳簿類 |
仕訳帳、現金出納帳、売上帳、売掛金元帳、仕入帳、買掛金元帳、固定資産台帳 |
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決算関係書類 |
棚卸表、貸借対照表、損益計算書 |
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その他書類 |
契約書、領収書、預り証、預金通帳、手形類、見積書、請求書など |
所得税および法人税を納税する企業が電子取引を行った場合、取引データである電磁的記録を保存しておく必要があります。
電子取引のデータ保存にあたっては同法が定める要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法改正のポイント
電子帳簿保存法は、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について一定の要件を満たした上で電磁的記録(電子データ)による保存を可能とすること、および電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律です。
電子帳簿保存法上、電磁的記録による保存は、大きく図内右の3種類(①電子帳簿等保存、②スキャナ保存、③電子取引)に区分されています。
今回大きく見直しされたポイントは以下の 5 点で大きな改正のポイントは「電子データ保存要件の大幅な緩和」と「電子的に受領したデータの電子保管の厳格化」です。
【ポイント1】事前承認制度の廃止
【ポイント2】タイムスタンプ要件の緩和
タイムスタンプは、電子データが作成された日時を証明するものです。タイムスタンプが付与された電子データがそれ以降改ざんされていないことを証明することができますが、この要件が一部緩和されています。
スキャナで読み取った際の署名が不要となり、タイムスタンプの付与期間が最長 2 カ月に延長され、電子データの修正・削除をしたことをログに残せるシステムで、時刻認証機能を備えたクラウドサービス等での保存が可能となる。
【ポイント3】スキャナ保存における適正事務処理要件の廃止
【ポイント4】検索要件の緩和
帳簿を電子データで保存する際は、必要なデータを閲覧できるように、検索要件ではシステムに検索機能を確保する必要がありましたが、この要件が緩和されています。
検索要件が、「年月日」「金額」「取引先」の 3 つの条件に削減され、税務署からの電子データのダウンロードの要請に対応できるようにしている場合は、範囲指定や項目を組み合わせて設定する機能の確保が不要になった。
【ポイント5】電子取引データの厳格な保存
電子データによる取引においては、書面を印刷して保存することすることが廃止されるため、必ず電子データとして保管することが必要になります。
この要件も、改正電子帳簿保存法が施行される 2022 年 1 月 1 日以降は法令で定めた要件に従ってデータ保存することが必要です。
例えば、電子メールの添付ファイルで受領した請求書などを印刷し、紙で社内決裁を行い紙で保存するという運用をされている場合には、運用の見直しを検討する必要があります。
(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
(出典)e-Gov 法令検索「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律
電子帳簿保存法改正における注意点
電子帳簿保存法の改正により大幅に要件が緩和され、多くの企業・組織で電子データの保存が進むことが予想されます。
電子化によって注意が必要なこととしては、データの改ざんや隠ぺいなど不正行為に対する厳しい措置があります。
具体的にはスキャナーで読み取った電子データや電子取引のデータを改ざん、隠ぺいなどをして税を逃れるために不正な申告をした場合、通常課される 35% の税の額に 10% がさらに加重されます。
電子取引データにはタイムスタンプの付与、訂正や削除履歴をシステム上で確認できるよう「真実性の確保」をすることが重要です。
自社独自でシステム開発するには負荷が大きくなるため、請求書管理サービスや帳票管理サービスなどの対策が取られたクラウドサービスの利用を検討しましょう。
電子帳簿保存法の改正について解説しましたが、所得税および法人税を納税する企業が電子取引を行った場合、取引データである電磁的記録を保存しておく必要があります。
働き方改革や業務効率化を行うためには、帳簿の電子保管は重要で電子データの真実性を確保するために、社内規程による人的な対応のみではなく、タイムスタンプの付与が最適ではないかと思います。
太陽会計税理士法人
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