高知研修ツアー3日目です。
3日目の最終日も晴天です!
午前は尾崎製紙所へお伺いしました。片岡久直様は懇親会にもいらっしゃってくださいましたので、その際にも様々なお話をお聞きしました。
工房から見る景色は最高でした。山の斜面に位置する工房はこだわりと驚きの連続です。
紙漉き場では、ちょうど三椏紙を漉いていました。目の前で見る職人さんの仕事ぶりは迫力があり圧倒されました!原料を蒸す大きな釜、そしてこだわりの晒し場へ移動。晒し場は谷の水を引いて杉の葉で濾過し、その中に原料が晒してあります。なんともこの風景は美しかったです。
原料の水晒し(向かって右から二番目が四代目片岡あかり様、右奥が片岡久直様)
次に、道を登って紙干し場へ移動しました。元来、紙漉きの多くは女性が、紙干しは男性が行っていたものらしく、現在も久直様と三代目孝次郎様の仕事場だそうです。自作の刷毛(撫刷毛)がいくつも並び、日々技術の鍛錬継承をしているとのお話をいただきました。
紙干し場へ向かう途中の工房が一望できるフォトスポット
アンテナショップのKaji-Houseもお伺いしました。地場産業商品や和紙も購入することができます。参加者の紙に対するお買い物意欲は健在!
尾崎製紙所の皆様、ありがとうございました。
お昼は、佐川町に寄って文化財指定にもなっている「名教館」にてお弁当をいただきました。周辺をぶらぶら散歩しつつ、多くの政治家や学者を輩出した佐川の歴史を学びながら、素敵なお昼を満喫しました。
名教館(めいこうかん)
午後は、いの町紙の博物館です。午前からご同行くださっていた館長の濱田美穂様と一宮様とともに戻ってまいりました。ツアー最後の見学先です。
講義は、池典泰先生(いの町紙の博物館非常勤専門職,員、高知県立紙産業技術センター元所長)による「高知県の紙産業史について」です。土佐和紙の歴史から、その特徴、紙産業で活躍された方々、近年の紙産業の現状などを学びました。
講義の後に手漉き体験に参加しました。木枠は小さめですが、繊維と“ねり”が合わさった水は重く、皆さん驚いている様子でした。
池典泰先生による講義
手漉き体験(溜め漉き)、見学終了時、乾いたハガキサイズの和紙が手元に届きました。
館内の見学では、池先生が展示の説明をしてくださいました。貴重な植物原料や関連道具がならび、初めて見るものが多くありました。漉き手さんもさることながら、道具を作製する職人さんの後継者がいないことが問題です。そして、なるほどと感じた展示が、「原料から紙への歩留まり表」―5,500グラムの楮の原木からできる紙は、障子紙一本分。重さにして原木の4%しか残らない― 高いと感じる和紙ですが、これを聞くと紙というものの価値が実感できます!
3日目も、バスでめぐり高知の気候や土地を感じながら、紙産業について学ぶことができました。
ご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
【予告】
当機構実践コース4回目は、2月7~8日の「茨城楮生産現場体験学習」です。
専用HP(https://npojcp.wixsite.com/seminar2018)では詳細や申込用紙などがダウンロードできます。
皆様の参加をお待ちしております。