平成30 年度「文化財保存修復を目指す人のための実践コース」4回目は、和紙の原料である大子那須楮の産地、茨城県を訪ねました。
今年度のセミナーも最終回を迎え、2月の寒い時期にもかかわらず12名の受講者が集まってくれました。
2月7日~8日(一泊二日)の茨城楮生産現場体験学習の模様をお伝えします。
初日は、大子那須楮保存会会長の齋藤邦彦様にお世話になりました。
齋藤様方の畑で楮の刈り取り、蒸し上がったものから剥皮作業、表皮取りと2班に分かれて交互に行っていきました。
ご近所の皆さんと協力しながら、この時期に行っているそうです。
齋藤様に楮刈りの基本(株の生育特徴、鎌や高枝切り鋏を入れる位置など)を説明いただき、協力して刈ります。
同時進行で、窯のある場所では、75センチくらいに切り揃えられて束になった楮が蒸し上がり次第、皮を剥いでいきます。布で保温しながら冷めないうちに素早く剥いていきます。
刈り取り
蒸し作業
剥皮作業
刈り取りと剥皮作業は、なんとかお手伝いとして様になるようになりましたが、小刀を用いて行う表皮取りは慣れとコツが必要なので、受講者は興味津々ながらも四苦八苦…奥様の齋藤眞佐子様が丁寧に教えてくださいました。奥様の手捌きが凄い!
表皮取り
楮刈りの体験を通して、かなりの重労働であり且つ寒い冬の中での作業、なかなか大量生産とはいきません。齋藤様は現在、大子那須楮でないと!という職人さんにのみ楮を提供しているとのことです。
大子那須楮生産の今後についても、お話を伺いました。
今日はNHKさんの取材が入っており、齋藤様方の剥皮作業や蒸し作業など撮影されていました。毎週日曜朝8時「小さな旅」で3月10日に放映されるようです。皆さん是非ご覧ください!