なんか最近、ずっとプログレに傾いてました。
流石にすこし食傷気味になってしまいメロディアスで重めなのが聞きたくなりました。MR.BIGでもない・・・AEROも違う・・・と選んでいたらもの凄く久しぶりにこいつをチョイス。
COVERDALE・PAGE (COVERDALE・PAGE)
バンド名もアルバムタイトルも邦題も全部『カヴァーデイル・ペイジ』。
じっくりと聞き込んでなかった、というかやや避けていたので、久々に聞いてみて驚きました。
先入観無しで聞いたら凄く良いんです。
キャプテン・アメリカはレッド・ツェッペリンが一番好きなバンドと公言してます。本当は同じくらい好きなバンドは一杯あるんですけど、あまり知られていないのが多いので、好きなバンドを聞かれた時は何も考えずにZEPと答えるようにしてます。でも、とにかくZEPは大好きなので、カヴァペはちょっとなあ・・・と言うのが正直な感想でした。
このアルバムはZEPファンやパープルファンからは認められていない事が多いのですが・・・そういう先入観を抜いて普通の一アルバムと考えると質は高いですね。
ところで、何故このアルバムがマニアから酷評されたのかと言うとイロんな人の思惑が入り込み過ぎていて、リリース当初に正当に評価をされなかったんだと思う。
まずCDの帯には『ロック史上稀に見る巨大プロジェクト、遂に浮上』と書いてあるし、TVCMでは確か『ツェッペリンとパープルの融合。ロック史上最大のプロジェクト』とか謳ってたはず。
確かに当時(93年)は話題騒然でしたよね。
元ZEPのギタリストと元パープルのVo.が組むなんて有り得ない事ですからね。
しかしZEPマニアと呼ばれる人間からすると、ホワイトスネイクのサーペンスアルバムはZEPのパクリだと信じていて、カヴァーデイルはプラント(ZEPのVo.)の猿真似している美容整形野郎で、このカヴァペにしろ白蛇が解散した後、ゲフィンとの契約上もう一枚アルバムをリリースしないといけないから作ったアルバムに過ぎないと捉えている人も多い。
確かに、これは事実。
『炎』にそう書いてあったから(笑)。
正直キャプテン・アメリカもカヴァーデイルは好きではない。
ZEP好きの偏見が入っているかもしれないけど、発音がキャッチし難いので何言ってるのか判り難いし、サイクスも好きなもので、サイクスを解雇した頃の話もヤラシく感じる。
一方のパープルマニアからすれば、パープルの頃に比べればカヴァーデイルがパワーに欠けるし、なんと言ってもパープルのカラーが殆ど出ていないので論外という事になる。
ZEPファンからすれば『なんでカヴァーデイルがVoなんだ!』だし、パープルファンからすれば『こんなのカヴァーデイルじゃない!』ってところ。そして、当事者のペイジの思惑としてはハニードリッパーズはともかくザ・ファームまでもが成功に至らなかった事でやはりZEPを再結成したくてウズウズしていたが、プラントが中々首を縦に振らないので、モヤモヤしていたところカヴァーデイルが何かモゾモゾしていたので、まずはプラントもどきのカヴァーデイルでZEP再結成の実験をしてやろうと思ったに違いない。
ペイジにとっては完全に『カヴァーデイル・ペイジ』はZEP再結成前の実験+プラントへのアピールでしょう。
だから、1枚で終わり。
プラントがその気になった途端、日本でツアーしただけでバンド解散。
噂では、アルバム収録中から既に『ペイジ・プラント』の準備をしていたらしいし、カヴァーデイルの落胆振りは相当なものだったらしい。
まあ、そんなこんなで裏方がモゾモゾしているアルバムで異常に期待しているファンも居れば、最初っから認めていないファンも居たわけで、出る前から賛否両論。
確か当時のBURRN!誌の評価はとても高かったと思うけど、当時は興醒めしてた人が多いんじゃないだろうか。だからセールスでは瞬間的に上位にランクされペイジとしてはZEP解散後では最高を記録したけどすぐに失速した。
ハナっから認めていない人が多く、異常に期待していたファンからしても、このアルバムはZEPとパープルの融合を期待したのでしょう。が、フタを開ければ完全に白蛇+ZEP的な音で、様式美も少ないのでパープルファンは幻滅。
逆に白蛇のファンは喜んだかもしれないが・・・。
てなわけで、要するにこのプロジェクトに対してのキャプテン・アメリカを始めZEP派からしても、パープル派としても印象はリリース前からとても悪く、一聴して『ほ~らやっぱり駄目だ』という感じで、お蔵入りになったんだと思う。
人間と一緒で第一印象って音楽でも重要だもの。
ところが、そういう先入観が失くなってから改めて聞き入ってみると凄く良いんですよ。
嫌いだったカヴァーデイルは見事にプラントの猿真似ができてるし(笑)、逆に『ペイジ・プラント』と比較したらカヴァーデイルの方が往年のプラントっぽいから、先入観が無ければ白蛇っぽいZEPのニューアルバムと言っても良いぐらいの質。確かマサ伊藤も『90年代のZEPの音』というような評価をしてたんじゃなかったっけ?
純粋にこのアルバムをレヴューすると、ペイジがリフメイカーとしての面目躍如したと言える程、ペイジ的なリフが随所で聞かれ、これに関してははっきり言って最高です。
"Shake my tree"のイントロのリフはジミー・ペイジここに有りという存在感たっぷり。しかもプレイも全盛期のそれに近く、ギターを聞くだけですぐにペイジと解る音の下品さ(!)もはっきりと現われている。音の厚みも充分にありペイジの変態的下手ウマ振りは健在。そして7曲目まではまさにZEP的な曲作りを踏襲しており、カヴァーデイルなりにプラントを解釈して巧みに猿真似をしている(笑)。でもワイルドさは完全にプラントを凌駕してる。これは認めよう。
そして8曲目以降は雰囲気を大きく変えて白蛇カラーが出始める。レコード的に言えばA面はペイジカラーが強くB面はカヴァーデイルの色を出したというような雰囲気かなあ。
確かに楽曲の質は高い。そんじょそこらのバンドでは簡単には書けないレベルに結実しては居るけど、ただ『紫の炎』や『フォーシンボルズ(LED ZEPPELIN Ⅳ)』というロック史に燦然と輝くアルバムを生み出した二人の作品にしては凡庸という感は否めない。
その辺もこのアルバムの過小評価に繋がってるんでしょう。
それにしてもこのバンドは1枚で終って欲しくなかった。
2枚目・3枚目と続いていたとして、二人のケミストリーが融合してきたとしたらどんなバンドになっていたんだろうと考えてしまう。少なくともこのアルバムは『ペイジ・プラント』より好きになってしまった。
No Quarter (JimmyPage・RobertPlant)
予想を大きく覆して『ペイジ・プラント』のアルバムは、あえて"UnLEDed(LED ZEPPELINじゃないよ)"という意味を付け、音楽性は中近東のスケールを取り入れてアレンジを斬新に変えてリリースされた。
もともとペイジもプラントも中近東の音階に影響を受けていたのは確かだが、それにしても良い意味でも悪い意味でもZEPファンを裏切ったのは、もしかしてカヴァペをやってはみたが、思ったとおりの成功を得られなかった事でまたもやZEP的手法を封印したのかもしれない。
もしも本当にそうだとしたらカヴァペはZEP的手法で書かれた最後のアルバムという事で、ペイジはリアルにドラえもんになっちゃったって事だよな。
やはりZEPが絡んでくると想いがこもってしまってキーボードを打つ指が止まらなくなってしまう。長々と書きましたが間違いなくZEP時代のペイジは稀代のメロディメイカーでしたよ(70年代のパガニーニと呼ばれてた・・・でも、それって微妙だな)。
キャプテン・アメリカはあなたが今迄に書いてくれた珠玉の名曲の数々が有れば充分ですので、クラプトンのように自分の経歴を自分で汚すような事だけは止めて下さいね。
さ、今日は"Presence"聞こっ♪

