189. 2015 京都 1 | BACKUP 2024

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備忘録

 

 

 

豆腐料理を食す。木屋町三条上ル、路地の奥に入り口がある。
昔から好きだった高瀬川沿いの風情。散歩するなら早朝だと思った。夜も悪くはないが、なにしろ連休で人が多すぎた。我々も人様からそのように見られているのだろう。
とにかく歩いた歩いた。毎日三万歩いた。

 

 

 

 

 

 

豆水楼の裏側は鴨川に面しており、川床になっている。二か月前から予約していた。どんどん混んで来て、川床が満席になった。でも店内には半分しか客が入らない。連休なのにどうしてだろう。やがて理由が判明する。
「もしも雨が降って来たらどうするんですか」
店員さんに聞いてみたのである。全員店内に撤収するそうだ。そりゃそうだろうな。なるほど、それで判った。川床の客を収容出来るように、その分店内を空けてあるのだ。この日はほぼ快晴で、降雨確率限りなくゼロに近かった。それでも準備を怠らない。感心した。

 

 

 

 

 

 

食事を終え、行き交う人を避けながら四条通まで歩く。高瀬川の水位浅く、流れが早い。だから余計に水が澄んで見える。川面に映る街の灯り。特に女性に好まれる、効果的で低コストな観光資源だ。

 

 

 

 

 

 

途中で娘が「もう一杯飲もう」と言い出し、そうかと目の前の店に入る。客はおらず、店主と話がはずむ。「ぐじ」の塩焼きに冷酒。全開の窓を抜け心地良いそよ風が店を通ってゆく。
風が描いた秋の始まり。上手く書いてねって言ったのに。いつもちっとも似てないの。窓の下には高瀬川。
気が付けば店主、隣で一緒に飲んでいる。京の夜が更けていった。