お節料理 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

地震で目覚めてうつらうつらし、それから夢を見続けてた今朝は7時半に起きた。長く見続けとったと思い、ネットで調べたら地震は3時24分やったが、4時間程も夢見続けとったんやろか?

風呂に小一時間入って、今年最も留意せなならん米国の大統領選挙と米中の覇権争いの行方考えとった。

元日二日と餅ばかり食うとったんで、朝食は北海道産ななつぼしでご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳。デザートは青森産りんご。

「皇貴妃の宮廷」第31話をギャオで見た。

リッチー・コールのアルバム「ハリウッド・マッドネス」をレコードで聴いたが、正月ぽく賑やかでええ。

昼食はカナダ産豚肉、千葉産人参、新潟産舞茸を炒め、ご飯と食うた。

今年最初の散歩は上野御徒町。肌着買うて帰宅。

筋トレ30分した。

グレープフルーツジュース飲みながらドナルド・バードのアルバム「エレクトリック・バード」をレコードで聴いた。

A山さんと根岸「クレア」に行って食事楽しみながらカバ、赤ワイン飲んだ。店は満席やったがな。

 

 

まだ松の内の週末の昼食時、訪ねたEみさんに「明けまして御目出とうござる」と挨拶して玄関の中に入ったら、白いセーター着たRちゃんが居った。

彼女とも新年の挨拶を交わして、それぞれ炬燵に入った。

炬燵の台の上にはお節料理が並べてあって、ふたりは食うとった様子や。

「正月休みはこうして家の炬燵に入りお節料理摘みのんびりがええわな」

「冬の温泉旅行には懲りたしねぇ」

「お前様は寒がりやからな」

「Rちゃんがその数の子と蒲鉾にビールを持って来てくれたんだぁ」

「その栗きんとんはお前様の手づくりか?」

「デパートで買ったのさ」

「美味しいですよ。高級品なんです」とRちゃん。

「そう云えば、去年も栗きんとんとは思えぬ高価なもん買うとったなあ」

「去年とは違う物だょ。栗きんとんだったら何でも嬉しいS吉の舌に味の違い分かるかなぁ」

「それ、上から目線や」

「そっちの煮物は手づくりだょ」

「美味しいです。料理上手になってますね」とRちゃん、Eみさん見て微笑んだ。

「上達しとる。ところでワテの箸はどこかなあ」

Eみさん、食器棚の方を指差して云うた。「自分で用意するんだね」

{炬燵に入る前に云うて欲しいもんや}と思いつつ立った。

出した箸を持ち、また炬燵に入ろうとしたら、ふたりが肩寄せて小声で話しとるやないかい。

「Rちゃん、何こそこそ話しとるの?」

「どうしてEみに聞かないの?」

「お前様に尋ねてもはぐらかすだけやからな。素直なRちゃんなら答えてくれるさかい」

「答えるよ~」と云い、「君の云い方、Eみが素直じゃないみたいに聞こえるね」語尾強かった。

{素直には程遠いやろ}と思いつつ、そこには触れなかった。正月早々喧嘩は避けたかったさかい。

「ほなEみちゃん、何話しとったの?」

「S吉が能ある鷹は爪を隠すを、能ある蛸は吸盤を隠すって云った事」

Rちゃん笑うて、ワテに問うた。「それってどうやって隠すんですか?」

{多分違う話しとったな}と思いながら呟いた。「不穏な展開やな」

「説明しなょ」と腕組んだEみさん。

Rちゃんの顔色窺いながら云うた。「フツーの蛸には出来ぬけど、稀に吸盤を隠す事が出来る能力ある蛸が居るんですわ。蛸と分からんようにすれば、人間様に捕まえられず食われんやろ」

「ホラ吹きでしょ~、それもおバカな」

Rちゃん更に笑うて、「S吉さん、なぜそんな事云ったんですか?」

「ちょっち複雑な訳があって」

「単純さ。蛸の足、一人で全部食べちゃったんだから。その苦しい言い訳なんだね」

「蛸の足?」

「そうさ、Eみが一所懸命につくった煮物のね」と云うて、箸で数の子摘み口に運んだ。

Eみさんはワテを睨み、そして云い足した。「大きな蛸だったんだよ~それなのに、それなのに」

小芝居好きなEみさん、手で顔を覆ってウソ泣きの仕草に入ったがな。予想通り不穏な雲行きや。

「S吉さんが蛸、全部食べちゃったんですか?」

「でも認めようとしないんだね。酷いでしょ」

「煮蛸の足食うたのは認めます」

「やっと白状したょ。今迄認めなかったんだから」手指の隙間から眼覗かせたお方が云うた。

「でもワテが食うたのイボイボ足だけやろ。もっと頭がようなるように頭部はお前様にあげたやろ」

「足と頭では食感が違うでしょ。足も食べたいの」

「悪しからず」

「駄洒落要らない」云うて、EみさんはRちゃんに顔向けた。「S吉を叱ってよ~」