『総理』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起きたが、鼻詰まりしとってくしゃみ3連発出た。昨夜は電車利用し帰宅んやが、冷房にやられたに違いない。

風呂に小一時間浸り考えとった。韓国が北朝鮮と中国としとった朝鮮戦争は現在休戦中やが、文在寅政権はどこの国と戦っとるつもりなんやろ。そんな文在寅政権やさかい我が国を友好国なんぞとは少しも思うとらんのに、我が国にホワイト国外され云々とは図々しいでえ。まずは信頼関係得られる事せいちゅうの。

朝食は北海道産ななつぼしでご飯炊いて、くめ納豆、海苔で二膳。デザートは茨城産アンデスメロン1/4。

「絢爛たる一族 ~華と乱~」第31話と第32話をギャオで見た。

昼食は初めて日暮里「キッチン フォーク」に入ってみた。注文したくのは限定3食のサイコロステーキ定食。サラダ、ピクルス、ライス、スープが付き1280円也。

スーパーで食料買うて、郵便局に寄っとると眠気に襲われ、近くの公園のベンチに腰掛けて昼寝。

帰宅後、筋トレ30分し、グレープフルーツジュース飲みながらアート・ブレイキー&ジャズ・ メッセンジャーズのアルバム「ミート・ユー・アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド」をレコードで聴いた。

蒸し暑いが、衣料品店へ靴下買いに行って戻って、バニラアイス食うた。

 

 

先週、南千住図書館でノンフィクションもんを読もうと棚を見てたら、『総理』ちゅう文庫があった。作者が山口敬之とあって、その名前にピンと来るもんあり、手に取り目次を見たら、第四章に興味湧き読み出したんや。首相安倍晋三は外交好きや。先月中旬もイランへ行ってハメネイ最高指導者とローハニ大統領と会談したが、訪問の成果らしきもん無く帰って来た。しかも、その訪問時を狙って仕掛けかの如き日本国籍のタンカー襲撃や。軽んじられとるとしか思われん。そんな安倍晋三がほんまにバラク・オバマを追い詰めたんかいな?

総理ちゅうのは、ベタな駄洒落アイムソーリやあらしません。ここでの総理は安倍晋三。

表紙ちゅうのが、安倍晋三総理が親父晋太郎の写真立てある執務室らしい所で電話しとる写真なんや。こないな写真を表紙に使える事からも現総理と著者の仲が知れよう。ちゅう事は、ワテのような安倍晋三批判続ける者の中にはそんな者を読者として遠ざけ、シンパに読んでもらうのあからさまやなと思うもんも居よう。

著者山口敬之は、安倍晋三に山ちゃんと呼ばれる仲で、週刊新潮によれば“安倍ベッタリ”表現されとるジャーナリスト名乗るもんなんやが、ここは予見と偏見を抜き、プロパガンダと思わず、読んでみましたがな。

さて、この本は事の経緯を明らかにしとるのかどうか。

構成は下記の通りですわ。

まえがき

第一章 首相辞任のスクープ

第二章 再出馬の決断――盟友の死、震災、軍師菅義偉

第三章 消費税をめぐる攻防――麻生太郎と真剣勝負

第四章 安倍外交――オバマを追い詰めた安倍の意地

第五章 新宰相論安倍を倒すのは誰か

あとがきにかえて

著者は書いとる。「取材対象との距離が近い=不適切という類の批判には私は断固反対する」「政治家に近すぎると言われるが、深く入り込まなければ政治家の実像を描くことはできない」

「政治家に肉薄すればするほど、「政権にすり寄るポチ」「政治家の太鼓持ち」などといった誹謗中傷の対象となる。」著者はそうも書いとるが、誹謗中傷されるかどうかは別にして、情報入手する為に批判控えとる内にポチや太鼓持ちになり易いわな。

懐に入り込んで、政治に携わる者の姿をワテ等に示すのも重要であるという筆者の主張を支持しよる人も居るやろ。

確かに、懐に入ってもええ。しかしながら、懐に入って相手とどない組み合うかが真っ当なジャーナリストか腰巾着かなのかを分ける。

権力者と酒酌み交わしただけで、ジャーナリスト面するのってどうよ、ともワテは思う。

「政治のど真ん中に突っ込まなければ、権力の中枢で何が起きているか見えない」と書きまんねん。突っ込むちゅうのがどういう事を意味しとるのかはよう分からんけど、ど真ん中に居続けとっては眼が眩んで見えなくなるもんもあるのに注意せなならん。

そもそもど真ん中に居続けられるちゅうのは、とりもなおさずど真ん中の連中に気に入られる行為を続けとるちゅうこっちゃ。

兎に角、斯様にまえがきから自己弁護的な文章が多いのが特徴の一つや。

それに自慢話が多いのが特徴の一つや。

感心したんは、ゴマすりの上手さ。猿リマンには参考になりまっせ。取り巻きとしての忠誠心をアッピールしたいもんは必読でっせ。

も一つ感心したんは、第三章に書かれとる消費増税を先送りしとうない財務省官僚の遣り口。結局、政財官マスコミ使い総理を説得し予定通り増税行われた。確かに著者が書いとるように官僚は頭ええんやろが、デフレを深化させたアホや。

興味湧いた第四章は、なあんだレベルや。

グローバリスト安倍晋三を保守としとるなど読んどって違和感が幾度もあったこの本やが、第五章の書き出しにある15年の野田聖子の出馬騒動が最も違和感大きかったわ。一面でしか捉えとらん。総裁選の際に安倍晋三が推薦人引き受けそうな議員に工作してその土俵へ上げなかった事実、どない考えとるんやろ。

宏池会会長岸田文雄も、野田聖子支持を完全に否定したが、推薦人集まる自分が立候補せんのはどうした事か?

候補者による議論無き総裁選なんぞ党にとってええはずがない。政党の健全化を妨げるのは議論せん事や。自由民主党の議員はそない認識が無いんか?

それに、野田聖子が20人の推薦人集められなかったの、著者が書いとる野田が国家像を示せなかったからやあらしまへん。そんな大仰なもんやなく単に野田自身や野田担いだ古賀誠の戦略の失敗や。

安倍晋三総理等の一断面は見せてくれたが、なんだかなあ。

ワテ日頃から思うとるんやが、マスコミ政治部の記者の多くは、近視眼で相手を見て、その姿正確に伝えられていないように感ずる事多い。伝書鳩役や仲介役を喜んで務めとるんやないんかと思うとる。

東京新聞望月衣塑子の件でもよう分かるが、番記者なる政治部の者共の多くは腰巾着みたいなもんで、なあなあで済まそうとしよるとか思われん。取り巻き同様なんや。社会部はちゅうと事実究明する記事書かなならん。そやさかい、政権に斬り込む社会部出身の彼女に嫉妬したやろ。

も一つ大きな違和感は、著者によれば安倍晋三の掲げる大目標は「誇りの持てる国づくり」とまとめられるそうなんやが、大きなお世話でんがな。著者が書いとる方便に過ぎない「強い経済」と「安心できる社会」さえつくってくれたら大いに満足や。

それは兎も角、ジャーナリストの方々には、エドマンド・バークの「力が大きければ大きい程濫用の危険が増す」ちゅう言葉を噛みしめて欲しいもんや。