『おそろし 三島屋変調百物語事始 凶宅』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

立春の今朝は起きたのが9時半になっとった。その前にトイレに呼ばれて2度目覚めてまた寝ましたんやけど、微熱にくしゃみ連発やし鼻水垂れるしたまったもんやないがな。昨夜、NっぺとCHIちゃんと酒飲んどったんやけど、一軒目が隙間風ピュウピュウ入り込む飯田橋の店で、客の出入り頻繁で冷たい外気入り、ワテ等の座らなならんかった場所も悪くごっつ体凍えたんや。もう辛抱たまらん他の店にしよとなって、久し振りに神楽坂「ソリッソ」へ移動。三人、温さにニンマリしたわ。

朝食はタイ産鶏肉、千葉産菜の花、長野産ぶなしめじ炒めて食うた。デザートは青森りんご。

体温めなならんと風呂に小一時間浸り、節分の恵方巻きの経済効果と売れ残っての逆効果はどうなん?と考えとった。売れ残っての廃棄は罪深いと思わんの?

石原さとみ、市川実日子、井浦新、それに薬師丸ひろ子を起用しとる「アンナチュラル」第4話をギャオで見た。

昼食に「浅草茶寮 Kuwasaru」へ行っていつもの日替わりセット食うた。刺身に本鮪、魚焼き物はヒラスズキ、煮物は大根三種、サラダ、小鉢、ご飯に吸い物が付いて1100円也。旨かった。けど、もうランチを無くすんや知らされ・・・

昨日は土曜図書館へ行けなかったんで、ゆいの森あらかわへ行って『おそろし 三島屋変調百物語事始』の第二話を読了した。

スーパーに寄って食料買うて帰宅した。

NっぺとCHIちゃんに御礼の葉書認めた。

筋トレ30分した。

夕食はタイ産鶏肉、茨城産さつま芋、フィリピン産オクラ、長野産ぶなしめじ入れたタジン鍋で蒸して食うた。デザートは福岡産あまおう苺。

「秘密のケンミンSHOW!」をギャオで見たが、秋田のみそちゃんぽん、食うてみたいなあ。

寺久保エレナ→山中千尋→大西順子→ケニー・ギャレット→ブランフォード・マルサリスとユーチューブで聴いた。

 

 

宮部みゆきの『おそろし 三島屋変調百物語事始』の第二話『凶宅』ちゅう物語を今日読了したわ。

この物語、お化けが出て来て今晩わ、ちゅうもんやあらしまへん。ポルターガイストでもあらしまへん。

三島屋の主人伊兵衛が、神田明神下に店持つ懇意の口入れ屋坊主頭の灯庵に百物語を集めるべく頼んだんですわ。酔狂な道楽を思い付いのは、姪のおちかの為でもあるようや。この伊兵衛、ええキャラクターやね。

伊兵衛は黒白の間での百物語の聞き手役に指名したおちかに云いますんや。店を閉めて自分にゆとりがある時、要領ようまとめて話を聞かせてくれと。

百物語を最初に語りにやって来た客は、おたかと名乗るすらりとした黒髪豊かで涼やかな目元にすっきりとした鼻筋した美しい女や。おちかより十程年長かと思われたもののよう見ると三島屋の内儀お民の方に近い歳なのかと思い直した。

彼女が「お化けやしきの話でございます」と切り出したの、幼い頃の冬の初めからの話や。

おたかの家族は親子六人で、小舟町の長屋の四畳半に仲睦まじく暮らしとった。

父ちゃんの辰二郎は、流しの錠前屋なんやが、寺や武家屋敷が多い安藤坂を歩いとると、風にあおられ飛ばされたと思われる朱色の振袖を生け垣に見つけて、仕事にありつけそうやと生け垣の内にある商家と思しき立派なお屋敷へと。

そこの女中は番頭に云うや。「錠前屋さんですよ。やっぱり本当に。勝手によばれて来ましたね」

その云い方、怪しいやろ。

屋敷内の白漆喰の眩しい土蔵の観音開きの扉は開け放ってあり、その厚さは優に辰二郎の掌の幅程もあった。

銀髪のような白髪頭の番頭から、辰二郎は土蔵の錠前の鍵作りを頼まれるんや。けど、その錠前はもはや珍しい木製で拵えられとるもんで、彼はこれ迄扱った事無く作れるか自信が無いさかい、安請け合いは出来ぬと答えたんや。

すると番頭、「やるだけやってみてくれればいいんだ。あんたに預けよう。今日ここへ通りかかったのが何かの縁だと思って、引き受けてはくれまいか」と丁寧な口調で云うねん。

辰二郎はその丁寧の後ろに、何か云うに云われぬ暗く冷やかなもんを感じ取り、この申し出は断った方がええと、勘が目を覚ましたんやけども、口は引き受けますと云ってしもて、預かり証を書いて渡しその錠前を持ち帰る事になりますんや。

話がまとまるや、番頭は女中達に着物と帯を片付けさせますねん。

おや、虫干しはもうええんかいな?と思うやろ。

さらに怪しいくも、その錠前は決して妻子に見せてはあかん、それだけは固く約束してくれ、と番頭が云い、念も押しまんねん。

預かった木製の錠前がどうにも手に負えそうになかったから、その足で辰二郎は堀江町に一人で暮らす師匠の錠前職人清六に相談しに行きますんや。

触っただけで錠前の仕組みが分かる師匠やったが、渡された木製のはこれ迄見た事無い錠前で、「ぬるぬるしやがる」と云うやないか。辰二郎が念入りに検めてみたが、そうはせんかった。

だが、再びいじりまわしとった清六が呻いて錠前を取り落してまう。それに噛まれたんや!

そんな禍々しいもんやが、そこは職人の好奇心と誇りからか、師匠は辰二郎に二晩預からせてくれと云い出すんや。

それから清六は寝食忘れたように夢中になって錠前いじりまわしとったが、どうにもこうにもならん。

その間、清六が噛まれた人差し指は膨れた。彼の一人娘が近くの草履問屋越後屋に嫁いどって、時々孫も遊びに来とったんやが、その錠前を触ったと思しき孫は高熱を出しうわ言ばかりで寝込んどる。

それで、恐ろしくなった清六は七輪に火おこさせ禍々しい錠前を七輪の中に放り込むんや。

すると火にくべられた怪しい錠前が妖怪になって立ち現われるんかと思いきや、あっさりと燃えて灰になってまう。

それ見守ってた辰二郎は、預かり物が灰なんやさかい、ごっつ困りますわな。

屋敷に謝りに行った辰二郎、そこの番頭から次のように云われますんや。「錠前屋さん。お客からの預かりものを燃やしてしまったとあっちゃ、あんたも気が済むまい。だからひとつ、別の頼みを聞いちゃくれまいか」

それが、屋敷に一年住んでくれちゅうこっちゃ。

さらに、約束を果たしたら礼に百両払うてやると云われ、辰二郎は欲がむくむくと沸き上がりますんや。乘り乘りや。

でも、女房おさんに相談すると、おさんは頑なに反対し、百両も「それは先様にとってのあたしたち一家の命の値段である」「屋敷に住めば、必ずひどいことになる。可哀相だから百両くれてやろう、たいした費えじゃないと思っているのか。それとも、百両は高いが、それだけ出してもあたしたちを身代わりに立てたいと思っているのか。どっちなんだかよく考えてごらんよ」云うた。

もっともですわ。賢い女房や。

女房に叱られ、辰二郎はどないしたらええか聞きに清六を訪ねた。

清六も胡乱な話や云うて、叱ったんやが、辰二郎はその気になっとるの見え見えやから、せめて子供は俺に預けて行け、一緒に移り住んではあかんと強く云うんや。

辰二郎も内心では不安やったさかい、その案に飛びつき安藤坂のお屋敷へ行きますんや。

しかし、夫婦二人だけが住むちゅう辰二郎に、番頭はさも不愉快そうに顔しかめ、話が違うと云い、子供達も皆連れて住まぬと百両は払えぬと云いまんねん。

流石に辰二郎も不審を覚え、番頭に清六とその孫の身に起こった事をくまなく話し、理由を問い質した。

すると番頭、「障りがあるのは、あの錠前だったんだ。お屋敷にも土蔵にも何もない。錠前が焼けて消えてしまったからには、ここには何の怪しいことも残ってはいない」

ほなら、なぜ百両も払うてまで一年間住んでくれ云うんやろ?一家で住まなければならん理由にもならんでえ。

番頭は云うた。念の為何も無い事を確かめたいからで、百両はその労賃やと。

番頭は駄目押しよる。断る云うなら他を当たるまでや、と。それで辰二郎の目は眩んでしもた。

長屋に帰った辰二郎は、何が何でも一家で安藤坂のお屋敷に行くんや、と言い張るんや。もう相談も話し合いもあったもんやなかった。

結局、一家は安藤坂のお屋敷に移り住むんや。

話伝えた人達にこぞって反対されたにもかかわらず、押し通してしまうんやからその時の辰二郎はよっぽど欲にまみれとったんやな。

周りの意見はしっかり冷静に聞かなあかんやろ、と読んどって、恐ろしい結末予想して読み進めて行ったんや。

けどな、お屋敷では和やかな日々が続き、やがておみつとおたか姉妹は土蔵にも入り込み仕舞われとる着物をこっそり引き出して肩に引っ掛けたりするようにもなりますんや。

可笑しいと云えば、番頭に別の錠前を作ってくれと頼まれなかった事や。

おたかによれば、番頭に掛けなくてええと云われ、放っておいて構わないとも云われたちゅうねん。

辰二郎は錠前職人やから新たに作って掛けようとしたんやが、どないなもん作っても掛からんかったんやて。辰二郎もプライド傷付いたやろな。

でも、となると、一家が住んどった一年間は土蔵に錠前掛かって無かったんですわ。

おちかは気付くんや。「薄気味悪い錠前は、本丸ではないんです。本丸は土蔵の方なんですよ。錠前が壊されたがっていたというのは正しくなくて、錠前を壊したがっていた―というのが本当なのではないでしょうか」

それ聞いて、おたかはおちかを賢いと褒めるんや。

時は移ろい、お屋敷に住んでもうすぐ一年になろうちゅう頃には、一家はそこ去るの名残惜しくなっとっるやないかい。そりゃあ、隙間風ピュウピュウ吹き込む長屋の四畳半なんぞよりずっとええわな、何事も起こらなければ。

おたかによれば、番頭がやって来て、約束の一年が過ぎたからここを出て行って構わない、と告げたちゅうねん。礼を述べて、初めて深く頭下げたちゅうねん。

「―というお話なんでございますよ」と、微笑むおたかは話を締め括ろうとする。

おちか、からかわれとると、憤然となった。

え、それで仕舞いなん。彼女は何の為に黒白の間に来たんか、おちかでなくとも怒りでカッとなるわな。お化けやしきの話やなかったんか?

怒り露わなおちかに、おたかは初めておちかを名前で呼び、おちかのトラウマになっとる過去を話し出すんですわ。知らぬ事は無いとでも云うように。

おちかは眩暈を感じた。胃の腑がぐらっと持ち上がり、息苦しくなる。

おたかは、身の上のことをすっかり知っとると云い、「あなたのような方をお探ししておりますからね」と続けた。

それから、「安藤坂のお屋敷は、今もちゃんとございます」と、おたかは告げて、「土蔵には、あなたによく似合う着物がたくさんしまってございます。あなたもあの家によくお似合いです。あの美しい庭も、あなたを気に入ることでございましょうよ、おちかさん」と誘いを掛け、そして耳元で、「おいでなさいましな」と睦言のような甘やかな響きで囁きますんや。

「どうして、あたしが」おちかが問う。

おたかから、おちかは金は用無いけど、「心の安らぎはご入り用でしょう」それが安藤坂のお屋敷で手に入る、と囁かれた時や。黒白の間に小柄な若者と三島屋の番頭八十助がつんのめるように飛び込んで来た。

おちか、危機一髪やったなあ。怪しい土蔵は後悔の念に惑う者が好きなようやね。

その若者はおちかの隣りにおたかが居るの見て驚愕の顔し、おたか姉さん、と呼んだ。若者がおたかを両腕で抱き留めると同時に彼女はくずおれ気を失うんや。

この若者こそが本来の客人、つまり百物語の語り手で、子供の頃に錠前の障りに触れて高熱出た清六の孫で、今では堀江町の草履問屋越後屋の主人になっとる清太郎なんや。

清太郎に急用が入って遅れとる間、おたかは勝手に越後屋抜け出して来て、おちかに会うたんやがな。

清太郎が、おたかが安藤坂の屋敷へ誘ったんやないかと問うのに、おちかが頷くと、清太郎は痛ましい程に顔歪めた。

気落ちした清太郎が告げる。一年経って、辰二郎一家六人で生き残ったのは、おたか一人やった事を。

清太郎は気を失ったおたか連れて帰ったんやが、そのおたかからは艶やかさが消え、幼い女の子の寝顔のようやった。

三日後、お詫びに三島屋を訪れた清太郎は、途切れた話の続きをするについて、おちかと話の続き心待ちにしとった伊兵衛に焼けて無くなった安藤坂の屋敷跡へ一緒に行ってくれと云うんや。その方が話分かり易いくなると。

更地になった屋敷跡に着くと、清太郎は空き地に向かい手を合わせてから語り出しますんや。

十五年前、愛弟子辰二郎の一家が屋敷に移り住むと、祖父清六は彼等を心配して様子を見に行ことするんやが、その度なぜか治ったはずの噛まれた傷が疼き始めたり、熱が出て悪寒したり、腰が立たなくなったりするんで、辰二郎を呼んでもらい、半月に一度は報告に来るよう約束をさせたんや。

ところが、必ず定期的に訪れて満面の笑み浮かべて屋敷での暮らしの楽しさ語り帰とった辰二郎が、十月余りが過ぎ、約束の日に初めて訪ねて来なかったんや。三日待っても辰二郎が姿見せないんで、胸騒ぎした清六は職人仲間や近所の男達を拝み倒して、戸板に乗せてもろて、安藤坂の屋敷へ出向いて中に踏み込み手分けして辰二郎達を捜し回った。

しかしながら、見つけられたのは土蔵の前にぽつり一人座っとる木偶人形の如きになってもうたおたかだけやったんや。

そのおたかを連れ出そうとすると、おたかは暴れ出すんや。「ここにいる、どこへも行かない!」と叫ぶ声は少女のそれやったが、「ここにおいておいて」と、宥めすかすように頼む声と表情には女の色香が混じっとった。それからまた少女の声に戻って泣き叫び始める。「まだ駄目なんだ!まだあたしの番がこない!あたしはここにいるんだ!」

その姿に一同は怯えた。

連れ帰って清六の所で暮らすようになったおたかは、何日経っても口利かず目は開きっぱなしで表情うつろの儘や。

清六は土地の岡っ引きに頼み込んで、屋敷の来歴や持ち主を探らせた。

一ヵ月すると調べた岡っ引きが来て、渋面つくって云うんや。悪い事云わんから、あの屋敷には関わり合いにならん方がええ。あんたの身の為やと。

その報告はこうや。屋敷は元々は武家のもんやったが、その血筋が絶え、主人代え代えして百五十年も経つ。そして、土蔵はいつも誰かが閉じ込められ座敷牢にされとった。それが数回続きとうとう屋敷に誰も住まなくなってしもた。なのに屋敷は廃屋になるどころかどこも傷んで無い。ちゅうか何の変化も無いんやと。

ごっつ怪しいやろ。

岡っ引きは続ける。あの辺りの口入れ屋の話やと、五年に一遍位の割で、番頭風の男がやって来て、お屋敷の蔵の虫干しをやるから、二日三日の間女中を都合してくれと頼むんやて。そして、男は二度と同じ口入れ屋には現れず、同じ女中も雇い入れないんやて。

屋敷とは関わり合うなと念を押し、岡っ引きは去った。

その話に清六はむらむらと腹が立つ。おたかを木偶人形の如きに呆けさせてしまったもんをとっ捕まえてぎゅうという目にあわせな腹の虫が治まらぬと、安藤坂の屋敷へ乗り込むんやけど・・・

清六は屋敷で何を見たんか、夜更けに越後屋を訪ねた。取り乱しとる清六は熱に浮かされたように早口で娘夫婦に話した。「あそこには、みんないる」「あの屋敷は確かに人を呑むんだ」「辰二郎もおさんも子供らも、おたかだって、呑まれちまった。あの子に残っているのは器だけだ」

娘夫婦は、目を剥き泡吹いて喋りまくる清六をどうにかこうにか宥めすかして、寝かしつけた。

その清六は夜明け前に姿消した。お屋敷に戻り火を点けて、禍々しい屋敷を全焼させたんや。清六は忌まわしきもんに火点け燃やしてしまいたかったから、また行ったんや。

燃えてしもた屋敷には祖父の亡骸があった。

もう安藤坂のお屋敷跡には、ぺんぺん草の一本も生えなくなった。

事件後、亡くなった祖父に代わり、清太郎の母が父清六の遺志を継ぎおたかを引き取って、越後屋の養女にしますんや。おたかは清太郎の姉になりますんや。

けれど、おたかは越後屋で暮らし出しても相変わらず黙り込んで何も喋らんかた。操り手を失った人形のようやった。

その、おたかが喋り出したの、百両が届いてからや。ある日、おたかの膝の上に百両が置かれとった。どうもあの番頭が届けたようや。

おたかはちょっと見には治った様やが、そうやなかった。

清太郎が云うには、おちかを誘い掛け土蔵に引き込もうとしたのは、おたかやなく、棲みついてた屋敷を失って新しい住処を見つけならんもんや、と。魂を呑まれて器だけになったおたかちゅう少女は、打って付けの住み処やった。安藤坂のお屋敷は、おたかの体の内にある、と。膝の上にあった百両はその報酬である、と。

あの時、黒白の間に清太郎と八十助がつんのめるように飛び込んで来なかったら、おちかはおたかの体の内にあるお屋敷の新しい住人にされとったところや。暗示に掛からんでほんまよかったわ。

それにしても、清太郎が最後に云うた「いよいよ越後屋でも姉さんのために座敷牢を造らねばなりますまい」ちゅう言葉が皮肉でやるせないがな。

この事件は、錠前を作り続けたがどうしても出来ぬ辰二郎が精神を病んでしもて、妻子を殺害した後で己の命断ったんやろ。土蔵のあった所から幾つもの骨が見つかるわ。殺害時、おたかはたまたま居らんかったさかい難を逃れたと思われる。

清六は、それ隠す為に放火したんやろ。

しかし、人の欲深さちゅうもんは、他人も不幸にしまんな。だからちゅうて、報い受けてさえ消せぬもんが欲やから、程々にしとくように心掛けて暮らさななならんわな。