小石川後楽園 晩秋に落ち葉踏み | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起き、朝食にまるごとにっぽんで買うた八幡平の蕎麦を茹で、卵落とし、月見蕎麦にして食うた。デザートは岐阜産富有柿。

風呂に小一時間浸り、トランプが中東を不安定化させたの考えとった。

ラジオ「セッション2017」でハクエイ・キム(ピアノ)、林正樹(ピアノ)、佐藤浩一(ピアノ)の演奏を聴いた。

昼食は上野「ラ・サエッタ」に行き、パスタ・ランチ。選んだのはアサリ、バナメイエビ、帆立のペスカトーラ。パン、サラダ、玄米茶、小さくふんわりなドルチェが付いて1000円也。

郵便局で金下ろし、スーパーに寄り食料買うて一旦帰宅した。

りんごジュースの飲みながら菊地雅章のアルバム「ワン・ウェイ・トラヴェラー」をCDで聴き、「賢后 衛子夫」第32話と「臨場」第2話をギャオで見た。

また上野へ出掛けた。EI君と約束した立ち飲み居酒屋に行くと、出張帰りの彼は既に酒飲みながら待っとった。そこで一時間半程飲み語らい、もう一軒立ち飲み居酒屋に行って一時間程飲んで語って解散。傘差して帰った。

 


丸ノ内線後楽園駅を出た。向かうとったの小石川後楽園で、Eみさんを落ち葉踏みに連れて行ったんや。「ロマンティックな所がいい」云うんでな。
電車降りたら、Eみさんはお得意の芸能人情報喋り出し、園内に入っても、落ち葉の上歩いても、喋り続けとった。よう喋り疲れんもんや。

頃合い見計らって云うた。「芸能人話は一通り聞き終えたさかい、そろそろ静かに落ち葉を踏みながら晩秋を楽しもやないか」

「まだ話してあげる事あるけど」

「ロマンチックなムードに浸りまひょ」

来園者は少なくひっそりした庭園やった。
「子供に戻ったみたいだねぇ」云うて、Eみさんは落ち葉を強う踏みしめ再びゆっくり歩き出した。

「ここは水戸藩初代の頼房から光圀にかけて造園した回遊式泉水庭園なんですわ」と解説し、「しっとりしててええ所やろ?」と尋ねた。

「しっとりと云うより剣豪が枯れた感じだょ」足を止めて辺り見回したEみさんが応えた。

「凄い譬えやなあ」

「後楽って、どういう事?」

{よう尋ねてくれました}と思いつつ、立ち止まり解説した。「天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむや。真に立派な心掛けやろ?」
すかさずEみさん、「S吉にも欲しい心掛けだねぇ」悪びれずに云うんや。
「意味が呑み込めないんやけど」ちょっち眉ひそめた。

「何でもEみの先に楽しんじゃうしねぇ」と、またEみさんは落ち葉の多い所選んで歩み出した。

「そんな事あらへん。断じてあらへん」

「だって、この前、Eみを待っていられなくて、先にいっぱい料理頼んで食べてたよね」
「だっても、伊達政宗もない。それは、お前様が一時間も遅刻したからやろ」と、落ち葉の上歩き出しながら云うて、睨んだ。

「Eみが悪いんじゃないもん。詳しく話したでしょ、遅れた理由。納得して無かったの」立ち止まって口尖らせた。

「ワテはそないな事蒸し返したくないんや。お前様が埒もない例を持ち出したからや」

「懸命に急いで向かいながら、S吉が犬のようにお預けの姿勢で待っていてくれると思っていたのにぃ。君はやっぱりぱり猫だったよねぇ」

「云うとる意味分からんわ。そもそも、店に入って一時間も何も注文せずに居られんやろ」

「出た、お得意のそもそも攻撃。お料理出されても待っていればいいでしょ」

「そもそも、お前様かて着いてすぐ空腹の腹満たせたんやから文句無いんとちゃう」

「そもそも連射だぁ」と歩み出して、「もっと謙虚にしなきゃねえ、大事だよ、謙虚さ」とワテの口振り真似て云うて、こっち見た。

「お前様こそワテが謙虚になるの邪魔しとるんやないか」

「謙虚、謙虚、ホーホケキョ」

「お前様は春の鶯かい」
「女心と秋の空だょ」
ワテ、ゆっくり首を左右に振ったわ。

その時、一陣の風が吹いた。樹や地面の色付いた葉が舞った。
「何も云わなくていいょ。ロマンチックに歩こう」云うて、Eみさん手を差し出した。