日比谷公園 薔薇の花香る時節 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

Eみさんに叱責される夢見たからか、目覚めたら咽喉カラカラやった今朝は7時半に起きた。

ご飯が炊ける迄、渡辺貞夫の演奏をユーチューブで聴いた。

茨城下妻市産こしひかり米でご飯炊き、くめ納豆、紀州産梅干で二膳。デザートは栃木産トマト。

昨日せんかった掃除洗濯した後、サラ・マッケンジー→エスペランザ・スポルティングをユーチューブで聴いた。
昼食に裏浅草「浅草茶寮 Kuwasaru」へ行き、いつもの日替わりセット食うた。刺身に本鮪、魚焼き物は鱧、赤茄子の煮物、サラダ、小鉢、ご飯に吸い物が付いて1100円也。

満足して店を出、スーパーに寄り食料買うて一旦帰宅。

冷蔵庫に食品入れて、日暮里図書館へ行って新聞読んだんや。昨日、お袋様の所に居って我が家に無いテレビで日本代表ラクビーのアイルランド戦とか見とって土曜図書館に行かんかったからな。
帰宅後、筋トレ小一時間した。

夕食はカナダ産豚肉、メキシコ産南瓜、茨城産ピーマン、長野産ぶなしめじをタジン鍋で蒸し、ご飯食うた。 デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。

風呂に小一時間浸り、また安倍晋三が憲法変えたいと声高に云い出したの、加計学園疑惑、森友学園疑惑等から目逸らす為やろと考えとった。姑息やね。

「諍い女たちの後宮」第32話、第33話をギャオで見た。
ほな、Eみさんと日比谷公園へ行った際のメモ書き起こしますわ。

 

 

ええ日射しの日、日比谷公園のベンチにふたり並んで薔薇眺めながらEみさんの手づくり弁当仲よう食うとった。

ところが、女心の雲行きはいつ変わるか分からん。

彼女の眼を覗きつつ誉めた。「ごっつ旨いでえ、この煮物」

反応は無かった。Eみさんは箸の動きからして不機嫌やった。

ワテが「シャブリ・プルミエ・クリュ」を瓶からペットボトルに移して持って来たのが気に入らんのや。そうしたからかなり軽くなったのに「折角の「プルミエ・クリュ」なのに、手を抜いてる」と、彼女は非難すんねん。「大事なのは中身の液体であって、瓶を食う訳ではないんやから」と云うても、「デリカシーが無い」と反論すんねん。「不良行為だね」とも云うねん。女性は時として合理的行為を忌み嫌うもんや。

目の先には心奪われる薔薇の花があったんやけど、Eみさんが云うところの不良行為が明らかになってからは、薔薇の姿の麗しさを、その香りを、ゆっくり愛でるどころでは無かった。

ワテは箸を止め尋ねた。「大輪の薔薇の花が香る時節に来てよかったやろ?」

Eみさんは箸を不規則に動かすだけ。何も言葉返そうとせん。

「ここはバラの花香る時節が一番ええ。薔薇のようなEみちゃんと来られてほんまよかったわ」と独り言めかして云うたが、それでも反応無い。

腹は正直やさかいお腹満たされれば機嫌直るやろと、彼女が食い終えるの待つ事にし、ワテも食う事に専念した。

「ワイン」弁当箱を閉じるやぶっきらぼうに云うて、Eみさんはワテの前にコップを突き出したんや。
「どうぞお姫様」リュックからペットボトル出し、恭しく注いだわ。
一気に飲み干したEみさんは云い放った。「君は飲んじゃ駄目だから」
「何ちゅう殺生な事云いますんや」云うたら、顔寄せて来て睨みつけるやないかい。
ワテはペットボトルを掲げて云うた。「これ買うて持って来たの誰やろ?」
「S吉。でも、飲むのはEみ」云うて空のコップを突き出した。

ワテはお代わり注いであげながら云うた。「Eみちゃん、冷静に考えてみよ。Eみちゃんのつくって来てくれたお弁当をふたりで食うたやろ。そやから、ワテが持って来た「シャブリ」もふたりで仲良く飲も」

すぐさま飲み干したEみさん「不届き者に与えられるのは罰だね。ワインは無~し」と、両腕で罰点マークつくるんや。

ワテも反撃に出た。「残念ながら「シャブリ」はワテの手中にあんねん。もうそないな仕打ちしよとするお前様の咽喉は通らん」

「略奪だ!許せない」云うてコップをベンチに起き、ワテを揺さぶって、「解放しなさい」と大きな声出した。

「大きな声出したってあかんわ。墓穴を掘ったな」
{やはりEみには実力行使せんと駄目やな}と思うたところで、Eみさんは頬を河豚の如く膨らませて、バック掴んで爪先立ちしたと思うたら、身を翻して走り出したがな。

思わぬ行動に驚いたが、その後ろ姿に向かって云うた。「もう「シャブリ」飲ませんからな」
Eみさんは立ち止まり振り返り「ベロベロビー」とちょっち舌出し云うて、また走り出した。

ここで押っ取り刀で駆け付けると思う壺にはまるからと、ゆっくり立ち彼女に近づこうと思うたんやが、Eみさんはわざわざ人が多く座っとる方のエリアの一つだけ空いたベンチに座って、烏賊にも蛸にも怪しい。手前のエリアには空いたベンチが幾つもあったからや。
見とると、取り出した白いレース付いたハンカチ手に何も云わずしゃくり上げとるやないかい。
{また始まったがな、独り小芝居が。もうお家芸と云うてええ}

ワテはどない声掛けるべきか脳グルングルン働かせたんやがええ言葉が何も浮かばん儘に座ってEみさんの方見続けとった。

ほんまに涙流しとるように思われた。しかも涙を拭こうともせず肩震わせとんねん。
すると、近づいた老齢の婦人がEみさんに話し掛けるのが目に入った。

{どうかしたの、とか尋ねられとるようやな}「お婆ちゃん、騙されてはあきまへんでえ」と独り言が口から出た。

Eみさんはちゅうと、しゃくり上げながらワテの方を指差して、その婦人に何事か訴え掛けとる様子なんや。

{ある事無い事喋って、あのお婆ちゃんに同情してもらおうとしとるに違いないがな}

それから、老齢の婦人がワテを険しい顔して見とるんで、{こうなっては行って収拾させなあかん}と、リュックにペットボトルとコップを入れて担ぎ、彼女に駆け寄った。
「他人の顔しとこか・・・」ワテの口からこぼれた言葉はそれやった。思わず出た言葉やった。
Eみさんは声出さず、出したの老齢の婦人の方やった。「どうか優しく扱ってくださいな」そう皺枯れた声で云いましたんや。

「Eみちゃん、云われとるでえ。ワテを優しく扱ってくれへんと罰当たるがな」

老齢の婦人に冗談が通じとらんようで、更に険しい表情になって立ち去った。

それで、ニヤニヤし出した女を詰問しましたんや。「お前様はワテをどんな悪人に仕立てたんや?」

それには答えぬEみさん「お婆ちゃんに優しくするように云われた時、視線泳いでたねぇ」と、ワテの目見ながら云うてはぐらかすねん。

「泳ぎもするわ。他人のせいにするのほんまよくないでえ」

「してないょ。S吉のせいにしただけだょ」

「それが他人のせいや。周囲憚らずようやるわ」
「S吉がデリカシー持ってくれていたらねぇ。乙女心を理解してたらねぇ」
溜息つき云うた。「お前様は、時として不自然に大胆な振る舞いするから怖い」
「怖くなんかないでしょ。悲しくて悲しくて涙流れてたんだから」
「涙を絞り出しとっただけやないか。お婆ちゃんが離れた途端、お前様の眼からは一滴の涙も零れなかったわ。見事にメリハリが効いとる」
すると、「分かってたかぁ」とニッコリすんねん。
「ようにこやかにしてられるわ。その態度、どうにも信じられんがな」
「困惑してるねぇ」
「小癪なコや」と睨んだ。
「悪気はないんだけどねぇ」
「悪気感じるさかい怒っとるんや」と睨みつけた。
「やさぐれてるねぇ」

「そうさせたのどこのドイツ連邦共和国」
「聞き飽きた駄洒落云われてもなぁ。それよりワイン飲もう」と、ワテのリュックに手掛けようとすんねん。

また溜息ついて、「仲良う飲みたいのに、この騒動や」とワテはぼやいた。
ペットボトルとコップを取り出したEみさん、勝ち誇ったように云うた。「高を括っていたのがいけなかったねぇ」

「戯け者!」
「大きな声出さないの、周りの人達に迷惑でしょ。大人なんだからもう気持ち切り替えなょ」

「よう云うわ」

心晴れないワテは薔薇を眺めて気持ち切り替えようとしたがな。