塩沢温泉「湯川荘」 87年夏 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起きた。

アミーナ・フィガロヴァのグルーヴィなピアノ演奏をユーチューブで聴いた。

朝食に茨城下妻市産こしひかり米でご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳。デザートは栃木産トマト。

小一時間風呂に浸り、来月やって来る云う電話があった際にH君から聞き、早速ネットで聞くに堪えない音声記録確認した衆院議員豊田真由子の元政策秘書へのパワハラ暴言暴行を考えとった。感情をコントロール出来ひん輩に政治任せられぬ。それにしても、己の感情に翻弄される人間を見るのも聞くのも不快や。

Nっぺに葉書認め、ラジオ「セッション2017」で堀秀彰(ピアノ)、西口明宏(テナー・サックス)、石川広行(トランペット/フリューゲル・ホルン)、高瀬裕(ベース)、長谷川ガク(ドラムス)の演奏聴いた。
昼食は蔵前「ビストロ モンペリエ」へ行って、注文したのはいつものAランチ。今日は肉料理を選び、豚レバーのパネ マスタードソース ピラフ添えで、じゃが芋のニョッキ、パン、デセールにはババロア、コーヒーが付いて1350円也。

満足して店を出、スーパーに寄って食料買うて、郵便局で金下ろし帰宅した。

会社の山の会のメンバーとも入った塩沢温泉。初めて訪れたのはT之君とや。その時のメモ書き写しますわ。

 

 

87年夏、T之君と車の旅三泊四日の旅で、まず安達太良山麓にあり湯川渓谷沿いの一軒宿、塩沢温泉「湯川荘」に行った。

ここ二本松市ではあるが、市内なのかと思う程閑静な林の中にあって、聞こえて来るのは川の流れる音と木々の間から小鳥のさえずりだけなんや。

建物は平凡な二階建て。

泊まっとるのは安達太良山への登山客が多いようや。近くに塩沢スキー場あるんで冬はスキー客が多いやろ。

広い部屋に通された。

「運転疲れたやろ。早速タオル持って心身を癒しに行きまひょ」

「咽喉渇いたぞ、Sちぃ。風呂の前に冷えたビール飲もう」

「あかん、明るい内から肝臓痛ぶっては。もっと健康気遣わな。アルコールは夕食時にして、まずはお茶けにしときなはれ」ワテは茶碗を二つ並べ、急須に茶入れ熱い湯注ぎ、不満げな顔するT之君にビタミンC補給してもらおうと濃い目にしたのを渡したがな。

咽喉潤したんで、浴衣に着替えて風呂に行ったら、ちょっち白っぽいぬるい湯に太っちょな小父さんが一人で入っとって、腕が丸太の如く太かった。

その小父さんが出て行ってから、湯船の中でT之君は右上腕に精一杯力瘤つくり、それ見ながら呟いた。「貧弱に見えるなあ」

T之君は上腕筋が誇りなんやが、あの小父さんの太い腕に圧倒されたようや。

泉質は単純泉。

夕食になり、まずT之君はビール注文し、乾杯もそこそこに旨そうに飲み干し、手にしたグラスが空になった。

「落ち着いた~」云うて、ワテに腕突き出し、お代わりの催促しますんや。

「ビールは逃げんさかい、ゆっくり飲んでや。箸も動かしてや」と、彼に注ぎながら云うた。

宿の料理にポリシーは見えんかったけど、ボリューム満点で満足したわ。

並んだもん次々頬張るT之君は、「ビールで流し込まないと食えない」とか云うて、すぐにビール一本追加しましたわ。

食後は部屋で酒盛りとなった。ワテ、カクテルを2ℓのペットボトル2本つくって凍らせたのを持って来たんや。

「どっちから飲みたい?」

「今回は何の酒でつくったんだ?」

「こっちのはラムベースでオレンジジュースとポッカレモン混ざっとる。これはウオッカベースでペプシコーラとポッカレモンが混ざっとるんや。どっちがええ?」

「コーラのはゲップが出そうだから、そのオレンジ色」

ご指名のを茶碗になみなみと注いで彼に渡した。

それ受け取り一気に飲んだT之君、「Sちぃ、濃過ぎ」云うてちょっちむせた。

「落ち着いて味わえへんの」ワテはチョコレート齧りながら云うた。

口元を手の甲で拭って、「濃過ぎだよ」と繰り返した。

「そうや、酒は女と同じ。色にごまかされてはあかん。アルコール度数結構高いんや」

ラムベースを半分近く、ウオッカベースは1/3飲んださかい、ふたり共酔うてしもて、その夜はもう風呂へ入りに行かんかった。

翌朝、早起きしたT之君が窓開ける音でワテも目が覚めた。

「Sちぃ、風呂行くぞ」

ワテは目擦りながら云うた。「一番乘りやな」

ふたり共そう思うて風呂へ行ったんやけど、昨日入ってた太っちょな小父さんの他に頬がこけ瘦せぎすな小父さんと細マッチョな小父さんも浸っとったがな。太っちょな小父さんはどうやら黙想しとる様子やったが、頬がこけ瘦せぎすな小父さんと細マッチョな小父さんは世話話に興じとったわ。