「シャトー・モンローズ」 その4 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨日、遊びにやって来たH君と十分明るい夕刻から上野の居酒屋で飲んだんやけど、彼とやからそんなに量飲んどらんのやけど、今朝起きてみると8時半やった。H君との遣り取りは緊張するから、ちょっち疲れたんやろか?話は、「六郷温泉」に始まり、F君の事から互いの近況、そしてねちねちワテをからかい出したH君の矛先をかわしつつ彼の弱みを衝く攻防戦が暫く続き、院政したい橋下徹がツイッターで観測アドバルーン上げた事迄三時間程。
H君、就寝時間はよなって22時半には床に入るちゅう。起床もはよなって5時なんやて。夜遊び男もそうなったかと感慨深いわ。
冷房にやられたようで、今日は鼻水たらたら流れ出る。

伸びた手足の爪切った。

日本史の本読んで勉強をした。
秋田産あきたこまちのご飯炊き、くめ納豆と紀州産梅干で二膳の朝食。デザートは愛媛産甘夏。
スタン・ゲッツのアルバム「ホワイト・ヒート」をレコードで聴いた。

筋トレ30分した。
昼食はカナダ産豚肉、フィリピン産バナメイ海老、淡路産玉ねぎ、新潟産舞茸を炒め、ご飯と食うた。デザートはプリン。
M夫ちゃんに葉書認めた。

スタン・ケントン&ジューン・クリスティのアルバム「デュエット」をレコードで繰り返し聴いた。
夕食はカナダ産豚肉、鹿児島産南瓜、北海道産アスパラ、新潟産舞茸をタジン鍋で蒸し、「北海道生搾り」のロング缶2本飲みながらご飯と食うた。デザートはグレープフルーツジュース入りヨーグルト。
ほな、男の観察眼鋭いEみさんとの「シャトー・モンローズ」 飲みながらの遣り取りの残りを記しますわ。


ワテの目盗み素早く「シャトー・モンローズ」手にしたEみさん、ワイングラスに注ぎもう口にしとった。
「ええコにはしておられんのやなあ。もうちょっち空気に触れさせた方がええと思うがなあ」
そう云うたのも聞かず、また口にして、「大人な味だねぇ」と、ワテの目チラリと見て頷いた。
「大人ならば、もう幾ばく堪える事出来そうなもんやけど」云うて、舌打ちしてみせたわ。
「味が大人なの」と云いながらEみさん、ワテのグラスにも注いで、「どうぞ」云うてから自分のグラスに注ぎ足した。
「飲んどるのは子供っぽいコやからなあ」と、ワテも口に含んで舌で転がすようにしてから飲んでみたら、確かに、正しく大人な味がした。
「よく云うね、そう云うS吉だって子供っぽい時あるでしょ」云うてから云い直した。「あ、違う、S吉はおバカっぽいだよねぇ」
「何を云う、ワテにもブランドがある」
ちょっち頭を捻っとったEみさん「あぁ、プライドね。この前のフライドチキンよりは分かり易いょ」
「そうとも云う」
「いっぱしのおバカって云われたいの?」
「あのね、いっぱしちゅうのは一人前の意味やろ。そやから一人前のおバカちゅうの可笑しいやろ。おバカやったら、0.85人前とか0.9人前やろ」
Eみさん「おバカに付き合うのも大変です」云うて、手首捻りグラスをクルリと回し、そして中身を飲み干した。
納得いかぬワテもまた口に含んだ。
「タンニンが強くない?」と、Eみさんは手酌で飲み続けた。
「為すがタンニン」
Eみさん、一旦グラスを口から離しおっしゃった。「他に云う言葉ないのぉ?」
「流石に濃厚で力強く重々しいでえ。さながら、ワテのようや」
「確かに、ワインの方はね。でも、そんな人なら助っ徒で行っただけのゴーコンので事を根掘り葉掘り聞かないょ」
「それはやなあ、後学の為に聞いとるんですわ」
「それ、可笑しね。ゴーコンに行くつもり?」と、ワテを睨むんや。
「ちゃいまんがな、滅相もない。ピチピチな若人の生態を知りたいんですわ」
「ピチピチ?いやらしいの。青い小娘の桃尻狙ってるね」
{ピチピチを使うたのはまずかったわな}と思いながら云うた。「するかいな。若人ちゅうのは男も入るんやでえ」
「男も。もっといやらしい」
「なんでやねん、若い男の尻なぞ狙うかい。今の若人の実情が知りたいだけや」
「仕事で会うでしょ」
「仕事の時とプライベートん時は別やろ。お前様もそう云うとるやないか。そもそも、助っ徒だろうとワテ置いてきぼりにしてゴーコンに行った者に、行くつもりかと非難される謂れはないがな」と云うてからそっぽ向いてみた。
するとEみさんは「ゴーコンのような大事な頼まれ事は断れないの。女のコの社会っていうのは面倒臭んだょ、S吉もまだまだだなぁ。でも、寂しがらせたから優しくしてあげるょ」と、ワテの空になったグラスになみなみ注いで、それから、彼女は手酌でワイン飲みつつ、観察した6人の男達の問題点を一人ずつ、こうこうだからこうと容赦なく述べ立てたんですわ。その見立てが一々的確のように思われ、ワテ、他人様の事なのに聞く程に暗くなってゆきましたがな。
ワテの様子もしっかり観察しとった彼女、「イブのお楽しみはこれからかなぁ」云うや、ワテの目の前に空のグラス差し出しよった。