『青天の霹靂』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

『青天の霹靂』☆+

目覚めたら8時半になっとって、ゴミ収集車は既に通り過ぎた後やった。

ぬるい風呂に小一時間浸り考えとった。経済繁栄して社会安定がもたらされたら中華人民共和国も民主主義国に変わるような事主張しとったもん居ったが、ワテの予想通りならんわな。主張者は経済繫栄が十分や無いからと云うやろが。

山形庄内産つや姫でご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳の朝食。デザートは山梨産プラム2個。
掃除洗濯した。

ジョン・ヘンドリックスのアルバム「歌の叫び」をレコードで聴いとったら正午に。
雨ゆえ外食せず、オージー・ビーフのステーキ焼き、ご飯二膳の昼食。デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。
今週はよう歩っとるから疲れ出たのか、ついうとうとしてしまい目覚めたら丸の内 MY PLAZAで兵頭佐和子、西田けんたろう、若林美佐トリオ聴くのに電車で行かねばならぬ時間になっとった。
H君との約束前にジャズで心安らいで、有楽町駅で山手線に乘り品川駅へ向かった。
出張終えた気楽さか、H君は元気過ぎる程やった。
昨日出張で出て来たが今回は二日間も泊まって明日午後に帰る云う。H君、昨夜は同僚に付き合うた云うとるがほんまは誰と会うたやら。明日の午前中は誰と会うのやら。
昨日電話でH君、劇団ひとりの監督作を一緒に観たいと品川プリンスシネマに誘うんで、「先般Mさんと会うた品川へ来いちゅうのがどうも怪しい」云うたんやが、彼は即座に否定したんや。「そない手の込んだ細工せんがな」
映画観た後上野へ移動し、居酒屋で談笑。約束通りH君がご馳走してくれた。
雨の中徒歩で帰って来た。


劇団ひとりが監督をし、大泉洋が主役のやるせない日々送っとる上手いがありきたりの手品ばかりしとるマジシャン役で、祝福された生だちゅう事に気付いて人生捨てたもんやないちゅう映画を、やって来たH君に誘われ観た。
H君が映画に誘うとはどうした風の吹き回しか?
劇場出るとH君「一作目にしてはなかなかやった」と、ニカニカしとった。「オカマやないのにオカマの振りして受け狙う後輩マジシャン、如何にも居そうや」と云い、「S吉の評価はどうなんや?」と尋ねて来よったんで、答えた。「H君の頬から涙落ちてなかったもんな。そもそも素直なワテを泣かせられず、お笑い芸人なのに笑わせる場面無しではなあ」
「伝えたい事短くまとめとってええと思うたんやが」
「一言で云えば、静電気の辟易やなあ。青空に突如の雷ちゅうよりもな。意図が見え見えで、雷に聞こえる為にはまだまだ修行が必要や。プロレスよう観て勉強せな」
「手厳しいなあ」
「落雷で己が生まれる一年前の浅草にタイムスリップ、それ余りにご都合良過ぎやろ」
「そこは同感や」
「それに浅草を活かしとらんのも不満や」
「浅草好きなS吉にしたら物足りんか」
「ユリ・ゲラー話も活かせとらんし。単なるスプーン曲げをしよる人やのうて人も曲げよったのがユリ・ゲラーなのにな」
「人も曲げよった、か」
「最たる弱点は、思い切り泣かせようちゅうクライマックスが分かり過ぎて白けてしもた」
「大筋が予想通りに進むちゅう事か?」
「そうや、どうも出来合い感が詰まっとる。どうせなら母役に劇団ひとり、父役に柴咲コウちゅう配役にしとったら俄然面白かったけどな」
「そりゃ、大胆で面白い」
「頭だけで映画つくっては詰まらん。キャラクター自らに行動させな」
「それで、ええところはどこや」
「ええところはカメラワークやな、カット割りええ」
「監督劇団ひとりのええところや」
「筋肉質やないが、ダラダラ内臓脂肪腹の様な展開はしとらんかった」
「それだけか?」
「主人公にマジシャン持って来たところ。マギー司郎師弟見れば分かるようにマジシャンは喋りと演出やからな。オカマやないのにオカマの真似した後輩に主人公が人気で抜かれる脚本は上手い」