「ポル・ロジェ ブリュット」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨夜23時半迄お片付け等残務処理しとったにもかかわらず若干仕事残してしもて、今日も出社して済ませ、それから徒歩で仕事上で世話になったった所に挨拶回りした。
昼食は「YEBISU BAR 東京ドームシティ」に入りかきフライランチ950円+100%グレープフルーツジュース150円を注文し1100円也。ここの給仕の女のコ達は皆よう気が付き気持ちがええんですわ。
その後も徒歩で郵便局や銀行等へ行き、疲れが出たところでタリーズコーヒーに入りジャズに耳傾けカフェラテ飲んでHJちゃん、HS姐御のご夫妻にKY姐御三人との約束の18時迄{どうも会社辞めた気がせんなあ}と思いながら時間調整しとった。
「留萌マルシェ 秋葉原駅前店」に時間通りに集まり飲み放題スタート。コース料理が次々に運ばれて来る中、和やかに酒飲みながらあれやこれや話しとったが、年末で書き入れ時ちゅう事で二時間したら出されたんで、近くのエクセルシオールカフェで会話再開するもこちらは21時閉店やった。三人様にどちらの店でも馳走になった。感謝。
今夜話題に出て批判集まった首相安倍晋三が靖国神社へ行った件を記そうと思うとったんやが、三人にワテがこれまでなぜ結婚せえへんかったのかから始まりEみさんの事を根掘り葉掘り事情聴取された事の方が脳支配しとるんで、宵越しの金は持たねえタイプのEみさんとシャンパーニュの話をメモ書きから写しますわ。


「素敵な食前酒があるから楽しみにしてて」云うEみさんの所へ行くと、既にビーフシチューをメインに夕食の用意が整っとって、ワテが炬燵に入ると、「シャンパン用意してるからね」と云うて彼女は「ポル・ロジェ ブリュット」のブテイユを出してん。
ワテは瓶のラベルをしげしげ見た。「ほんまもんのシャンパンやな、鼻の下ビロ~ンと長くした小父さんからもろたの?」
「違うょ、S吉と飲もうと思って買ったんだね」
「ごっつう高そうやけど? どうしてこれにしたの?」
「取引先の呑み助社長に教えてもらったんだょ。心配しなくていいょ、一万円はしなかったから」
「えええ、またそないに高いもん買うたんかい、この贅沢者!」
「そんな事云っていいのかなぁ、S吉君」と、Eみさんは余裕の表情やった。「その贅沢したいんでしょ」と、軽く往なされた。
そして、Eみさんは目の前の贅沢を手に取り、「まずはご主人様が飲むんだね」と、開栓し自分のワイングラスだけに注いだ。
{相変わらず金遣い荒いわな}とは思うただけで口にせず、「ワテも早くご相伴に預かりたいんやけど」と、ワイングラスを手にし目線迄上げてみた。
その言葉は無視しグラスを鼻先に持って行って嗅いでいたEみさん、「S吉の匂いがする」と云うてワテの目を見たんや。
「なんか嫌な事云いそうやな」
「洋梨」そう大きな声で云うて、Eみさんはくすくす笑うてシャンパン飲んだ。
「用無し・・・ これ迄美味しいもんご馳走し続けてきとるのに、その云い様はひどいやろ、あんまりやろ」
笑い止めたEみさん、その言葉も無視し、「細かな泡立ちが長く途切れず続いてるょ。これっていいシャンパンの証なんだって」
「どうせ鼻の下ビロ~ンな取引先の呑み助社長にフレンチに連れて行かれて教えてもろたんやろ」
「嫉妬してる?」と、Eみさん嬉しそう。
「泡なんぞ珍しくないわ。常々Eみに一泡吹かせられとるしな」
Eみさんはまた一頻り笑うてから、「S吉の傷心を癒すそう」と云うて、ワテのグラスにも細かな泡がしっかり立ち上る琥珀色の液体を注いでくれた。
ワテ、むくれる表情つくって云うた。「今度は小心者扱いかいな」
「そんな事云ってないから、洒落者さん」と云いながら、Eみさんはまたシャンパン飲み干した。
「ジャスミンと洋梨の匂いや。飲んでみるな」熟成香が口の中に広がった。
「この味の高貴さ、S吉に分かるかなぁ」
ワテは理解したように頷いて云うた。「Eみのように甘みがあって辛口ですわ」
「骨太で深みのある男のような味だょ」
「熟成感とフレッシュさの両方が味わえるなあ。しかも余韻が長く続きよる」
「後味爽やかだょ。S吉もこういう男になってね」Eみさんはそう云うて持っとるワイングラスを目の高さに上げ手首使うてクルッと捻った。