『007 スカイフォール』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

『007 スカイフォール』 ☆☆☆

青森、岩手、宮城、茨城、栃木各県で震度5弱の揺れを観測し、こちらでも縦揺れ感じる地震があったんやけど20時迄仕事しましたわ。
それから、COCO壱でほうれんそうカレーの夕食し、近所のスーパーで買い出して帰宅。
先程迄風呂に一時間半ゆっくり浸って、相変わらず争点曖昧な選挙の事思うとった。争点曖昧にしとるから、案も対案も無い政治や。
昨夜は新宿歌舞伎町でM君と一緒に007映画観て来たでえ。
好みはワテ、「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」の方やけど、今回もごっつ満足したでえ。
M君もよかったと云うとった。
映画観た後で夕食の為、新宿駅東口前を通りビヤホールへ向かったんやが、その駅東口前の「イルミネーションが寒々した色合わせで烏賊にも蛸にも新宿らしい」云うたら、全く同感やとM君も云うとった。
新宿はブルークリスマスやね。


上映前の劇場でM君にパンレット見せてもろたら、『007 スカイフォール』 は007シリーズ誕生50周年記念作品な事が分かり吃驚。
そない長い事遣っとるんやね、007シリーズ。
ワテ、テレビと映画館で全ての作品観とるでえ。
本記念作の監督務めとるのは、サム・メンデスで力量に不足無し。
役者も不足無いわ。007シリーズ中興の祖とも云うべきダニエル・クレイグが主役で、敵役にはハビエル・バルデムに御馴染みボンドの上司M役はジュディ・デンチ。それにレイフ・ファインズ、ベン・ウィショーにアルバート・フィニーまで揃えとるやから、よっぽどの事でもない限り外しはせんやろ。
そう思うて上映待ったんや。
唯、50周年記念作品な要望がプロデューサー側から強く出された事は想像に難くなく、監督も脚本家もその苦心はあったろうと観始めたわ。
そうだろう点を差し引けば、脚本も演出も上手く出来とったし、充分過ぎる程満足した作品やった。
M君が云うとったが、撮影の腕もよかったしな。
それにな、ジェームズ・ボンドやMI6の親玉Mの秘密が結構明らかになるんやから、007ファンは見逃せぬ作品や。
007によう似合うアストンマーティンも出しとるしな。
でもな、毎回ボンドガールを楽しみにしとる人には気の毒や。
この作品のボンドガールは、ガール云うには憚られるM役ジュディ・デンチに他ならぬからな。
そこに気付いた脚本家達は大したもんや。正に50周年記念作品らしさ出した。
そやから、Mを軸に物語りは進んで行くんや。
ダニエル・クレイグ007が今作で対峙するのは、ハビエル・バルデム演ずる嘗てMの部下のエージェントだった凄腕サイバーテロリスト、シルヴァなんやけど、シルヴァはMの裏切りを許せぬのや。
ましてや、母と慕う者の裏切りやよって猶更ですわ。決して許せぬのや。
諜報機関に情けは禁物。
Mにしてみれば、任務を最優先すれば、仕事は非情になり、それはボンドに対する態度でも同じやが、シルヴァの受け止め方ボンドとは違ったんや。
シルヴァは、母たるMに復讐したかったというよりも、心から詫びて欲しかったんや。
ベン・ウィショー演じる自信満々な新Qを嘲笑う能力持つサイバーテロリスト・シルヴァも人の子なんや。
シルヴァがMを殺し共に自らをも殺そうとしよる場面がええ。
シルヴァにMを殺させず、ジェームズ・ボンドの腕に支えられてMが息絶える脚本もええ。
演出の上手さやろうが、Mが死に臨む際の顔はどこにでも居る婆ちゃんで、それ迄の堂々たるMI6の親玉な面と対照的で感心したわ。
これだけの出来のもんつくられると、次回作の監督はしんどいわな。誰が務めるんやろ?