鹿沢温泉「紅葉館」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起き、朝食は昨夜スーパーで買うとった半額の海鮮丼。デザートは愛知産ミニトマト。

体温める為、風呂に小一時間浸り、平昌五輪に絡めた金王朝の雨と鞭の外交考えとった。飴やあらへん雨ですわ。文在寅を踊らせ、閉会式に労働党副委員長兼統一戦線部長金英哲を派遣し制裁破りするとはしたたかや。

サラ・ヴォーンのアルバム「ウィズ クリフォード・ブラウン」をレコードで聴き、ラジオ「セッション2018」で山口武(ギター)、井上信平(フルート/アルト・フルート/バス・フルート)、坂井紅介(ベース)の演奏聴いた。

郵便局で金を下ろし、昼食は御徒町「舞豚」に行って、また舞豚セイロ蒸しを注文。サラダ、味噌汁、小鉢、お新香が付いて1200円也。

満足して店を出て、スーパーに寄り食料買うて帰宅。

友人達にメール送付した。

筋トレ30分して、マイケル・フランクスのアルバム「アート・オブ・ティー」をレコードで聴いた。

平昌のカーリング女子日韓戦をラジオに集中して聞く為、ちょっち早めの夕食は群馬産鶏肉、北海道産じゃが芋、沖縄産隠元豆、長野産ぶなしめじをタジン鍋で蒸して食うた。デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。

 


89年の冬、S雄さんと上越線経由で吾妻線の列車に乗って、温泉とスキーの一泊旅に行ったんや。

着いたのは万座鹿沢口駅で、そこからバスに50分弱乗り、海抜1500メートル超の地蔵峠麓にある鹿沢温泉「紅葉館」に着いたら、その屋根から氷柱が下がっとって、寒さが身にも目にも沁みたがな。
ここは高原野菜の産地として有名な嬬恋村になり、鹿沢高原スキー場の手前ですわ。

日本秘湯を守る会に加盟しとる「紅葉館」は、鄙びた木造二階建ての宿で、烏賊にも蛸にも山のいで湯然としとったがな。

「冬はワテ等のようなスキーする客で賑わうんでっしゃろが、積雪期以外は湯治客がほとんどでっか?」と尋ねたら、春から秋には登山客が多いと云われた。

部屋に荷物置いて、まずは冷えた体を温めようと、ちょっち軋む廊下歩いて下りて風呂場へ入ると、中は湯気で煙っとった。天井高いのにな。板張りの茶黒ずんどる洗い場に木の湯船やが、源泉掛け流しの琥珀色した湯が、満ちた湯船から景気よく溢れ床に流れとって、湯量豊富なの分かる。この金気臭する湯は、ワテにはちょっち熱めでS雄さんには適温。茶色の湯の花が沢山浮いとったわ。

先客は爺さんが二人やったが、ワテ等とほぼ入れ替わるように一人は出て行ったから中は三人になったんや。

「炎と躍る女のレリーフが面白いでんなあ」と、男湯と女湯の間仕切りの壁に施されとるを指し、S雄さんに語り掛けたら、「静かに流れる悠久の時を想わせるねえ」と、詩人のような云い方した。

けどな、爺さんが体を洗いながら「♪♪雪よ岩よ 我らが宿り 俺たちゃ町には 住めないからに♪」と「雪山賛歌」らしいもんを低く唸るように歌い出したのはどないや。

それからワテ等は、何も喋らず爺さんが長い間歌っとるの聴きつつ浸ったり体を洗ったりしとったんや。

泉質は含土類重曹泉。

風呂場から出て階段上がると、「風情あるいい風呂場だったね」と満足気なS雄さんが尋ねてきましたんや。「さっき中で聴かされた歌の歌詞、中程から間違っていたよね?」

「ワテ、「雪山賛歌」最初しか知りまへんさかい、違っとったかどうか分からんのですわ」

「ここが発祥の地だから歌ったんだろけど、大分間違ってたと思うよ」

「そうでっか。あれはあれで可笑しな所は無かったと思いまっけど」

「大分違和感があったから、間違ってる箇所が幾つもあったと思う」とS雄さん。

「まあ、替え歌ちゅう事で」

「そうだね、元々他所の国の歌だし、そういう事にしよう」

年代重ねた調度品なんぞ見た後で戻った部屋に腰落ち着けて、ポカポカほてる体で茶啜りながら明日の計画話し合ってたら、夕食の準備が整ったちゅう案内があった。

料理は素朴なもんやったが、野菜や川魚等地場の食材でつくられとって好感持てた。

朝食は味噌汁が旨かった。

寝る前、もう一度S雄さんと風呂入りに行ったら、二十代前半かと思しき若人が6人居って混んどったがな。でも、礼儀ある若人で、間もなく声掛けしながら皆上がって湯船を空けてくれましたわ。
余り浸っとると体ほてり過ぎて眠りに入るの遅れるからと、滑らかな肌触りの湯から早目に上がったものの、それでもポッカポカにほてってなかなか寝付けなかったわ。

翌日の午前中、バスで鹿沢高原スキー場へ行き、S雄さんは気持ちよさそうに滑って、ワテは滑って転んでまた滑ってから、東京に帰った。