飾りっ気の無い音のグルーヴ感。
生々しいアコースティック音で究極の域へ。
至高の時間&空間!さり気無く「極上ジャズ」を独り占め。
①『ミュージック・オブ・ケニー・ドーハム』(83)
《The Music Of Kenny Dorham/Don Sickler(tp)》
ドン・シックラー(tp)、ジミー・ヒース(ts)、シダー・ウォルトン(p)、
ロン・カーター(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。
巧い・ウマイ!! こんなに「聴かせる奴」なのに、表舞台に出てこない。
こんな巧い奴をもっと聴きたい。だが、シックラーのリーダ作は数枚。
アレンジャーの活躍が多く、ビッグコンボ・モノの脇役が多い。
H.バップ・ド真ん中、王道をいくトランペット。
ハイトーンで格好付けたりし無い、太く・強いトーンでメロディー重視。
飾りっ気が無く、ストレートにグイグイ押しまくる。
落ち着いて聴ける。ワクワクのグルーヴ感で気持ち良く聴かす。
オール・K.ドーハムの曲、的を得た選曲だ。
H.バップはモードと異なりテーマのメロディーでノレる。
アドリブはテーマの曲調を引用し、身体をリズミカルに揺すってくる。
グルーヴ感満載。「Straight Ahead」とは、この演奏のための言葉か。
リズム陣のサポートがH.バップの核心を捉えている。
ヘヌルイ音のR.カーターのベースを除いてだが。
録音は、R.ヴァン・ゲルダ。
生々しいアコースティック・サウンドで「極上ジャズの独り占め」。
至高の時間&空間を与える「さり気無い究極の1枚」と、いえる。