独№5 単なるアンサンブル・ユニット?!《ウォルフガング・エングストフェルド(ts)》 | 壊滅的刺激的・体感できるジャズノート

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Jazz?! 『何を聴くか??』では無い。
 好きなモノを聴く。好きなアルバムを買う。コレでは勿体無い。
 例えば、1人のジャズマンのアドリブ変化をズ~~と追う。
Jazz『何を聴くか?』では無い。『どう聴くか!』が大事。 

ドラムが巧い・・・だが、ンタープレイが無い。

アレンジ&ンサンブルが巧い・・・だが、

興性&インタープレイ」は何処に行った??
 ①『ショート・ストーリーズ』(82)
《Short Stories/Wolfgang Engstfeld(ts)》
ウォルフガング・エングストフェルド(ts)、ミッシェル・ヘル(p)、
ルロイ・ロー(ds)、デトレフ・バイアー(b)、イスラ・エッキンガー(b)。

随分と緒を大切にする人。バラードが3曲ある。

チンタラ・チンタラ情緒タップリにロングトーンを吹き流す。
とてつもなく太い音だから力はある。が、面白く無い。

全曲変則ビートで攻めてくるが、1曲だけ4ビートを絡ましてくる曲は「イケル」。
4ビート・道派ド真ん中でノリは最高。ズ太いテナーが縦横無尽に吠えまくる。
しかし、この曲でも曲の導入部分は情緒タップリにチンタラと演奏が始まる。
曲の冒頭から一揆に決めて欲しいもんだ。

EUジャズの特徴を2つ。

80年代はドラムが巧い。だが、インタープレイでサックスに絡んでこない。
曲の進め方、シナリオ作り・アレンジが巧い。

その巧さは、グループのンサンブルに活かされ、「クラシックの土壌」を臭わせる。
つまり、EUジャズはジャズ本来の醍醐味である「興性」から離れ、

単なる「ユニットの音楽」としての価値に留まりつつある。

結果、曲の進行中の即興的インタープレイによる「張感とリル」が感じられない。

こんなアレンジの凝り性なことをせず、

王道ジャズ・ド真ん中「即興・アドリブ」で勝負して欲しいもんだ。