柔軟に調整する能力 | さすらいギターin LA

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LA在住ギタリスト・森孝人の音楽あれやこれやブログ

さて、ここ2週間は忙しかったです。。。。
忙しければ当然、ブログは更新されませんので、また久しぶりとなりました。

友人がレギュラーでギターを弾いているブラックチャーチで、2週連続トラの仕事でした。
合間にローカルのクラブギグも何度かありましたし、来週はEric DariusとLarry Braggsのギグがラスベガスであるので、そのリハも入って結構アップアップ言ってました。

ゴスペルミュージックにおけるギターっていうのは、結構独特です。
勿論、ブルースやジャズの影響もありますし、大きく分けると、ファンク、R&Bの系統にはなるんですが、やっぱりゴスペルギターにしかないような演奏もあります。
シャウテンングミュージックと呼ばれるタイプの曲では、もの凄く早いテンポのフレーズをばしばし入れつつ、リズムを軽やかに刻みつづけなくてはならないですし、最近のゴスペルアーティストの曲は結構ハードなロックギター的なものも多いです。
あとは、コードワークとオブリですね。これは結構R&Bに近いかな。

まあ、そんなわけで、曲ごとに結構キャラの違うギターを入れる訳です。
ブルージーなプレイや、ロックの演奏でディストーションかけてる時と、シャウテンング系の曲でクリーントーンで粒立ちよくしかもエッジーに弾くのは同じピッキングだと結構厳しい。
シャウティングのときはブリッジ寄りでピックが抵抗になりすぎず、しかも音が良いポイントをあまり力を入れすぎないように弾く感じが、今のところ自分では良い感じかなあ。
ロック的なリードプレイだと逆にもう少しフロント寄りをしっかり弾く方がらしいし、弾き易い。
ピックの角度も、ロックは順アングルの方が雰囲気が出し易いけど、シャウティングや細かいコードワークでの技は逆アングル気味の方がやり易いし音もそれらしいです。

ただ、それで方法が確立できているかといえば、そう話は簡単ではないんですね。
現場の音環境、モニターの聞こえ方、アンプの状態、他のメンバーの音の感じなどにもよります。
なので、あまり拘りすぎると、「あれ、何かいい感じにならないぞ??」とか思っているうちにサービスが終わってしまいます。
逆に上手くいっているときは、案外考えてなくて、勝手にできてたりします。
かといって、いつも何も考えていなければ当然、新しいタイプの演奏は出来ない訳ですね。
重要なのは、いつも考えて練習し、本番では柔軟に調整するということだと思います。

しかし、若手の黒人ミュージシャンは、みんな才能ありますね。
びっくりする事が多いです。多分、こういう才能の人が昔はジャズマンになってレコード出してたんだろうなとか感じますね。
今は、ジャズをやろうと思うブラックの若者は殆どいないでしょうけど。
そして、そういう才能が集まって来るのがゴスペルの現場です。
Tye Tribetteの様に、今までになかったタイプの曲を書いて、それを受け入れる土壌があるというのは、とても音楽界にとっては健全だと思います。
ポップスは、もう同じコード進行で似たようなメロディーだらけで、逆に違うとラジオにかからないような状況なので、そういうのとは全く違ってミュージシャンとしてもやりがいがあります。

なるべく頻繁にこういう現場で鍛えられたいなと思うんですけど、なかなか今は少ないので、たまにサブで参加する時に目一杯吸収しようと思っています。