全く予想してなかったので本当に驚いたんだけど、僕をLAで最初に自身のバンドのギタリストとして雇ってくれたヴィブラフォンのOnajeが亡くなったと、当時一緒に演奏してたJeff Littletonから連絡があった。
このブログにも書いたことがあると思うんだけど、まだアメリカに来たばかりで、英語も拙く学生ビザなのでバイトもできず、リーマンショックの煽りで景気も悪く、必死で演奏の場を探していた。
知り合ったミュージシャンのライブに顔を出しては飛び入りさせてもらってた頃。
やはりジャムセッションで知り合ったローカルの凄腕ギタリストDaryl Dardenが演奏するというので見にいったバンドがOnajeのバンドだった。
瀟洒なヴェニスにあるアボットキニー通り。その中でもひときわ賑わってる店がHal's。
雰囲気も良いし、料理も美味しいからいつもお客さんで一杯だった。
そこで月一のギグを持ってたOnaje。
とんでもない疾走感のある演奏をする人で、器用ではないけど一芸に秀でるとはこのことかと思った。
なんと一度飛び入りした後、Darylが2月連続でギグをドタキャンしたのをきっかけに僕が後を引き継ぐことになった。
バンドもベースにはハービーハンコックのベースだった上述のJeffがいたし、毎月本当に楽しかった。
Onajeは90年代にLAのジャズシーンで頭角を表してヒューバートローズ、ロニーローズのバンドでツアーしたりしてたそう。
2004年にはStevie Wonderの録音にも呼ばれて、ちゃんと音源になってる。
おごったところは全くなくて、多少ツッコミどころのある性格で、面倒見の良いボスという感じ。
アスレチックな人でLAマラソンを走ったり、テニスもうまかったそうだ。
僕が一緒に演奏してたのは2009-2013年位で、当時はLA地区の学校の先生もやってた。
犬好きで僕の嫁さんとも犬談義したり親しみやすい人柄だった。
彼のギグには人柄もあったんだろう、色んな一流ミュージシャンが遊びにきて飛び入りしていった。
前回ブログに書いたAzar、Ronnie Laws、Harvey Mason、Julian Coryell、などなど。
いつもギグの1時間前には来てるのにやたらモタモタ準備するので間に合わず、毎回「タカ、取り敢えずギタートリオで始めろ」って言われたな。笑
お陰で鍛えられたけど、多分育てようとかじゃなくて本当にモタモタしてただけだと思う。
スティービーワンダーの録音も、行くのに遅れててガソリンを入れる間を惜しんで、結局ガス欠になって大幅に遅刻したらしいし、本当に憎めない人だった。
本人が「シット!」とかいって焦ってるのが簡単に想像できてしまう。
Hal'sが閉店してからも、僕が仕事依頼された時に何度か一緒に演奏してもらったけど、ここ5年くらいはほぼ疎遠になっていた。
Facebookで何度か話したくらい。
ここ最近は認知症になっていたらしく、ある日車で出かけて帰ってこなくなったそう。
大事に飼ってた犬たちも置いて。
どんどん運転して国境も越えてメキシコに行ったとのこと。
当然FBIが追跡したんだけど、拘束まで至らずまたアメリカに戻ってこれた(どうしてそんなことがあり得るのか全く理解できないけどOnajeなら可能なのかもと思っちゃう)らしい。
LAの家までは帰れなかったのか帰らなかったのか分からないけど、途中の街で車の中で亡くなっているのを発見されたそう。
ショックな話だけど最期まで彼らしい気もした。
こんな早くお別れがくるとは全く予想できなかった。
最後の日々が彼にとってハッピーだったと願いたい。
ゆっくり休んでねボス。。
左がOnaje、右はロニーローズ
今は無きHal'sにて。
