前回2回
https://ameblo.jp/jazz3625/entry-12822858320.html
https://ameblo.jp/jazz3625/entry-12823134633.html
で、譜面ソフト Musescoreの素晴らしさを絶賛してきましたが、少しだけ不満なところもありますので、今回はそれを書いてみたいと思います。

ただ、どちらかというと満足度の方が遥かに高いので、
不満点はこれしかない
という視点で見ていただきたいと思います。


① 最新のVer4.x は使い物にならない
Musescoreの最新版は、Ver.4.1.1 です(2023年1月時点)。
ですが、Ver4(Ver4.x系)へのアップデートに伴い、抜本的なプログラムの改変をしているようで、
Ver3と比べて大きく退化しています(断言します)
Ver3の方が遥かに優れており、安定しています。

 

このため、

Ver3.6.2を使うことを強くお勧めします。
(これがVer3の最終公開バージョンです)

実際、Musescoreの公式フォーラム
https://musescore.org/ja/forum/4333
では、Ver4の数多くのバグが報告されています。


②譜割りが機械的で、グルーブ感がゼロ(再生時だけの問題です)
Musescoreは以前書いたように、記譜した譜面を再生(プレイバック)してくれます。
当たり前ですが、再生される音は機械的で、16分音符なら寸分の狂いなく1泊を4分割するので、ジャズ特有のグルーブ感が全くありません。
特にジャズでは、実際に人間が演奏する音楽は、ビート(メトロノームをイメージしてください)に対して、微妙な「ずれ」があります。この「ずれ」が何とも言えない「スイング感」「グルーブ感」を生み出すと思っています。
「たてのり」のボサノバなら全く違和感は感じないのですが、スローバラード、ミディアムスウィングなどでは「ロボット音楽」にしか聞こえません。
これは仕様上やむを得ないものなので、あくまでもMusescoreは演奏する音符情報を「近似的に記録した」ものだと理解するしかありません。

蛇足ですが、同じ譜面ソフトでも、「実際の演奏データ」と「表示用の譜面データ」を分離して処理するDoricoのようなソフトもあるようですが、かえってややこしいし、譜面ソフトは「記録目的」と割り切ったほうがいいのかなというのが個人的な考えです。

③紙、インクを消費する
手書きの五線紙だってお金はかかるので、取るに足らない問題ですが一応。
譜面はどうしても印刷したくなるんですよね。
手書きだったら必要箇所だけ修正できますが、譜面ソフトの場合は全部印刷せざるを得ないので、紙・インクのコストパフォーマンスが感覚的に悪くなります。
譜面って、通常の文字情報とは比較にならないほどインクを使うようで、意外に早くインクがなくなりますが、便利さの代償かなと思ってあきらめてます。