シブヤノオトの衝撃 | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日12月18日は、2012年、TSUTAYAの『VA』誌で連載が始まり、2016年には、Red Hot Chili Peppers UKツアーのSpecial Guestとして、ロンドン、THE O2に出演。レッチリのドラマーチャドメタルが登場、「Painkiller」と「Breaking the Law」を演奏後、SU-の誕生日を祝った日DEATH。

12月13日、『シブヤノオト』(NHK)で、NHK紅白歌合戦の出場者インタビューに臨んだBABYMETALの映像が45秒間だけ流れた。
最初のシーンは、NHKホールの駐車場に、ストレッチ・リムジン(※1)で乗り付けたSU-METALとMOAMETALがビルに入っていくところで、二人は車から降りるときからMETAL GALAXYコスチュームを着て、黒いマスクをしていた。
その次のシーンは会場内のごちゃごちゃしているところで、整列して待っていた櫻坂46の菅井友香、藤吉夏鈴、渡辺理佐、山崎天、森田ひかるの5人と、「アイドル」の習慣=90度のお辞儀で挨拶しているところだった。


この瞬間、ぼくの脳裏に浮かんだのは次の感慨である。

順を追って記すと、
1.    うわあ、ベビメタと欅坂だ!
2.    欅坂=櫻坂の方が、並んで待ってるんだ。
3.    櫻坂、でかっ!(※2)
4.    90度お辞儀!やっぱりベビメタも日本のアイドルだなあ。
5.    一期生は菅井友香と渡辺理佐か。
6.    2016年4月の『ミュージックステーション』以来の共演だ。両者とも傷ついてから立ち上がるのだなあ。(ウルッ…)
てな感じでした。
※1:2017年にTHE ONEから「Chosen 5」が選ばれた際、当選者を駅でピックアップし、目黒鹿鳴館に連れて行ったのが、このストレッチ・リムジンだった。
※2:この時に並んだ櫻坂=欅坂メンバーのうち、2016年時点で在籍していたのは、キャプテン菅井友香(165cm)と渡辺理佐(166cm)だけであり、他の3人は櫻坂の次代を担う新二期生の森田ひかる(150cm)、山崎天(168cm)、藤吉夏鈴(165cm)であった。
森田以外はみな身長165センチ以上であり、ほかにも、松平璃子(168cm)、関有美子(167cm)ら櫻坂=欅坂新二期生には長身メンバーが多く、一期生でも守屋茜(164cm)、渡辺梨加(166cm)、土生瑞穂(172cm)ら、女子としては長身のメンバーが多い。これは集団ダンスのダイナミズムを生み出す上で有利である。
SU-METAL=中元すず香の公式プロフィール上の身長は156cm、MOAMETAL=菊地最愛は152cmである。
実際にはそれぞれ数センチ高いと思うし、櫻坂=欅坂では「小学生扱い」されている原田葵でさえ現在は156cmなので、いくら何でもとは思うが、実際に『シブヤノオト』の映像を見る限り、櫻坂46メンバーは、やはりでかい。

このシーンはニュース映像的な作りであり、以下のことが鮮明にわかった。
2016年の『Mステ』以来の直接接触だったが、BABYMETALの到着を知らされた櫻坂=欅坂46が整列して待ち、挨拶する関係にあるのだということ、つまり櫻坂はBABYMETALを「尊敬すべき先輩」として扱っているわけだ。
そして、櫻坂46メンバーが両手を足の付け根において、「おはようございます!」と深々とお辞儀をしたのに対して、SU-とMOAも同じく「よろしくおねがいします!」と、腰を90度曲げ、約10秒間保持する正式なお辞儀で返した。
この瞬間、やっぱりBABYMETALも正統派「アイドル」なのだなあと思った。
育ちの悪い芸人やマスコミ人が、アイドルの礼儀正しさを称賛することがあるが、「お辞儀」の作法は男女問わず日本人の常識である。
親が教えるのが普通だとぼくは思うが、今は高校受験の面接で、昔は中学卒業時の就職面接用に、中学校の先生が教えているはずである。
ただ、反体制的であることがカッコいいことだと勘違いしているサヨク教師やマスコミ人や、真面目に学校で勉強しなかった芸人が、そういう正式のお辞儀をちゃんと修得していないから、「スゴイ」と思ってしまうだけのことである。
アイドル界では、縦社会の業界人に気に入られるための「最低限の礼儀」として、正しいお辞儀の仕方を教えているのである。それは社会人として当たり前のことだ。
もちろん、それは「ロック」な態度ではない。

だが、ちゃんと教育を受けた上でそれでも世の中の理不尽なことを批判するのが本当の反体制だと思うのだ。パンク以降、常識もないのに、反体制的な思想をファッションとして身につける奴が多すぎるのだ。
その点、BABYMETALは、やっていることは革命的なのに、ちゃんと日本人の常識をわきまえている。

だからこそ本物だと思うし、実際、彼女たちの礼儀正しい態度は海外でも称賛された。はからずも『シブヤノオト』で、ハッキリとそれがわかったわけだ。
この回では、「初出場」ではない日向坂46や、「初出場」でも韓国のプロモーション会社所属のNiziuとの挨拶シーンは見られなかったが、4年半ぶりの櫻坂~欅坂46とBABYMETALとの挨拶シーンは、やはり感慨深かった。


BABYMETALは、『Mステ』での共演から1年8か月後の2017年12月にYUIMETALの欠場が始まり、Darksideを経て、2018年10月に脱退が発表され、2019年6月にアベンジャーシステムをとる現体制に移行した。
欅坂46=現櫻坂46は、『Mステ』での共演から1年2か月後の2017年6月の握手会で、平手友梨奈と、ひらがなけやき=日向坂46一期生の柿崎芽実のレーンに刃物を持った男が乱入し、発煙筒を焚いて騒乱が起き、同年12月のNHK紅白歌合戦の最中、志田愛佳、鈴本美愉が過呼吸に陥り、平手友梨奈も倒れて右腕を損傷した。そのため、2018年1月の日本武道館3日間公演は、全日、アンダーチームだったひらがなけやきの公演に振り替えられ、ひらがなけやき=日向坂46独立のきっかけとなった。
日向坂46の独立後、欅坂46は選抜制を巡るスタッフ間/メンバー間の路線対立により、次作
シングルがリリースできない状態に陥り、2020年1月~3月にかけて、平手友梨奈、志田愛佳、織田奈那、鈴本美愉、今泉唯といった初期メンバーが次々に脱退/卒業し、2020年10月には櫻坂46へと改名した。だから、今年のNHK紅白歌合戦は「初出場」なのである。
現在の櫻坂46は、キャプテン菅井友香ら一期生と、フレッシュな森田ひかる、山崎天ら二期生がまじりあい、グループとしての再建途上にある。
前回書いたが、ぼくの個人的印象としては、日向坂46の「アザトカワイイ」のアイドル史を更新する転調の快感や、冠番組『日向坂で会いましょう』の異次元の面白さの前では、櫻坂46は、楽曲も番組もどうしても「弱い」。
ぼくの勝手な願望としては、櫻坂46には、バラエティ路線ではなく、欅坂スピリットを引き継いで、エクストリームな音楽・ダンス表現をする「アイドル」であり続けて欲しいと思う。
『シブヤノオト』での両者の挨拶シーンには、こういった諸々の「物語」が詰まっており、それがNHKで起こったことも含めて、冠番組で渡辺梨加が「ポジティブガール」を演じたシーンよりも、よほどリアリティ=切実感があったとぼくは思う。


実は、同じ12月13日12:45ごろ、NHKラジオ第一放送で、BABYMETALの曲が流れた。

予想もしていなかったが、それは「BxMxC」だった。さては紅白でもそれをやるのかなと思いきや、先日発表された曲名紹介では「紅白メドレー」となっていた。
ももクロが初出場した2012年は「行くぜっ怪盗少女(早見あかりバージョン)~サラバ愛しの悲しみたちよ」だったが、BABYMETALはどうするのか。
ぼくには到底2曲には絞れない。
「メギツネ~ギミチョコ~BxMxC~Road of Resistance」を3分以内でできるのか?
あるいはももクロ同様、「YUIMETALDEATH!」付の「BMD~イジメ、ダメ、ゼッタイ」か?
やはり、紅白を思うとワクワクなのである。