10年のキセキ(18) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日4月26日は、過去ABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

■武漢ウイルス関連データ
●累計
・世界 感染確認者2,751,527人>死者194,945人
・日本 感染確認者12,829人>死者334人・退院2,662人・要入院10,932人>重症287人
●10万人当たり    
・世界 感染確認者35.66>死者2.53人
・日本 感染確認者10.14>死者0.26人
出典:厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」(4月25日12:00現在)

2013年BABYMETALの「成長ポイント」2つ目は、全国各地のロックフェスで神バンドが生演奏し、耳の肥えたロックファン、メタルファンを引き寄せたことである。
特に、サマーソニック2013と、LOUDPARK13への出演は、「アイドルなんて」と見下していた観衆を、歌唱力・ダンス・演奏力のクオリティで驚愕させ、「アイドルとメタルの融合」がキワモノアイドルの「設定」ではないことを証明してみせた。
2013年のBABYMETALが、他のアーティストと同じステージに立ったライブは以下のとおり。

5月26日 METROCK TOKYO 2013@新木場若洲公園(5曲。バック:BABYBONE)
6月23日 アミューズ株主総会ライブ@両国国技館(2曲。演奏:神バンド)
7月 7日 Rock Beats Cancer Fes Vol.2@日比谷野音(3曲。演奏:JAM Projectバンド)
7月15日 Summer Camp2013@川崎Club Citta(6曲。演奏:神バンド)
7月21日 Join Alive 2013@いわみざわ公園キタオン(6曲。演奏:神バンド)
8月 4日 Rock in Japan Festival 2013ひたちなか海浜公園(6曲。バック:BABYBONE)
8月10日 Summer Sonic 2013@Rainbow Stage(7曲。演奏:神バンド)
8月11日 Summer Sonic 2013@大阪舞洲(6曲。演奏:神バンド)
9月22日 イナズマロックフェス2013@草津市烏丸半島芝生広場(6曲。演奏:神バンド)
10月18日 タワレコ新宿店15周年大感謝祭@赤坂Blitz(6曲。演奏:神バンド)
10月20日 Loud Park 13@さいたまスーパーアリーナ(7曲。演奏:神バンド)
11月 4日 Japan Culture Carnival 2013@Matsudo森のホール21(3曲。SU-ソロ)
11月30日 Skull Mania Vol.8@新木場Studio Coast(6曲。バック:BABYBONE)
12月 1日 Act Against Aids 2013@日本武道館(1曲。カラオケ)
12月30日 Count Down Japan 13/14@幕張メッセイベントホール(6曲。バック:BABYBONE)

当時、アイドルがロックフェスに参加するのはまだ珍しく、8月3日に発行された『日経エンタテインメント』では夏フェス出演ランキングでBABYMETALがNo.1とされた。

このうち、神バンドの登場は8回、骨バンドことBABYBONEによる当てぶりが4回、その他3回という比率である。

神バンドを登場させる/させない「差」はなんだったのか。2016年に調べた時も、これがひっかかったのだが、今回、「なあんだ」というくらいはっきりとその理由がわかった。

まずは、神バンドが登場しなかったライブについて見ていく。

五月革命後、初の「ロックフェス修行」となった5月26日のMETROCK TOKYO 2013は、BABYMETALにとって重要なイベントだったはずだが、バックは神バンドではなく、BABYBONE(骨バンド)だった。
METROCK TOKYO 2013でBABYMETALに与えられたステージは、NEW BEAT SQUAREという最小ステージだった。
この日のメインのWINDMILLステージは、サンボマスター、Perfume、PUFFY、SEKAI NO OWARI、ヘッドライナーはくるりというラインナップだが、NEW BEAT SQUAREは、12:40 FLiP、14:25 Cure Rubbish、16:00 STOROBOY 、17:50 BABYMETAL、19:40きのこ帝国というタイムテーブルだった。
どちらかといえばポップロックのバンドが多く、そのファンの前へ白塗りの神バンドが出てきてピロピロやったら、引かれてしまったかもしれないので、Kawaii「キワモノアイドル」を演じた方が結果としてよかったと思う。BABYMETALは骨バンドをバックに「ド・キ・ド・キ☆モーニング」「いいね!」「Catch Me If You Can」「ヘドバンギャー!!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の5曲を披露した。

7月7日の「Rock Beats Cancer Fes」は、LAZY/LOUDNESSの樋口宗孝がん研究基金と保険会社のタイアップによるチャリティ・ライブで、JAM Projectバンドが「ヘドバンギャー!!」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を演奏した。バンドのメンバーは、横関敦(G)、TAKEO(G)、青山秀樹(D)、寺田志保(Key)、山本直哉(B)。なるほど、青山神が入っている。

フィナーレではLOUDNESSの「Crazy Night」をJAM Project、LOUDNESS、奥田民生、LinQとともに全員で歌った。

4大夏フェスのひとつであるRock In Japanも、バックは骨バンドだった。

2013年のBABYMETALが出演したのは、メインステージ下手脇に立つ建屋のDJブースだった。
タムテーブルは、ゆよゆっぺ、中川翔子、ピエール中野、BABYMETAL、9nine、ダイノジの順。

このラインナップの中では骨バンドの方がマッチしている。

「サマソニ2012」や「第2回アイドル横丁祭」で証明されたように、カラオケ・骨バンドでもBABYMETALの歌唱・ダンスのクオリティは、いわゆる「アイドル」の域を超えていた。「キワモノアイドル」の意外性こそ、インパクトを与えたわけだ。
BABYMETALはここで、「メギツネ」「いいね!」「Catch Me If You Can」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」「ヘドバンギャー!!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の6曲を披露した。

11月4日の「Japan Culture Carnival 2013」は、BABYMETAL史上唯一、SU-METALのソロ活動である。
このイベントは、2012年12月22日にBABYMETALが出演したTokyo No.1 カワイイラジオ(JFN)のパーソナリティ櫻井孝昌がプロデュースしたもので、声優の上坂すみれも出演していた。

JAM Projectの影山ヒロノブは、SU-METALの世を忍ぶ仮のお父さんが若い頃、交流があった。
また、このライブには、モーニング娘。を2013年5月に卒業した田中れいなが結成したガールズバンドLoVendoЯが出演していた。田中れいなの卒業で、鞘師里保はモーニング娘。の“エース”の称号を受け継いだ。

人知を超えたキツネ様の計らいによって、色んなことがつながっているイベントだった。

SU-METALはJAM METAL Project with SU-METALとして、「タッチ」「ゆずれない願い」「Cat’s Eye」を歌った。

11月30日のSKULL MANIA Vol.8は、ロックとプロレスとお笑いがミックスしたイベントである。
BABYMETALは、Live Areaのステージで、J、Marry、The冠、Unison Square Garden、World Order、SiMと共に出演したが、バンドはBABYBONEだった。
ここは逆に白塗りの神バンドが凄い演奏をしても、ギミックと受け取られてしまう恐れがあり、初見の観客にとっては、骨バンドのおふざけに見えても、実はKawaiiさに加えて、すごい歌唱力、ダンスパフォーマンスをする女の子たちという「意外性」の方が効果的だったのだろう。
BABYMETALはここで「ヘドバンギャー!!」「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」「いいね!」「Catch Me If You Can」「メギツネ」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の6曲を披露した。


12月1日の「Act Against Aids 2013」は保険会社のチャリティ・イベントで、BABYMETALが「メギツネ」1曲だけを披露したものである。

12月30日のCountdown Japan 13/14も、BABYMETALが出演したのは一番小さいASTRO ARENAで、しかも13:05から30分間の実質オープニングアクトで、BABYMETALに続くタイムテーブルにはLyu:Lyu、℃ute、ヒトリエらが並んだ。
ここで、BABYMETALは、「ギミチョコ!!」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と「いいね!」のメドレー、「メギツネ」「Catch Me If You Can」「ヘドバンギャー!!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の6曲を披露した。


こうして見てくると、チャリティイベントはもちろん、METROCKやRIJやCDJといった大規模イベントでも、小さなステージでは、予算的に神バンドが出る余地がなかった。要するにそういうことだろう。

思えば、サマソニも2012年はSide-Show Messeというお笑い芸人のステージで、音源はカラオケだった。だが、そのパフォーマンスはフードコートにいた観客を圧倒した。
それが、2013年に前年ももクロが出たRAINBOW STAGEに抜擢された理由だろう。
METROCK TOKYOは、2015年にワールドツアー中のBABYMETALにメインのWINDMILLステージを与えた。Rock In Japanも2016年にビルボード200で、現役日本人最高位の39位となったBABYMETALが出演したのはメインのGRASS STAGEだった。
それが、2013年のパフォーマンスを評価したことによるものだったのか、それとも「世界のBABYMETAL」の威光によるものなのかはわからない。
ただ、2014年のSONISPHREで、欧米のメタル界では無名のJ-POPガールズであるBABYMETALをいきなり6万人の観客が集まるメインステージに乗せたのは、間違いなく2013年のBABYMETALと神バンドのパフォーマンスを「凄い!」と評価した人たちの熱意によるものである。
その戦いが始まったのは、2013年6月23日のアミューズ株主総会ライブ@両国国技館だった。
(つづく)