届くか全米No.1(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
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★今日のベビメタ
本日10月6日は、2012年、Legend “I”(渋谷O-East)。初の1000人越え会場での単独公演で、神バンドが初降臨し、2015年にはKBC九州朝日放送「アサデス」インタビューが放映された日DEATH。
『METAL GALAXY』リリースまで、あと5日。

当ブログで何度も言及しているが、『METAL GALAXY』は、日本人アーティスト初の「全米No.1」を取れるのか。
結果が出たとき、がっかりさせてもアレなので、話半分で読んでくださいね。


とりあえず、ビルボード社のルールをおさらいしておこう。
ビルボード総合アルバム200の首位=「全米No.1」とは、米国で発売されたアルバムのうち、毎週金曜日~翌週木曜日までの1週間で、最も売れたアルバムのことを指し、順位は翌々週の火曜日に、3週間後の土曜日の日付で発表される。
『METAL GALAXY』の場合、10月11日(金)発売で、10月17日(木)までの売り上げが集計され、10月21日(火)に、11月2日(土)付として発表されるわけだ。
対象となる売上は、従来、フィジカルなCDないしLP盤の販売数が基本で、ラジオでのリクエストなどが加味されて順位が決まっていたが、2014年から、これに「収録曲の10曲ダウンロードで1枚」、「定額制ストリーミングの1500回再生で1枚」という「アルバム相当単位」が導入され、「ユニット」で表されるようになった。ダウンロード/ストリーミングの集計はニールセン・サウンドスキャンが担当し、iTunes、Apple Music、Spotify、Google Play、AWA、Amazon Primeなどすべての配信サービスが対象となっている。
さらにYouTubeなどネット上の無料動画の視聴回数や、Twitter、Instagram、Facebookなどでハッシュタグがついている数も集計対象になるという。
つまり、いかに売れているかだけでなく、いかに話題になっているか、社会に影響を与えているかも、チャートの順位に反映させるのがビルボードのポリシーなのである。
ただし、ビルボード200はアメリカの音楽チャートなので、あくまでもアメリカ国内の音楽ファンやネットユーザーが集計対象である。
日本にいるメイトが日本盤を買ったり、有料ストリーミングしたりするのは、あくまで日本国内のチャート(オリコン、ビルボードジャパン)に反映されるだけで、ビルボード200とは直接関係ない。
某国出身バンドのファンが順位を押し上げようとして、有料ストリーミングのIDをSNSで大量配布し、VPNを使ってアメリカのサーバーからアクセスし続けたという話もあるが、それはルール違反・チャートの捏造で、「いかにアメリカ人の社会に影響を与えたか」というビルボードのポリシーにも反する。いずれ不正は暴かれるだろう。
とにかく、BABYMETALに関しては、そんな噂が立っただけでも、生真面目にライブツアーを続けてきた来し方を傷つけることになるとぼくは思う。
ぼくら日本人メイトが応援できることは、THE ONE盤、日本盤を買うだけでなく、アマゾン等でUS盤を購入することぐらいだ。
それでは実際、全米No.1になるにはどのくらいのユニット数が必要なのか。
直近のビルボード200首位のアルバムとユニット数を調べてみた。

<8月3日付>エド・シーラン『No.6 Collaborations Project』…17万3,000ユニット
<8月10日付>NF『The Search』 …13万ユニット
<8月17日付>Drake『Care Package』…10万9000ユニット
<8月24日付>Slipknot『We Are Not Your Kind』…11万8000ユニット
<8月31日付>Young Thug『So Much Fun』…13万1000ユニット
<9月7日付>テイラー・スウィフト『Lover』…67万9000ユニット
<9月14日付>TOOL 『Fear Inoculum』…27万ユニット

<9月21日付>Post Malone 『Hollywood's Bleeding』…48万9000ユニット

<9月28日付>Post Malone 『Hollywood's Bleeding』…19万8000ユニット

<10月5日付>Post Malone 『Hollywood's Bleeding』…14万9000ユニット


9月7日付のテイラー・スウィフト『Lover』の67万9000ユニットは、今年最多となった。
9月14日付の首位となったToolは大御所プログレメタルバンドで、『Fear Inoculum』は5年ぶりの新作。27万ユニット中、24万8000枚がCDの売り上げによる。
このほか、2019年に「全米No.1」となったアルバムのうち、ユニット数が多かったのは、ジョナス・ブラザーズ『Happiness Begins』(41万4000ユニット)、アリアナ・グランデ『thank u, next』(36万ユニット)、ビリー・アイリッシュ『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』(31万3000ユニット)、バックストリート・ボーイズ『DNA』(23万4000ユニット)、BTS『Map Of The Soul: Persona』(23万ユニット)、カリード『Free Spirit』(20万2000ユニット)など。
はたして『METAL GALAXY』は、この中に食い込めるのか。
以前もお伝えしたように、今回の全米横断ツアーは、ライブチケットを購入すると、自動的に『METAL GALAXY』のCD1枚が付いてくるしくみになっている。
これがフィジカルなCD売り上げの基礎数となる。
オーランドからシアトルまで単独公演の入場者=アルバム購買者は約7万人/枚。
これに、ライブには行かないが、話題のBABYMETALなら、アルバムないし収録曲をダウンロード/ストリーミングしてみようと考えるアメリカ人音楽ファンと、日本で海外版を購入するガチメイト分を合わせて、どこまで行くか。
エド・シーランやテイラー・スウィフトは無理としても、10万ユニットは堅いのではないか。
8月17日付のクリスチャンラッパーDrakeの『Care Package』(10万9000ユニット)や、8月24日付のSlipknot『We Are Not Your Kind』(11万8000ユニット)のレベルなら到達する可能性は高い。
だが、「全米No.1」が実現するには、同じ週に発売される競合アルバムが重要だ。
これも調べてみた。
米NMEのサイトによると、2019年10月11日~17日にリリースされるアルバムは、以下のとおり。データは、アーティスト名、アルバム名、レーベル、アーティストの説明、収録曲のYouTube視聴回数の順。

●Big Thief『Two Hands』(4AD)
オルタナティブ/フォークロックバンド。前作は2017年に142位。
収録曲「Not」(2019/08/13)のYouTube視聴回数は約19万回。
●Allah-Las『LAHS』(Mexican Summer)
サイケ/ガレージロックバンド。
収録曲「Raspberry Jam」(2019/04/24)のYouTube視聴回数は46万5000回。
●BABYMETAL『Metal Galaxy』(earMUSIC, Edel)
日本のKawaiiメタルバンドの3rdアルバム。前作は2016年に39位。
収録曲「PAPAYA!!」のYouTube視聴回数は910万回。
●Kim Gordon『No Home Record』(Matador)
大御所グランジバンド、ソニックユースの“ゴッドマザー”初のソロアルバム。
収録曲「Sketch Artist」(2019/08/20)のYouTube視聴回数は16万5000回。
●Devon Welsh『True Love』(You Are Accepted)
元Majical Cloudzのカナダ人男性ボーカリスト。
収録曲「War」(2019/07/12)のYouTube視聴回数は、3554回。
●Elbow『Giants of All Sizes』(Polydor, Verve Label Group)
ロンドンオリンピックのテーマ曲を演奏したイギリスのバンド。2013年に英チャート1位の実績あり。収録曲「Empires」(2019/09/04)のYouTube視聴回数は、約17万2000回。
●Richard Dawson『2020』(Domino)
イギリスのサイケロック/フォークシンガー。
収録曲「Jogging」(2019/08/01)のYouTube視聴回数は、約6万3000回。
●Lindstrøm『On A Clear Day I Can See You Forever』(Smalltown Supersound)
ノルウェーの電子音楽家/プロデューサー。
最新のライブ動画のYouTube視聴回数は約1万1000回。
●Starcrawler『Devour You』(Rough Trade)
LA出身の大人気若手ロックンロールバンドの2ndアルバム。おそらく『METAL GALAXY』の最大の競合となるのはこのバンド。
2017年の大ヒット曲「I love LA」の視聴回数は379万5000回。
https://www.youtube.com/watch?v=JR6n23_fL3o
だが、「Bet My Brains」(2019/08/01)は48万7000回。
BABYMETALの「PAPAYA!!」は910万回と桁違いだから、畏れるに足らずと思うが、どうですかね。
(つづく)

 

お詫びと訂正:

9月14日~10月5日のチャートに誤りがあったため、10月8日13:25に修正しました。