怪物の称号(3) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日1110日は、2012年、初海外公演となるAnime Festival Asia Singapore 2012に出演し、3人がカエルを食べた日DEATH

 

WikipediaBABYMETALの項が更新された。

メンバー欄では写真が改められ、YUIMETALが旧メンバーとして記載されている。

バックダンサーの欄が新設されて、「要出典」ではあるが、現メンバーとして佃井皆美(19871218日)、丸山未邦子(198835日)、秋山祥子、大森小都乃(2000101日)、平井沙弥(200119日)と記載されている。

なお、Darknight Carnivalのドラマーは、Radical Hardcore Cliqueメンバー、Eiji MatsuMo-Fo(エイジ) であったことも記載されている。

Wikipediaの記事は、運営側が書いているのではなく、第三者が書いているのだが、プロショットが使われていることから、プロモーションの暗黙の承認のもとに書かれていると推定される。このメンバーは確定なのだろう。

残念ながら、いくつか不正確な点がある。大森小都乃は「おおもりとのこ」という間違ったふりがな(正しくは「ことの」)が記載され、秋山祥子については生年月日がない。

秋山祥子(SHOKO)はWikipediaELEVANPLAYメンバー欄にはないが、その一員で、今年のサマソニに出演したDAOKOのバックダンサーを務めていることが本人のInstagramからわかる。

さらに、ダンサーの旧メンバーとして、SISTERBONE(仮面の為、素性不明)と記載されている。これを取り上げて制作されたYouTube動画の中には、「新メンバーは5人じゃなくて6人!?」などというタイトルのものもある。

Legend1999YUIMETAL&MOAMETAL聖誕祭」(2013年)に出演したSISTERBONE4人であり、正体はMIKIKO師率いるダンスグループELEVENPLAYの選抜メンバーだったことは、WikipediaELAVENPLAYのページの「主な仕事―ライブ」欄に記載されていることでわかる。

シンガポールのJudas Priest Fire Power World Tour前座およびオーストラリアGood Thingsフェスまで約3週間。

前座、フェス3040分のステージなので、Chosen 7全員を帯同する可能性は低い。ではどんな体制なのか。欧米ツアーのようにSU-MOAMINAKO神、MINAMI神なのか、それとも別のフォーメーションなのか。

これを考えるだけでも、Chosen 7の新体制は、変幻自在、神出鬼没の多様なBABYMETAL像が描けるではないか。想像を斜め上から超えてくるのがBABYMETALだから、どうなるのか、思うだにワクワクする。

 

現在「アイドル」界で「怪物」という異名をとるメンバーを三人挙げよといわれたら、ぼくなら乃木坂46の生田絵梨花、欅坂46の平手友梨奈、AKB48のドラフト3期矢作萌夏の三人になるだろう。

乃木坂一期生の生田絵梨花はドイツ生まれで、SU-の姉、中元日芽香と同学年で仲もよかったが、全国ピアノコンクールで東京代表になるほどの腕前と、乃木坂一の歌唱力をもち、ミュージカルなどにも出ている。性格的には自分の世界に入り込むと周りが見えなくなるほどの天然=天才、奇人ぶりを発揮している。

欅坂46最年少センターの平手友梨奈は、20164月のMステに登場した時から、SU-METALと比較されるほどの「逸材」と呼ばれ、歌唱力はないが、ダンス表現や楽曲の世界観の表現に関しては、ストイックな求道者。冠番組ではほとんど笑わず、バラエティ対応を求められる「アイドル」扱いされるのを拒否しているかに見えるほどの存在感を持つ。平手の欠場により、欅坂46の日本武道館公演がひらがなけやきの公演に変わるなど、話題性にも事欠かない。

矢作萌夏は、2002年生まれの15歳で、SKE48矢作有紀奈の妹。2016年、16期生セレクションで落選したが、今年1月、AKB48の「ドラフト候補者」に入り、チームKに所属。5月の柏木由紀プロデュースの「アイドル修行中」公演に抜擢され、秋元才加の自作曲「虫のバラード」をソロで歌い、たぐいまれな歌唱力、表現力を披露して、古参ファンから「逸材」「怪物級」と呼ばれる。今年の世界選抜総選挙には参加していない。

ぼくは「アイドル」といえども表現者だと思っているので、この三人が「巨大勢力」に属しているのが惜しいと思う反面、そこを表現の場に選んだのなら、とことん活躍してほしいと思っている。

今年は、ももいろクローバーZの有安杏果、私立恵比寿中学の廣田あいかが「アイドル」界を去った。有安はキッズタレント時代から芸能界を歩んできたので、普通の女性として生活することを選んだ。廣田あいかはアーティスト活動を続けると言っていたが、現在は充電中である。

もともと「アイドル」のお約束を満載したさくら学院というグループに、SU-METALYUIMETALMOAMETALという3人の天才が集まったように、「アイドル」業界には時折、とんでもない才能を持った者が集まる。

有安杏果は、初期ももクロに「歌とダンスの天才」「小さな巨人」として参加することで、グループ全体のレベルアップの原動力となった。

廣田あいかは「あいあい」というニックネームと「アニメ声」で、アイドル性が高いと思いきや、歌を歌わせたら、たいていの歌手がのけぞるほどのピッチの正確さと表現力を持っている。鉄道マニアというオジサン性と裏原宿好きというファッション性を併せ持つ多彩な才能で、当初「無軌道」といわれるほど雑然としていた私立恵比寿中学のライブでは歌の柱だった。

彼女たちがそうだというわけではないが、「アイドル界」にあっては、「天才」「怪物」は往々にしてその才能を発揮できず、「場違い」を感じて絶望し、去ってしまうことがある。そして、いったん「元アイドル」の肩書をつけられたが最後、他の分野ではともかく、もっとも本質が近いはずの歌手、アーティストとしてはなかなか認知されないことが多い。これ以前遠藤舞(元アイドリング!!!)のところで書いた。

遠藤舞は引退の際のSNSで、「アイドル」の定義を「未熟であることに意味のある存在」と言っていた。

若くして「怪物」「天才」と呼ばれる才能には、技量に比して社会的な早熟性や未熟性があるから、必ずしも「アイドル」とは矛盾しない。

だが、やはりある程度の年齢を過ぎると「未熟性」を売ることはできず、才能の深まり、円熟味まで含んだ表現をしなくてはならなくなる。そうなるともはや「アイドル」と「天才」は形容矛盾になってしまうのだ。

どうしたら、「アイドル」グループにいる「怪物」は、世間にその「天才」を認知させることができるのか。

ぼくの考えでは、最初からアーティストとしてデビューするのが一番良いのだと思う。

アーティストとして「早熟な天才」「怪物」として認知され、やがてアーティストとして何らかの出来事を通じて「成長」し、アーティストとして「円熟味」を増してゆく。つまりアーティストとして一貫した人生を送れるわけだ。

しかし、デビューが「アイドル」であって、見る目のある人には「天才」「怪物」と映っても、「アイドル」としては、それを表に出すわけにいかない、という場合にはどうすればいいのか。

これも勝手な考えに過ぎないが、「アイドル」を「卒業」したあと、時間を置く、あるいは一時世間から隠れるという方法しかないのではないか。

「アイドル」として惜しまれつつ業界を去ってすぐにアーティストとしてデビューすると「昨日までアイドル、今日からアーティスト」の身勝手さを世間は許さない。本人がどう説明しても「おまえは元〇〇のメンバーじゃないか」と思われてしまう。

だが少なくとも数年、できれば10年くらいは雌伏―地道なライブハウス回りとか―していて、ある日再びヒットを飛ばすとどうなるか。そうすると「あの元アイドルが、ここまで変わったのか」という目で世間は見ることになる。改めてその「怪物」「天才」ぶりが思い出され、印象が書き換わる。場合によっては「アイドル」時代を知らない若いファンがつく。そこで本当にアーティストとしての人生が始まることになる。

BABYMETALがやっていることは、実はこの手順を踏んでいる節がある。

20164月以降、BABYMETALは地上波テレビへの出演を一切やめた。東京ドーム以降は、芸能ニュースですら報道されない。今年BABYMETALが一般芸能枠で報道されたのは、1月、藤岡幹夫神の逝去と、今回のYUIMETAL脱退だった。

もともとさくら学院自体、メジャーなアイドルグループではなく、BABYMETALが有名になった後、「実はアイドルグループさくら学院の部活で…」という由来が広まった。

だがやはり、2014年~2016年までは、世間は「日本のアイドルグループがメタルの本場で大人気」という受け取り方をしたはずなのだ。

しかし、201610月以降~201810月まで、BABYMETALは徹底的にマスコミ報道を避けた。現在もそうである。「アイドル」扱いされることを拒否し、プライベートは一切明かさない秘密主義=アーティスト仕様を貫いている。

それは、ここまで考えてきたように、アーティストとしてのBABYMETALを認知させようとしているからではないか。

「アイドル」として「天才」「怪物」と呼ばれたSU-METALを、アーティストとして扱わせようとしているからではないか。

そう考えると、地上波に露出しないことには、長い目で見て重要な意味があることがわかってくる。

アミューズとKOBAMETALは、BABYMETALを社是である「世界に通用するアーティスト」として、長く、大きく育てようとしているのだ。「未熟さ」を売りにする「アイドル」ではなく、括弧のとれたジャパニーズ・アイドルとして世界に売り、それが成功するや、今度はアイドル性さえも脱皮し、本格的なアーティストとして再デビューさせようとしているように思えるのだ。

もちろん今は過渡期だから、その全貌や戦略が、かつてのようにKOBAMETALの口から語られることはない。実際、これが成功するかどうかもわからない。

だが、YUIMETAL欠場―脱退を奇貨として、BABYMETALはそのアーティスト性を全開にしていく方向へ大きく舵を切ったといえる。Chosen 7のダンス・ワークはアートそのものだ。

そのキーワードが、明るくポジティブなアイドルとしてのLight Sideに対するDark Side=暗黒である。

黒にもいろいろな色がある。

墨色、紺鼠、檳榔子黒、漆黒、濡羽色、藍墨茶、呂色、…。

YUI、MOAの二人からなるBLACK BABYMETALは、Light Sideにおける明るい黒だった。

SU-とMOAの二人になったBABYMETALは、これからさまざまな夜を、黒を巡っていくことになる。

星の光は昼間には見えない。

夜だからこそ感じる温かさや優しさもある。

絶望さえも光になるというテーマを、BABYMETALは世界中の隅々にまで広げてゆくだろう。

ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ。

狐は夜行性だし、「怪物」は夜に叫ぶのだ。